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[徒然]酔いながら歩く新宿は異世界だった。

脳みそが優しく締め付けられるこの感じ。そう、ちょうどいい酔い具合だ。気持ち悪くもなく、それでいて意識は適度に曖昧だ。

厚手のコートに身を包み、フラフラと新宿の改札を出る。酔っているときは、PASMOをセンサーに叩きつけたくなる。この気持ちよさに任せて、全ての動作をあえて雑にする。それも気持ちよく酔うコツのひとつだ。

そんな調子で南口の改札を出ると、案の定、人の渦に呑み込まれる。僕の足がふらふらしているのか、それとも人によってふらふらするのか。それは定かではな〜いのであ〜る。(執筆しながら気づいたが、未だに酔いは覚めていない)

ちなみに僕は血中アルコール濃度が0.02%を超えると視力が落ちる。だいたい0.5くらい落ちる。だから、そんな視力で街を歩くと、あらゆるものが違って見えるのだ。

過ぎゆく女性たちは皆超絶美人に見え、ネオンは微かに滲み、風は不思議と秋の夜の色をしていた。

新宿は異世界だった。

そんなときは、散歩に限る。だが少し待ってほしい。異世界に旅立つ前に、ルミネでトイレを済ませておこう。新宿ルミネのトイレ位置は把握済みだ。最短経路でトイレに向かう。

さあ、気を取り直して出発だ。

まずは新宿バスタの前を歩く。ん?バスタ新宿?どっちが先だ?バスタが、新宿か…。 ま、どっちでもいいや。細かいを気にしたって結局どうにもならない。大きなところを気にしよう。SDGsとかもそうだ。ひとりひとりがエコとか何とか言って分別するのも、たしかに大事だ。それがまとまればムーブメントになるし、それが大きな一歩に繋がるかもしれない。でもそれよりも、もっと大きな絶対値を展開させなきゃいけない。SDGsがもっと大切な課題から目を背けるための口実になっている気がしてならない。

ちなみにもっと大切な課題とは「脱成長コミュニズム」のことであるが、詳しくはこちらの書籍を一読してほしい。ここではそんな真面目な話をするつもりはない。

新宿を歩く。とは言ったものの、南口の前のガードレールのところに腰を下ろし座っていただけだ。よくストリートミュージシャンとかが歌ってるところ。あそこの横らへんで寒い中踞ってた。

でも酔っていると不思議なもので、その寒さが心地よい。そして、さっきKIOSKで震えながら購入したチョコパンを獣のように喰っている。この時が一番気持ちいい。

酔い。空気の澄んだ夜空。雑踏は気にならない。目の前のチョコパン。周りの目は気にならない。ただ頭を揺らしながら夢中で喰らうだけ。

新宿南口のガードレール沿いに座り込んでいるのが僕だ。

そして徐にまたルミネへと向かう。飲酒に尿意はつきものだ。そんな頽廃的な夜。最高だった。

みんなおやすみ。

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