現場でのタイル放置はNG!汚れが取れなくなる原因とは?取る方法は?
「タイルが汚れてしまって、しかも取れません(涙)」
せっかく選んだタイルが施工前に汚れてしまっているというケースが多々あります。このような悲しい知らせは、タイルが届いてから1~2週間後に届くことが多いです。届いたときはきれいだったのに、なぜこんなことが起きてしまうのでしょうか?
外構工事でよくあること
作業現場では、思いのほか空気中にいろんなものが霧のように浮遊します。
モルタルは非常に飛びやすく、風向きひとつで想像以上に遠くまで飛んでいきます。一旦ついてしまったら、取り除くのは大変です。
タイルを養生しましょう
一般的に "屋外で使うタイルだから大丈夫" と思いがちです。雨や雪には強いタイルですが、セメントの粉やペンキは汚れとして残ります。
玄関や駐車場にタイルを施工する時、届いたタイルをそのまま現場に放置することは避けましょう。施工の直前までタイルをしっかり養生しましょう。
汚れたタイル
これはお客様から届いた写真です。擦っても水拭きしても取れないとのこと。非常に困惑されたご様子に、私たちも悲しくなりました。
シマシマ模様になっているので、タイルを重ねた状態で何かがあったことがわかります。しかし写真から判断することは困難です。白や茶色の汚れがびっしりとこびりつき、ところどころに油膜のような虹色が確認できます。一体何が付いているのか。それよりも、あまりの変わりように衝撃を受け、言葉がありません。
タイルの中から汚れが出た?
困惑したお客様は「タイルから何かが滲み出たのではないか」と推測しました。タイルの性質をご存知でなければ、そう思うのは自然のことかもしれません。そこで、タイルの性質上、何かが滲み出ることはないと伝えなければなりません。
タイルの性質
このタイルは磁器質(じきしつ)です。1200~1350度の超高温で焼いたタイルです。磁器は主にガラス質を多く含みます。超高温で焼いたタイルはとても緻密で、ガラスが素地の中の穴の連結を閉ざすようになります。焼きしまったタイルの中から、何かが滲み出ることは…考えられないのです。
磁器質タイルは吸水率が1%未満と言われています。超高温で焼くと磁器に含まれるガラス質が素地の穴を閉ざします。焼きしまった磁器は叩くと金属のような澄んだ音が出るほど緻密になります。それは水がほとんど浸透しない素材です。水が浸透しないということは、タイルの内部や表面に水が入り込むことがないため、結果的に汚れやシミが付きにくくなります。このため、磁器質タイルは"汚れにくさ”が特徴の一つとなっています。
お客様の推測は当たりませんでしたが、ここでさらなる疑問が残ります。汚れにくい性質なのに、こんなにびっしりと汚れてしまったのはなぜなのか。お客様は、どうやったら元通りにできるかを知りたい、とのことです。そこで私たちに知り得るタイルの除去方法をお伝えしました。
汚れを落とすために
調べましょう
汚れの正体を探ります。何が付いているのかが分かれば、汚れを落とす方法も自ずとわかります。現場作業の人にどんな作業をしていたかを確認してみると良いかもしれません。
汚れの正体がわからない時
擦って取れるかどうかを試しましょう。消しゴムやメラミンスポンジで擦ってみます。目立たないところから始めましょう。
擦って取れるのならそのまま消しゴムやメラミンスポンジで汚れを取り除きます。しかし、広範囲に広がった汚れには時間がかかりすぎます。洗剤を使った汚れの除去は、下の順番で試しましょう。
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洗剤を試す順番
中性洗剤
↓酸性洗剤
※注意※よく薄めて使用
↓アルカリ性洗剤
塩素を含んでいる洗剤との併用は必ず避けましょう。この2つを混ぜ合わせると人体に有毒なガスが生まれ、命の危機にも関わります。
↓有機溶剤
↓研磨剤入り洗剤
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タイルの色に影響がないかどうか確認しながら進めます。そのためできるだけ目立たないところで試してから判断してください。
洗剤や薬品を使った後は、たっぷりの水で洗い流してください。洗剤や薬品が残っていると色落ちや変色の原因になります。
酸洗いは変色する恐れがあります
タイルは「酸洗いやクレンザー洗いはしないでください」と当店の商品ページには記載しています。酸は刺激が強いため、タイルを変色させる恐れがあるからです。最初から強い薬品を使うことは避けてください。汚れの正体がわからない時は、手順に沿って進めていくことをお勧めします。
汚れたタイル、その後…
中性洗剤で試しても取れなかったとの連絡がありました。
そこで、酸性・アルカリ性のどちらで汚れが落ちるかを確認してもらいまいした。目立たないところで、どちらの成分が汚れに効果があるかを確認し、効果のある方を見極めるのです。
その後の報告はありませんでしたが、汚れが取れたことを願います。
まとめ
タイルが汚れないように、養生しておくことは大切なことです。
DIYで外構を作ろうとしたとき、ビニールやボロ布などでしっかり保護しておきましょう。現場ではいろんなものが空中を飛んでいるということを忘れないでください。ひと手間かかりますが、汚れを落とす作業の方がはるかに時間がかかります。
ちゃんとした施工業者さんなら知っています。養生することは基本中の基本です。
では、理想の仕上がりを目指して、まずは養生シートを準備しましょう!
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