見出し画像

「自分で考えろ」と「勝手に行動するな」の線引きが欲しい

精神科の中でも発達障害を診れるお医者様というのは多くはなく、予約してから2か月待ちというのは良くあることです。
私は予約してから診療を受ける間に職業が変わってしまいまして、予約時に起きていた身体愁訴も今は治まっており、かねてから気になっていた発達障害(ADHD)持ちかの診察をしてもらったところ「ASD(自閉症スペクトラム)の特性を持っている」との御言葉をいただくこととなりました。

障碍者手帳が必要になるなどのことがあれば、正式な検査が必要なので、必要になったときに改めて来るよう進言されましたが、自分がADHDではないかと疑っていたら、まさかのASDの方でした。

銀座心療内科クリニックのASDセルフチェック

実際問題としてASDセルフチェックにおいても、かなり高い得点を叩き出しますので、ASDの可能性も多いにあるということになります。

思うに、ASDの特性があるから業務標準化に対する関心が高かったのかもしれませんね。

そんな私にとって惑うのは「自分で考えろ」と「勝手に判断するな」の違いです。
今回はその話をしようと思います。


📄「自分で考えろ」とは言うけれど…

会社に入って会社人となると「自分で考えろ」ということは良く言われる言葉です。
「自分で考えて率先して業務をやれ(仕事を作れ)」とは言われるのですけども「自分で考えて仕事したら勝手なことするなと言われた」ということが往々にしてあるのですね。

この「自分で考えて仕事しろ」というのが非常に難題です。
というのも、この「自分で考えて仕事しろ」の言葉は正確に言えばこうなるのです。

「自分で考えて自分の裁量の範囲でできる仕事をしろ」ということなんですね。
それは普通の人から見れば「そんなの当たり前じゃないか」なのですが、私のような手合いはまず「自分にどれだけの裁量があるねん」ということで思考がフリーズするのです。

言ってしまうと「出世する人というのは自分の裁量を<正確に>把握できて上司の要求を先回りできる能力がある」ということになります。
ASDの特性を持っているとコレができません。

💫そして「勝手なことをするな」で委縮する

例えば私は旅行が好きですが、それこそ1人で旅行すると「自分で考えて」考え付いたままに行動します。
るるぶ、じゃらん、フォトジェニックと言った旅行誌なんて使ったことないですからね。
グーグルマップだけで十分なんです。

こうして1人になると「自分で考え」て「勝手に」行動できるから気楽なんですよね。
周りに合わせる必要が全くないのです。
言うなれば1人じゃ何処も行けないのではなく「1人じゃないと何処も行けない」のです。

これが組織に於いては最も苦労するポイントに変わります。
そもそも自分の裁量を<正確に>把握できないのですから、検討違いなことばかりするわけです。
この先に待ち受ける言葉が「勝手なことするな」です。

そして「自分で考えろ」⇒「勝手なことするな」のコンボで思考は完全にフリーズし、結果「一周回って考えるのをやめた」ということに繋がります。

🔘「何処まで自分で考えれば良いのか」を見える化して欲しい

思うに私が業務標準化への関心が高かったのは「標準化できることを標準化して自分で考える(無駄な)時間を減らしたい」というのはあったのです。

そういう意味で「自分で考える範囲」って言うのは可視化して欲しいところがありますね。
例えば自分で考えるというのは「作業方法を考えるところまでを自分でやって判断は上司に訊いた方が良い」のか「自分で考えた作業の進め方通りに進めるところまでやって良いのか」というのは、本当に悩まされることが多いわけです。
それだけで疲労感に襲われますし、作業スピード向上に必要なのは「自分で考える時間を減らすこと」でもあるので。

ちなみに前社では私以上に「この人アスペやな」と思う人がおりまして、その人は「最後に入ってきた命令が正になる」という特性がありました。
要は最後の命令だけが実行されて他がデリートされるのです(これは私も概ね同じことが言えます)

ASDの特性持ちにとって組織というのは大変なのですが、取り分け表面化しやすいイベントが飲み会です。
ASDでも1on1のコミュニケーションは概ね問題なくできる。
3人までの会話なら何とかできる。
4人集まると空気になる。
とにかく集団行動が苦手、周りに合わせるのが苦手、自分に求められたものを察するのが苦手、なので「自分で考えて(上司・チームの望む通りの)成果を出す」のもやっぱり苦手です。

私には「自分で考えろ」と「勝手なことをするな」を両立させるのが極めて難しいのですが、これが上手にできる人は出世できますし、できない人は大きな組織にいるほど、私と似たような苦労をするんではないかなぁと思うのです。

この記事が参加している募集

仕事について話そう

ご一読ありがとうございます。お読みいただいた記事がもし無料、あるいは価格以上の価値があると思ったら、フォローならびに、サポートいただけますと幸いです。