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堀江貴文の凋落と一つの理想の終焉…

下書きを書こうと思ってから随分と書き出しに時間のかかったnoteとなりました。
Twitterではかなり政治系のアカウントがフォロワーに多いこともあり、望もうが望むまいが、毎日のように政治の話題を目にします。
で、参院選の近い今、敢えてポリティカルコンパス的な話をしちゃうと、私の政治的な思想っていうのは、新自由主義という思想を持っているということが結果として出てきました。
新自由主義と言えば有名な役者は小泉純一郎、竹中平蔵、ホリエモン。あとは橋本徹が続きますかね。政治政党で言えば、橋本徹時代の維新が新自由主義的な政策を進めていたんじゃないかなと思っています。

まぁ役者名を見れば私は確かに小泉純一郎を支持していたし、新自由主義によって公正な競争が行われ、実力主義の社会になれば、あらゆる閉塞感を打破してくれるものと信じていました。
小泉政権当時、その(ある意味で悪い)象徴となったのが堀江貴文です。
堀江貴文の経営していたライブドアは、当時「あの会社が何やってるか知らないけど取り敢えず有名」という状態でした。実態は投資ファンドだったわけですが、まぁ全盛期の堀江貴文は今の前澤友作のように物凄く羽振り良かったでしょ?
それが刑務所でお世話になって、小泉純一郎も次の政権に座を明け渡し、再び短命政権の時代となりました。
時は経って安倍政権。結構私の周りで「安倍政権の新自由主義政策で国民の生活が壊れてるぞ!」って話を目にするんですが、まぁどれだけツイートしても安倍政権が新自由主義やってるという誤解を解くのは不可能な気がしています(厳密に言って安倍政権は新自由主義政策は取っていません)。
まぁこの辺の政治的な細かい話は置いといて、最近の堀江貴文を見ると、新自由主義の時代は終わってしまったことの寂しさを感じます。

年金デモに対し、デモをやった人達に「税金泥棒!」と言ったのは、なかなかショックなものでありました。
デモをした人達は普段は労働者、日曜日の休日を使ってデモをしているわけです。
労働をしていれば社会保険…つまり厚生年金が強制的に給料から天引きされます。社会保険は健康保険、雇用保険、介護保険、厚生年金が纏まった総称なわけですけども、給与明細を見れば分かる通り、厚生年金の割合が最も大きいのです。
年金は現在、賦課方式と言って、現役世代の保険料+消費税で高齢者の暮らしを支えていることは知られていますが、先日麻生財務相が「2000万円自分で用意しとかないとやってけねぇと思うよ(・3・)Γ=~~~」と言ったことで波紋を呼びました。
勿論、麻生財務相の「自分で2000万円用意しな🏧」は真実だと思いますし、麻生財務相本人もウッカリ本当の事を言ってしまって焦ったでしょう。というか、この2000万円は現在の通貨価値をベースに考えた上での2000万円であり、将来的に日本の財政が破綻した場合、その時の物価次第では10億円だとか、100億円、1000兆円の自己資金が必要になってくるかも知れません。
「日本の財政は絶対破綻しない!」とはよく聞きますが、現に年金制度は既に破綻しています。日本国債の格付けも下がり、今や韓国債より格付けが下なのです。
一応年金には物価スライドがついていますが、自己資金には物価スライドなんてつきませんので、そんなに未来を見据えて自己資金を用意するというのは、大半の労働者にはできないわけです。ただでさえデフォルト起こしてない今ですら、異次元緩和で毎年資産(円の価値)が目減りしてるんですから。

こうしたことはホリエモンなら勿論わかってるはずだと思いますが、それで「日曜日にバカなデモなんかしてねぇで働けよ」と言ったわけですね。
そこからホリエモンの過去が蒸し返されて、タクシードライバーにハラスメントを行っていたことが発掘されたわけです。

タクシードライバーに対するあまりの仕打ち

かとさよ氏のnoteを見ればわかりますが、堀江貴文はタクシードライバーと口論をし、その様子を動画にして配信しました。
「乗車拒否は違法だからな!」とホリエモンは言っていますが、実際にはハラスメントをしてくるようなお客は乗車拒否して良いわけです。
実際、私が運転手の立場で考えても、ああして強い語気で突っかかってきた挙句、動画まで撮影されて「お前みたいな奴を辞めさせるためにこんな活動してる!」と言われれば、身の危険を感じるに決まっています。即座に警察へ通報しますし、乗せられないですよ、あんな状態のホリエモン。
更に2010年頃の動画でしたかね。
西村博之がホリエモンを指して「Twitterで儲けてるのはこの人。特定のキーワードでツイートするとお金払ってくれるスポンサーがいる」と暴露していました。
いったい年金デモをやっていた人達を指して「税金泥棒!」と言い放ったツイートが誰からお金を貰っていたかはわかりませんが、ともあれ、労働者を馬鹿にし、蔑み、中傷するスタンスは、もはや凋落した成金の成れの果てでしかありません・・・。
新自由主義の国と言えばアメリカが真っ先に浮かぶと思いますが、実際にはアメリカの政治面でも新自由主義は実現できてないとはいえ、新自由主義型社会では優秀な人は起業家でなくても結構給料を貰えます。
極端な例で言えば、MacやiPadをデザインしたジョナサン・アイヴ。年収1億円超えでした。
サラリーマンプログラマーの年収なんか、日米を比較しても2倍近い差があります。キチンと専門職として確立しているアメリカと、ゼネラリスト重視で専門性を軽視する日本とでは、プログラマーに対する賃金で開きが出てしまうわけです。
そもそも日本は実力主義の国ではありませんし、なんだかんだで封建制の国家でもあります(各雇用形態が単なるヒエラルキー構造の現れでしかないので・・・)。
そんな中で新自由主義は封建国家日本を壊し、出生や生い立ちに引け目を感じる人達を差別から解放し、真の平等を作ってくれるものだと信じていました。
そんな新自由主義も、ホリエモンの凋落を見れば、その時代は終わったと認めざるを得ないのでしょうね。
そして安倍政権の資本主義の形態(実務面)もまた、新自由主義ではなく、実際には中国共産党と同じ資本主義形態を取っているのです。
つまるところ、実務面としての新自由主義は既にこの日本にはなく、ひとつの理想としても敗退したわけです。
タクシードライバーに痛烈なハラスメントをかます堀江貴文の姿はある意味で新自由主義の凋落でもあり、私の理想もまた、敗れ去ったものであることを痛感し、それでも新自由主義の理想を捨てられないところにまた、私の弱さがあるのかもしれないですね。

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