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なぜ日本人はルールを守らないのか…📖

「中国人や韓国人はルールを守らない!」
ということで怒る人をネットでもリアルでもはよくよく見てきたのですが、こういう怒りの声を聴いていると「日本人ってルールを守る民族だっけ?」と疑問が湧いてきます。
「は、日本人はルールを守ってるだろ。大橋は頭おかしいんじゃないか?」
こう思う人もいるでしょう。
では早速ですが労基法、派遣法、道路交通法を全てちゃんと遵守してる会社があったら是非教えてください、特に派遣法を遵守してる会社は非常に稀ですから。

こちらでも書きましたが、労働基準法における合法ラインは1日8時間で、1週間だと40時間が限度です。ここが最大地点なんですね。
ところがフルタイム労働の実務は「8時間が最低時間」になってるのです、一昔前なんかだと「残業100時間程度で文句言うな!」がある種のコンセンサスだったのでしょうけど、いかに日本が法治国家ではないかということが良く表れていたのではないでしょうか。
ヘイトスピーチ規制法なんてDHCの会長なんか普通に守ってないでしょ?
特にサントリーに対する発言は普通に名誉棄損で裁判起こされても不思議ではないほど過激なもの。まぁここまで激しいものでは無くとも、職場ではドレスコードも守らず出勤する人やら、執務室での菓子食いはダメよとなってる就業規則を破る輩など、ルールを守らない人なんてそこかしこ中に見ることができます。
ちなみに今年はルールを守らない人達の力で山火事が多発しましたよね。東京都の条例では焚き火は禁止です。

🌀日本人が従ってるのはルールじゃなくて空気

これ云うのもなんですが、たぶん小池百合子なんかは日本人が明文律より不文律に沿って動く特性を良く知り尽くしてます。
昨年の外出自粛に関する動きなんか顕著なんですが、感染拡大阻止にあたっての明文的な条例って作ってないんですよ。というか、安倍政権を見ても、外出を禁止する法律、飲食店の時短営業をしなければいけない法律などは作ってないのです。全部空気に任せて政治をし、それは成功したのです。
自粛警察や他県ナンバー狩りなんてその結果として生まれた産物です。特に他県ナンバー狩りなんて器物損壊罪そのものなのですが、他人の所有物を傷つけてはならないというルールより、他県への移動を自粛するべきという空気の方が勝ったのです。
高校卒業と同時に就職した人は、19歳(未成年)にも関わらず酒を飲まされた人は少なくないでしょう。私も飲まされた1人です。未成年は酒を飲んではいけないというルールより、社会人になったら先輩から出された酒は飲むものだと要求され、呑んでしまったわけです。

📞常識・マナーは性善説:ルールは性悪説

何となくだけど、日本人は性悪説に立ってものを考えるのが好きではないんですよね。常識やマナーというのは言わば不文律ですから、性善説に立ってものを考えているのです。
「これくらい言わなくてもわかるよね?」と「固いこと言うなよー」がポイントとなる言葉ですかね。
これに対してルールというのは性悪説に基いて作られます。
「言わなきゃわからない」と「取り決めなきゃ守られない」がポイントでしょうか。特にルールというのは「他人同士は分かり合えない」という前提に立ってものを考えますから、アメリカみたいな移民大国だと、ちゃんと細かく決めておかないとトラブルになるわけです。
この点、日本や韓国はまだまだ単一民族ですから、ルールを守るのも苦手だし、そもそも作ることも苦手なんじゃないでしょうかね。だから仕事の標準化なんてなかなか進まないし、そら残業大国にもなりますわね。

📖契約書は読まないし読めないし書けない

コールセンター勤務時代に店舗で怒ってる客のクレームは何度も対応しましたが、毎回のように内容が店舗スタッフとの言った言わないの話になるんですよ。
もちろん私がお客に取る対応は端的に言って「インターネット契約するのに契約書読まなかったお前が悪い」で突っぱねます。まぁ最終的には店舗スタッフからの泣き寝入り電話で客がゴネ勝つんですが、まぁ店舗スタッフもノルマ掛かってて、目標達成できないと自分が契約させられたりしますから、強引に契約させてたとしてもおかしくはありません。
そこで私は偵察の為に、実際に店舗へ行って自分がサービス契約してくるなんて実験をしたことがありましたが、重要事項説明を読む時間はちゃんとくれるんです。
内閣府調査を見ると流石に「契約書を全く読まない」という割合は低下してきていますが、それでも内容を自分の中で咀嚼して読む人はまだまだ少ないようには見えますね。

そう言えば先日、別の一人現場常駐先に勤めていたSESの辞めてしまったとプロパーから言われました。
理由を聞くと「前任者がやっていた契約外の業務を要求され、スキルの無い後任の若い人は対応できなかった」と言います。
「なら前任者がやってた契約外業務を契約に含めれば良いんじゃないの?」
「いや、契約書に含めるとコッチも派遣さんに高い金払わなきゃいけなくなるじゃん・・・」
「そりゃ辞めるわ。辞めさせるための仕組み整えてるんだから」
と、こんなやり取りを交わしたんですよね。まぁ心の中で「若い人はもうこんなIT多重請負構造の中に入ってきたらアカンよ」と思うのですが、ともあれ「金払いたくないから簡単作業だけをやる前提の契約書を交わしてた」というのが悪質ではありますね。
これが外資だったりすると「それは契約に入ってないしやらない」の一言で済むんだろうけど、そこから客先には性善説的なノリで「こんなこともできるよね?」と聞かれれば断り辛いというもの。後任者が辞めて当然だし、たまたまその後に入ってきた人が年配で経験豊富そうな人だから良かったものの、こりゃ完全にガチャの世界だなって感じですね。
一体なぜ日本人はルールを守れないのか。それは性善説ベースで事を考え、空気という名の強い同調圧力でルールを捻じ曲げ、作ることすら面倒がるわけですから、ルールなんて守られるわけが無いんですわね。
「法律よりも常識の方が効力は強いが、法律で定められた罰則だけは発生する」
これが日本社会の中で至る所に発生している歪なのでありまして、キチンとした意味で日本が人治国家から法治国家になる世の中に期待したいですね。

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