誰しもが美樹さやかになり得る
昔書いたブログの焼き増しになりますが、思えば、まどか☆マギカは子供向けアニメというより、大人こそ視ないといけないアニメであると思うものがありました。勿論コミックでも販売されています(私はコミックで全話を読みました)
あの作品に出てくるマスコットは最高に憎たらしいマスコットなわけですけども、キュウべぇと交わす魔法少女契約というのは、現実世界でも我々は似たようなことをやっているのです。
コールセンター退職直後くらいに書いたブログだけど、今までネット回線契約のサポートセンターに6年くらい働いてたんで、まぁ重説の「言った言わない」のクレームが何度来たか。販売店サポートもやってたんで、たぶん店舗スタッフが重説を説明してないってことは殆ど無いとわかってるんですけども、基本、日本のネット回線契約ってお客のゴネ勝ちな世界です。
「解約料取るってなら裁判起こしてやるそ!」なんて言われた時など「なら裁判起こせば良いのに。どうせ貴男負けるよ」と何度思ったことでしょう。
基本的に客サポにクレーム出されても「あなた重説にチェック入れてサインしたよね」で突っぱねるのが基本で、客サポ側で解除料免除なんてことはまずしないです。
ただ在職時から思ってたのですが、本当に日本人は契約書読まないなと。アメリカなんかじゃ超分厚い契約書になるらしいんで、そりゃ読む気起きないのもわかるけど、紙っぺら3枚すら読めない人が多いわけです。たかだか月4000円、解約手数料9975円のネット契約ですらこうなるのだと、保険や不動産売買契約ではもっと痛い目に遭うんじゃないかと、些か心配になってまいります・・・。
🦄不動産売買契約と魔法少女契約の類似性
まどか☆マギカを見ていますと、魔法少女契約と不動産売買契約の類似性の高さには驚かされます。
まず魔法少女契約におけるキュウべぇ、魔法少女の債権・債務を見てみましょう。
【キュウべぇの債権と債務】
債権:魔法少女をずーっと働かせられる
債務:一回だけ魔法少女の願いを叶える
【魔法少女の債権と債務】
債権:一回だけキュウべぇにどんな無茶な願いでも叶えてもらえる
債務:ずっと魔女退治をする/ソウルジェムを維持する
と、まぁこんなところです。
次に不動産契約の債権と債務を見てみましょう。
【不動産会社の債権と債務】
債権:代金を回収する
債務:物件を引き渡す
【購入者の債権と債務】
債権:物件の引き渡しを受ける
債務:ローンを返済し続ける/建物・設備を維持する
不動産売買と魔法少女は、いずれも買手に長期的な債務が続くのが共通しています。
ローンの返済は20年、30年に渡って行いますし、購入物件の設備は全部自分で管理しなければなりません。賃貸における設備の経年劣化は貸主負担ですが、購入物件は自分で設備を維持していかなければいけないのです。
魔法少女も同じように、一旦魔法少女になったら魔女を退治し続けないといけないだけでなく、自分が魔女にならないためにソウルジェムの衛生を管理しなければならなくなります。債務が長期的に続くということが、魔法少女と不動産売買でとても良く似ているのです。
🏠事前知識が無いと致命的な痛手に遭う
鹿目まどかは主人公でありながら、魔法少女になるのは一番最後の段階になります。厳密に言えば暁美ほむらが辿ったルートにおいて、殆どのケースでまどかは魔女化しています。
ただし、本編におけるまどかは、美樹さやかを通して予備知識を得ることができたため、通称:アルティメットまどかと呼ばれる形態に移行しました。
さて、不動産売買契約において気を付けないといけないことはなんでしょうか。それは「建物の市場価値は何年保てるか」です。
例えば建物の市場価値というのは、約20年で価値0になります。20年も経つとリフォームも必要になるでしょうから、リフォーム費用を意識する必要も出てきます。ここが賃貸にはない負担になるわけですね。
マイホームを買う理由としては大きく分けて2つの理由があるでしょう。
❶結婚して家族が出来て自分の家が欲しいと感じるから
❷身内が鬼籍に入った時に家を借りれなくなる不安があるから
とにかく事ある毎に緊急連絡先を求められたりするわけですが、時に3親等以内とか普通に求められますからね、日本。両親が鬼籍に入ったらアウトってケースは少なくなく、そこに備えてマイホームを買うってケースはあると思います。
ただ、どんな理由でマイホームを買うにしても、予備知識なしで取引に臨めば痛い目に遭うという点については変わらないと言えるでしょう。
💎美樹さやかが教えてくれる大事なこと
まどか☆マギカがビジネスマンの教訓的な目的で作られた作品でないことは言うまでもないですが、消費者契約という面において、さやかは大切なことを教えてくれています。
やっぱりね、書面を交わすって凄い大事。と言っても単に書類を交わすだけではダメで、ちゃんと「読み込むこと」が契約を交わすのに求められます。
ま、こんなこと言ってる自分も昔、暴力団企業と雇用契約のように見せかけた業務請負契約を結んで痛い目に遭ったことがあります。
その時読んでなかった条項に「退職時は会社から受けたものは全て返す事」というのがありました。
一般的にここからイメージされるのは「会社から借りた物品を返却する」だと思われますが、実は「知識・ノウハウも返せ」というのが入ってたわけです。ええ、その時、暴力団の人間にこう言われましたよ。
「お前の頭を返せよ!!」と。つまり「死ね」と言われたわけです。
流石にこの時は怖かったもので、警察に駆け寄りました。取り合ってくれなかったけど。
そういう痛い目に遭った経験から、美樹さやかに学べることは多いってことが、改めて感じます。
美樹さやかは決して画面の向こうの女性ではなく、いま、この記事を読んでる貴方さえ、美樹さやかに成り得るわけです。魔法少女契約なんて現実には存在しないだろうけども、保険、就職、不動産。人生の大事な局面で交わす契約は、予備知識を備えて慎重に、締結してくださいね。
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