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氷河期世代は2000年代前半で時が止まっているのではないか🕛

「俺達が貧しいのは竹中平蔵のせいだ!」
今日もどこかで竹中平蔵への感謝の声が聴こえます。
「右翼も左翼も嫌いな竹中平蔵」ですが、私から見ると過大評価されすぎな人物にも見えたりします。

ともあれ、彼は小泉純一郎とタッグで郵政民営化や派遣業務の拡大を実行していった立役者として親しまれ、彼が発した「貧しさをエンジョイしたらいい」は、今も愛される名言となっております。

🏢氷河期世代は正社員になれないは本当か?

さて、90年代後半から2000年代前半は求人の少ない時代であり、当時は「仕事に就けるだけラッキー」と言われておりました。
95年に日産が大量のリストラを行い、97年に山一証券が倒産してからというもの、モー娘の〖loveマシーン〗でカラ元気を得ながら日々を過ごしていたわけです。
企業も段々と正規雇用者を抱え込める余力は無くなり(というよりバブル世代のポスト維持が主要因か)労働者派遣が「単なる雇用の調整弁」として使われるようになってきたわけです。

そしてTwitterでは「氷河期世代は正社員になれない」は良く聞かれる話になったのでして、恐らく引きこもりの中には氷河期世代が多くいるものと思われます。

しかし、この「氷河期世代は正社員になれない」というのは本当なのか、というのは注意しておいた方が良いでしょう。
概ね今の企業で中間管理職以上をしているのは氷河期世代です。
団塊世代はともすれば役職定年を迎えており、直に正社員定年となります。
中小企業で要職に就いているのも、今はだいたい氷河期世代です。
ちょうど小泉・竹中改革が行われていた時代というのは、団塊世代が要職に就いていた時代でした。
しかし、今の企業で要職に就いているのは氷河期世代なのです。

💹2015年からは潮流が変わっている

正社員求人という点においては、2015年から「正社員の人手不足」へと時代がシフトしています。

徐々にバブル世代が引退して行く上に少子化ですから、単純に労働力が不足していきます。
2015年から2019年の求人倍率は一貫して増加を続けており、2020年で激減したとはいえ、2021年からはDXブームもあり、再び上昇気流が起きているとも言えます。

また、2010年代以降は一定規模のある企業であれば(業界にもよる)、コンプライアンスの浸透も少しずつ過重労働は減って来てはいます。
働き方改革の影響もあり、やはり2015年頃から潮流は変わってきていると言えるでしょう。

💻業界によっては35歳転職限界説も緩和に向かう

これは転職エージェント業界の刷り込みもあるとは思いますが、35歳転職限界説の流れも、ここ数年で変わりつつあります。
日本人の平均年齢が48歳である以上、構造的に35歳未満を採用し続けるというのは難しい状態にあるとも言えるでしょう。
そのため、今は40代前半まで門戸を広げている企業も一定数あります。

もちろん年齢が上がるほど転職活動は長期化しやすいです。
ただ結局のところ、転職ができるか否かは自ら情報を取りに行けるかどうかが大きいのではないでしょうか。

逆に言うと、氷河期世代で今も竹中平蔵に文句ばかり言っているような人ほど「貧しさをエンジョイする選択をしている」と言っても良いでしょう。
竹中平蔵の時代は既に終わっており、竹中が今の転職市場に及ぼす影響力は殆どありません。

尤も、正社員転職の難しさは竹中平蔵云々よりも身元保証人(人質供出)を必要とする〖内定後の関門〗の方が大きいです。
これは本当に竹中平蔵の時代から始まったような問題ではなく、江戸時代から続いているのですけども、身元保証人(人質供出)を出来ないことによって就職が出来ない人が出てくる方が問題かと思いますよ。

転職を巡る市場の動きは2015年以降では徐々に変化が起きています。
今は内定後に条件面談があるのも当たり前です。
ところが氷河期世代の時間軸は2000年代前半で止まっている人が一定数見受けられます。
本当に正社員になりたい気持ちがあるなら竹中平蔵見てる時間を求人情報見る時間に充てた方が良いです。時代は変わっているのですから、自分自身も変わって行かないとチャンスは得られないですよ。


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