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挫折経験多い人は沙都子に共感しやすく成功体験の多い人は梨花に納得しやすい

「高校生にもなって勉強くらい自分でしなさいよ!」
そんな痛烈な言葉で罪滅ぼし編の部隊で鉈とバットをぶつけ合う梨花、沙都子。
遂に主人公と黒幕の直接対決が実現した『ひぐらしのなく頃に卒』ですが、再び沙都子と梨花の口論が始まります。
旧版で一番好きなキャラは竜宮レナだったのですが、業・卒で沙都子の株が爆上がりなんですよね、個人的に。
反対に以前からあまり得意なタイプでは無かった梨花に関して言うと、印象が悪くなっていく一方でございます。
まぁようやく本音で喧嘩し合える段階に到達したわけですが、改めて梨花と沙都子、どちらに寄りやすいかって言うのは、ツイッターでも「梨花が正論でしょ」という声もあれば「梨花が自分を棚上げしてね?」という声も見られます。
梨花と沙都子、2人は全く真逆の性質と言ってもよくて、賽殺し編を見ればわかるように、本来なら合わなかった二人だったのではないかと思います。
ともあれ、卒における2人の口論に関して言うと、恐らく挫折経験の多い人は沙都子に共感しやすく、成功体験の多い人は梨花に納得しやすいのではないかなと考えております。

🚲梨花は100年経っても一輪車には乗れなかった

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まぁ有り体に言ってしまうと、各々の主張は梨花が絶対的に正義で沙都子が完全に間違ってるわけでは無いと思うんですね。
沙都子は仲間や村人にウイルス打ち込んだことは絶対悪ですけど、そもそも聖ルチーア学園に入学したのは梨花の夢にお付き合いさせられたっていうことを忘れちゃいけません。
幾つか時空が移りながら戦闘するという、クロノトリガーのラヴォスコア戦を思い出す戦闘シーンですが、ルチーア(春)の場面で再び沙都子は一輪車と竹馬の話を持ち出します。

「アンタずっと一輪車も竹馬もできひんかったやないか!!」
「それがどうしたの?」

ってところで沙都子が蹴りを繰り出すわけですが、梨花は100年生きても竹馬も一輪車も乗れなかったのです。
これに対し、沙都子は嫌いな勉強を一度は克服したという違いがあります。

この辺は前回も書いたところになってしまいますが、そもそもルチーアの学力だけでなく、校風も交友関係の在り方にも馴染めなかった沙都子は孤立してしまい、そこから派生して勉強そのものにもトラウマを感じるようになってしまうのです。
梨花は100年経っても一輪車は乗りこなせませんでした。でも、竹馬や一輪車に乗れないことが悪いわけではありません。梨花に一輪車や竹馬の適正が無いから仕方のないことなのです。
同時に、現段階における沙都子も勉強にはあまり適正が無いと言えるわけです。

🏫中学・高校はオールラウンドが求められる

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「お前の成績落ちたの俺が面倒見なかったからだってのか!!(#^ω^)」
「当たり前やろ、私と一緒にお嬢様学校入りたいって夢に付き合って身の丈に合わへん学校に入らされたんや!!!」
ルチーア(夏)から罪滅ぼし編屋上の部隊に切り替わる時の「身の丈に合わない学校」と言うのが割と重要で、中学・高校における学校教育って勉強が嫌いになりやすい要素が詰まりまくってます。
多分、沙都子は全ての科目でダメだったわけではないと思うのですが、大学受験までの学校教育って、オールラウンドでいることを強要されるんですよね。
多分、日本の仕事の在り方がゼネラリスト(総合職)を優遇され、スペシャリストがあまり重宝されないのも、学校教育が影響してると思うんですよ。
勿論オールラウンドに動けるって言うのは素晴らしいことではありますが、やはり人によっては苦手科目がありますし、発達障害の有無によっては特定の科目に特化した人もいるでしょう。
例えば私は簿記で90点を下回ったことはなく、地理、世界史でも80点を下回ったことは殆どありません。
一方、数学は最悪です。微積分が6点、図形は9点とシングルを叩いたこともあります。

🏢誰だって適正ってものがある

「公式を覚える」は出来ても「それをどう使うのか」は全く理解できないわけです。これがプログラミングやExcel関数を使う方面でも弱点としてモロに出ていて、If文やFor文の存在は理解できても、それを使ってどんなシステムを創りたいかは思い描けないんですね。
一方で、ソフトウェアの「利用」に関しては「他の人より操作を覚えるのが早い」とは言われてましたね。
そういう意味では、ITに関わる仕事に於いて開発部門ではなく、利用部門に行った方が成功に近いと言えそうです。
沙都子は勉強が嫌いです。それでも梨花は「勉強しろよ!」と言います。
じゃあ沙都子は本当に勉強をしなきゃいけないのでしょうか。
個人的にはそうは思いません。仮に勉強した方が良いにしても、それは必ずしもルチーアである必要は無いでしょう。
沙都子はトラップ仕掛けのエキスパートです。手先は器用でしょうし、物事の構造を捉えるのは得意でしょう。そういった意味で、沙都子はお嬢様学校より工業高校に行った方が将来に役立つかも知れないのです。
まぁ工業高校は比較的偏差値50以下が多く、ともすれば治安も心配ですが(埼玉の工業高校は春日部工業高校で評判良い高校聞いたことなかった)、沙都子は喧嘩も強いので、そこは大きな心配は無いと思います。
梨花はたまたまルチーアが合ってただけです。沙都子には合わないのです。そう言った意味で、梨花が沙都子に自分の夢へ付き合わせてしまったことは結果的に、沙都子の将来を潰してしまったかもしれません。

📓勉強は一人でやるものでも強要するものでもない

理想論を言えば、沙都子は「勉強なんて嫌い嫌い」と言ってる内は、無理に勉強させない方が良いのです。
それに梨花は「高校生になったら勉強くらい自分でやれや!」と言ってますが、じゃあ梨花はどうなんだって話です。
まぁ「自分でやる」と「自分一人でやる」は違う意味になってしまうでしょうが、少なくとも受験に関しては前原圭一のお世話になってるはずです。
東京と岐阜の田舎部分では教育レベルが違いすぎますし、徳洲会の創始者、徳田虎雄も阪大に受かるために大阪の高校に入り直したくらいです。
徳田虎雄も勉強は得意では無かったと「トラオが行く」で触れられていましたが、徳田には何としても医者になって果たしたい使命がありました。沙都子にはそれがあるわけじゃありません。
前原圭一が転居前にいた学校と雛見沢の学校はレベルが違う。高校に入れば梨花はサロンに参加してるわけですから、補習室の生徒とは情報格差が存在するわけです。
ITエンジニアの世界も独りで勉強してる技術者もいるとは思いますが、やはり勉強会に参加して情報交換(ライトニングトーク)をしたり、人脈発掘をしている人は多いです。
自分自身、ライトニングトークやったりカンファレンス参加してきたりして知見を得に行くことはありますが、勉強ってなんだかんだ言っても人との関わり大事だったりします。孤立しちゃったらやる気も無くなるし、それで勉強嫌いになった子に無理に勉強強いるのも良い方向に行かないんじゃないかしら。

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高校卒業後に梨花や沙都子が何をしたいかはわからないけど、いつかは互いに独立していかなければならないし、大人になってからも勉強することはたくさんあります。だから沙都子にしても勉強を無理強いする必要は本来ないんじゃないかと思いますが、成功体験を積み重ねて生きてきた人は、恐らく梨花に納得しやすいんじゃないかなと思います。
私なんかは挫折の積み重ねで生きてきた分、沙都子に共感しやすくなってしまうんですけどね。

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