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IPCC「1.5℃特別報告書」

”産業革命から気温が1℃上がった現在の地球”

1℃上がっただけでも、様々な問題が起きている。
パリ協定では2℃未満に抑えようという話だったが、
2℃ではまずい。危機感を持って行動すべきというものである。

”2°Cの上昇は、パリ協定の署名時に考えられていたよりはるかに危険。
予想されていたよりも危機的な転換点やその他の主要なリスクに近づいている”

”温暖化を 1.5°C以下に抑えることは、
私たちが、今あらゆる面での行動を迅速かつ大胆 に加速させ、
そして幸運であれば、困難であるとはいえ達成可能である”

”温暖化を 2°Cではなく 1.5°Cに抑えれば、
海洋及び陸上の生物に対して大きな違いがあるだろう 。
 そうすれば、頻繁に起こる極端な熱波から何億人もの人々を守り、
新たに 水不足の影響を受ける人口の割合を半減させ、
持続可能な開発及び貧困撲滅の目標を達成 する助けになる”



各国の現在の気候目標では、3°Cを超える温暖化

 プラス 3°Cの世界とは、頻発する熱波やその他の極端な気候現象、拡大の一途をたどる森林火災、 破壊力を増したハリケーン、大規模で不可逆的な生態系破壊種の喪失を伴う、起こり得る未来で あり、地域の生活や経済に甚大な混乱をもたらす。
 広大な農地が放棄され、大きな紛争で社会が衰 退し、国全体が機能不全に陥る可能性がある。この未来では、多くの先住民や農村の人々や島民に とって、先祖代々の土地での生活が成り立たなくなり、民族あるいは国民全体が逃げ場を求めて、 ますます分断された国際社会を当てにするようになる。
 今私たちの知っている世界は、2100 年 にはもはや見る影もなくなっているだろう。


今起こすべき行動とは?

 今は全てのひとが力を結集すべき時で、あらゆるレベルですべてを迅速かつ大胆に行う必要がある。
 2030 年までに世界全体の排出量を半減させ、より大きな能力と責任を有する者が先頭に立ち、他者を牽引しなければならない。 
 現在の目標では黙示録さながらの 3~4°C温暖化の未来へと向かっているため、各 国 政 府 は 、 2020 年までに自国の 計画と 1.5°C目標を整合させたコミットメントをすることが求められる。
スマートで効率的で持続可能な解決策が総エネルギー需要を低減させるよう、完 全 に自然エネルギーだけをエネルギー源とした世界に向けて、移行を加速させる必要がある。
 森林破壊をやめ、森林 や他の陸域生態系を回復させること。
また、アグロエコロジー(農業生態学)及び植物中心 の食生活をもっと取り入れるとともに、北極と南極の海洋サンクチュアリを含む海洋保護区で海洋の少な くとも 30%を保護する必要がある。
 気候変動は現実であり、将来の開発及び水管理計画、インフラ事業、食料安全保障計画はすべて、気候の現実を考慮に入れて組み立て、国家間及び国内において、「汚染者負担」の原則を、適応及び補償の取り組みの中心にする。

 1.5°Cに抑えることはが「非現実的」だと批判する人は、その前にまず、
「温室の地球」で安全に豊 かに暮らせる「現実的」な計画を提示すべき
そのようなものが存在するかといえば、それこそ非現実的である。
 ほとんどの政府が、私たちが向かうべき 1.5°Cの世界に備えてもいなければ、私た ちが現在向かっている先の 3~4°Cの世界にも備えていないと言える。 
 つまり、私たちはただ漂っているにすぎない。
 カオスに向かって夢遊歩行している現状をやめ、私たちは未来をコントロールするため、地に足をつけたプランが必要である。
 公正な世界を徹底して求めていくためには、今が最後のチャンスです。私たちは、徐々に行動を起そうとして自分をごまかしているだけであると、今こそ認めるべきで、緩慢な、小刻みな前進をしてい る余裕はない。
 今こそ立ち上がり、大胆な発想を持って、大きな目標へと全力で進むべき時です。
 すべての人に担える役割があります。
誰も例外とせず、そして誰も置き去りにしないために。 

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