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被害者と加害者が入れ替わる怖い話(交通事故)

交通事故が起きたとき、警察が介入すればタイトルの様なことは起きにくいのだが、軽い事故・トラブルと互いに判断してその場で話して別れた時は要注意である。先日聞いたまさかと思う事例を元に、注意喚起したい。

※事例は特定されない様に、一部編集しております。

事故の概況

Aさんはある細い路地をバイクで走行していた。乗車したまま(座席に腰を置いたまま)停車し、スマホを少し見ていたとところ、後ろからきた小さな子供と歩いてきたBさんが現れた。手をつないで歩いていたBさんの子供だったが、前に猫を見つけて突然走り出し、子供からは視界に入らなかったAさんのバイクのミラーに当たって猫のところに駆け寄った。その時、当たったミラーが破損してしまった。

BさんはAさんに子供のことを全面的に謝り、ミラーを弁償すると言ったが、Aさんは真摯に謝るBさんを見て「小さな子供さんのことなので、大丈夫ですよ」と言い、加えて「子供さんに怪我はなかったか?」とも気を遣った。Bさんが一応連絡先を交換させてくださいというので、それに応じて交換し、Bさんから「本当に申し訳ありませんでした」という最後にもらって両者は別れた。

被害者と加害者が入れ替わる

その出来事から1週間ほど経ったある時、AさんのスマホにBさんから着信があった。Bさんは「あの時の事故のことですが」と切り出したため、AさんはBさんが何か弁償なり謝罪なりしたいのかなと思ったが、まさかの展開に。Bさんは「あの時ミラーを子供にぶつけた貴方のせいで子供が怪我をした。治療費と慰謝料を払ってください」と言う。頭が真っ白になったAさんはオロオロし思い悩んだ。「ミラーを壊された側なのに、どうしてそんなことになるの?」。被害者と加害者が入れ替わった瞬間である。

誰も助けてくれない

Aさんは法テラスに駆け込んだが、収入制限に引っかかり、無料相談を利用することは出来ず、ネットで探した弁護士に有償相談を受けたが、その弁護士もBさんが被害者でないと言う証明ができないから受け入れるしかない、との回答だった。保険会社に相談するも、事故が実証できていないので保険金の支払い事由に該当しないとの回答。Aさんが対応に窮しているうちに、Bさんの弁護士を名乗る人から、賠償金の支払いを求める内容証明郵便が届く。孤立無援のAさんは言われるがままに、治療費と慰謝料を結局払った。

誰もがトラブルの当事者になるという心構え

トラブルは人ごとではない。SNSでありがちだが、Bさんの様な酷い人が世の中にいたらみんなで吊るし上げようとか言う第三者的な話ではない。もし、Aさんの様な立場に自分が、貴方がおかれたらどうすれば良いのか、と言う当事者的立場で考えるべき話題である。トラブルの種は身近にあるが、その種に気づかずに、成長してしまって大変になるのである。この教訓から我々が学ぶべきことは二つである。

・トラブルが発展しない様に対応する術を身につける(反射神経)
・トラブルが発展した時に信頼できる専門家に相談できる準備をしておく

前者は知識の話である。今回の例では、事故が起きた段階で、第三者を介入させておくなどの幾つか取れる対策があったはずである。しかし、予備知識をあらかじめ入れておかないと難しいので、勉強しておく必要がある。後者は、事件事故があってから闇雲に探すというのではなく、予め相談する専門家を準備・決めておくということである。そのためには、普段からその専門家と付き合いをしておいて、信頼できるに足りるかを知っておく必要がある。

蛇足だが、事業者向けに筆者らが提供している顧問パッケージサービスは、信頼できる専門家を事前に持っておいてもらいたいと想いでの産物である。


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