腰は力の蛇口_220731及び220806稽古

1.中心(腰の一点)に「拘る」必要はない

7月31日の無元塾の稽古に、廣末高明先生が主催する投げっぱなし道場に継続的に通ってるE氏が久ぶりに参加されました。(ちなみに私も何度も投げっぱなし道場に行ってます)
▼投げっぱなし道場の紹介

ここで、すこし投げっぱなし道場の術理を僕が紹介できる範囲でさらりと紹介しますと、対象に力を加えるor対象から力を受けるときに、接点で圧力を止めず、その圧力を足元に流してしまうというもの。
足元の圧力を流すポイントを「エッジ」と呼んでいます。

投げっぱなし道場の術理概要

実は、これは中心帰納とやってることは身体操作上では、ほぼ変わらないのですが、より圧力にコミットする形でして、質感としては中心帰納より粘り強い感じです。一番の利点はすぐ使えるということだと思います。
あ、あと多分中国武術における定歩推手(足を止めてやる推手)では確実にこの方法が強いと思います。
以下では便宜上、この方法を「エッジ方式」と呼称して話を進めたいと思います。
E氏は投げっぱなし道場では既にベテランで、「エッジ方式」はもうすでに相当にうまく、バランスもいいし、受けも強い。
おまけに大柄なので、強いか弱いかで言ったら、確実に強いのですが、
中心帰納でいう、「腰の一点」で取るについて、やや苦戦をしていました。
腰の一点は、腹と背中の中間点であるので、ある意味ここには何もないと言っていいのです。(解剖学的には内臓だと思います。)
であるので、「エッジ」と大きく違うのは、「腰の一点」は圧力を捉える点ではないということです。
むしろ、ここは力の通過点と捉えるほうがいいかもしれないのです。
前も言いましたが、実は中心に意識が囚われている状態と言うのも違っているからです。物理的に力を受け止めようがないところで、圧力を受け止めようとすれば、そこに執着が生まれてしまいます。

2.腰は力の蛇口のようなもの

では、「エッジ方式」と「中心帰納」をうまくコネクトするにはどうすればいいでしょう?
私が提案した内容がこれです▼


腰は蛇口

腰を垂直にして、重力と並行にすることで、中心帰納に近い状態が出つつ、「エッジ」に圧力が流し込めます。
さらに、重心移動に合わして、足元の圧力を動かすと、相手はその方向に崩れます。E氏に教えたところ、あっという間にできました。

3.人によって有効な方法は異なる

E氏は、足元で重心の位置を捉えるのが非常にうまいし慣れてるため、その意識を無理やり腰に持ってきてもうまくいきません。
実は、中心帰納で言う「中心」は空間的なある特定のところというわけでは本当はないのです。
「腰の一点」とはある種の方便です。とにかく個々人がもっとも、リラックスしていて、最も自由で、もっともニュートラルなある状態を目指すのです。ある意味で「中心帰納」すらもその方便とも言えます。

さて最後に、「肩の力を抜くんだ法」をやるF氏の話をして締めたいと思います。

4.普通の人は肩の力を抜こうと思っても抜けない

ところで、無元塾にはとんでもない人がいまして、なんと懸垂1000回を毎日こなしているおじさんがいます。ここではF氏と言いますが、F氏は長い鍛錬の結果、合気上げのときに、肩の力を抜き切ることができるようになったそうです。

懸垂1000回って。。。ちなみに私もスクワット1000回ぐらいこなしてた時期がありましたが、懸垂1000回やる人は初めて見ました。腕立て1000回は何人か見たことあるんだけどな💦

このあいだの八月六日の稽古のときなのですが、医師であるN氏が、F氏がいう「肩の力を抜き切る」というのがどうしてもできないんだとおっしゃっておりました。

まあそれはそうで、ふつうは肩を意識しつつ、肩の力を抜くだなんてできません。肩を意識して肩に力を入れるなら容易ですが。。。

色々試行錯誤している時に、「腰は蛇口法」を私がやったところ、N氏が「それはF氏がいう肩の力を抜くに近いかもしれない」とおっしゃりました。F氏が言うには私の肩の抜けはまだ全然甘いみたいなんですが、より重力を意識したところ、「ちょっと良くなった」とのこと💦

腰を中心とした重力線を意識した手刀振り下ろし

ともかく思うのは、うまくいかない時は視点を変えるのが大事かな?と思う今日この頃

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