「安定」と「挑戦」と「伝承」
「生活を安定させる仕事を作る」
「先へつながる挑戦する仕事を作る」
「技術を次世代へ伝承する仕事を作る」
その事業者がどの段階にいるのか。
事業者と出会った時に必ずどの段階なのか確認するようにしている。
特に工芸の職人や小規模の事業者の場合はご自身がどのステージに居るのか知ってもらう。生活を少しでも安定させて行く必要があるのはどの職人も同じだけれど、そのために、どういう商材を作っているのかが大事だと思っているので。
例えば生活安定していない段階の職人が、腕の良いトップクラスの職人しか作ることができない挑戦系の商材を作っているようであれば、その職人の課題が解決せぬまま、その事業が安定しないことになる。
設計時間がかかるような商材や先輩職人しか作ることができない商材でも同じことが言えるケースがある。例えば、繁忙タイミングにその商品の購買機会が定期的な請負の仕事とかぶってしまうと、若手が手伝えないためにその工場の生産機能が落ちるケースもある。
そうなると、師匠クラスの技術ではなく、若手職人や先輩職人の技術で生産可能な商材で、なおかつ販路設計がしやすいジャンルや市場で売れてくれる企画が
「生活安定商材」になってくる。すばらしい技術でも師匠クラスが目一杯突っ込んだ商材だとそういうことが起きる。若手がやるからレベルが低い技術でとか低いとかそういう意味ではなく、現場でトライできそうなそういう企画があるはずなのです。
そして、どの技術や素材を活かせば可能なのか調べてみれば見えるかもしれません。「挑戦商材」は例えば自分の技術の高みを見せきる企画。殆どの職人が最初にこの仕事に挑むケースも多い。でおしなべて高額な物が多くなる。そしてそういったものに限ってなかなか販路展開は難しいことも多い。
見る人が多い場所で展開できなかった場合はその商品は売れない上に認知も訴求されない。何度も言いますが技術や価格が高い商材がだめと言っているのではありません。
その商品を出す目的は、有形資産を形成させるのか、無形資産を形成させるのか。そもそも解決したい課題は何だったか。現場ごとに課題がかならずある。そのあたりを考えて設計しなかった作品や商品は役割を全うせぬまま去っていくことになる。
そして「伝承(雇用)商材」はその名の通り弟子や社員を食べさせていくための仕事。安定商材がその要素が含まれていると思いますが、修行に必要な要素を取り込んだ企画や商材を企画をOJTを兼ねて販売しながら技術の鍛錬と雇用の確保を促進させ、技術も育てていく。
いずれも工芸の世界にだけのことだけでは無く町工場でも同じ課題を抱えている。
僕らのような業界も同じくです。
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