防災意識を高めるなら、カップラーメンを食べたほうがいい
ちょうど1年前くらい。コロナ陽性になった。喉が痛くて、熱が38度を超えた。幸い熱はすぐ下がり、病院ではものすごく丁寧に対応していもらえて、周りの友人からも優しく励まされた。
当時はコロナ陽性になると1週間は外出できなかったので、自宅療養者向けに東京都が救援物資を送ってくれた。中身は、災害時備蓄品に近い。レトルトのパスタやカップラーメンなどである。
体調が悪ければできるだけ動きたくないだろうから、温めるだけ、お湯を注ぐだけ、なのは大事。身体がウィルスと戦うのだからカロリーは必要だし、熱が高ければ汗もかくから塩分も摂らなければならないだろう。そのときの療養中に全て消費できるとも限らないから、ある程度日持ちのするものであることも配慮されている。つまり、レトルト食品やカップラーメンを入れてもらっているのは非常に合理的なことだ。
しかししかし、しかしである。セメントこれらを自宅療養中、ほとんど食べることができなかった。なぜって。カップラーメンなんてジャンクな身体に悪いものだからである。
病気のときにジャンクフードなんて……という話ではない。そもそもの考えとして、「カップラーメン=身体に悪い」が小さい頃から染み付いている。太りたくない、むくみたくない。こわい。自分の中では、カップラーメンなぞゆるやかな自傷行為に近い。あれを食べるのはどうしようもなくストレスが溜まったときだったり、酔っ払って全てがどうでもよくなったときだけだ。
東京都には本当に申し訳ないと思ったし、しんどい身体で他の食事を用意するのも嫌だった。でもどうしたものかラーメンは食べたいと思えない。裏のカロリーや塩分の表示を見つめてはダンボールにしまった。
自分の失態を思うなら、普段から「ジャンク(と私は思っている)」なものでもある程度食べられるようになっておくことは、ある種の災害訓練になるのではないか。
自身のコロナ感染もそうだが、近い将来大地震が来たとき、きっとしばらく口にすることができるのもこういったものが多いはずだ。セメント自身、備蓄用にはカップラーメンやレトルトパスタを持っている。それを抵抗なく食べられるようにしておくのも、災害訓練なわけだ。
(できることなら備蓄品にタンパク質のとれる魚の缶詰や野菜の摂れるレトルトスープ、いっそサプリメントなんかを入れておくのがいいと思う)
非常事態なんだから好き嫌いせず黙って食えよ、というのはわかるけど。それでもちょっと、違うと思う。心理的抵抗のあることを続ければ、メンタルが疲弊する。災害時のメンタル負担なんかろくなことがないんだから。
(でも救援物資がありがたかったのは本当だぜ、ありがとうな行政)
食べ物の話もそうだけど、たまにはペットボトルに排泄したり風呂に入らず過ごしてみたり、そういう「いやちょっとね……」と思うことも、災害時インフラの停止を想定するなら、本当はやってみたほうがいい。
関東大震災から100年らしいので、そんなことを考えた。ちなみにペットボトルへの排泄は、やってみようとしたことがある。泣きながら床を拭く結果となっただけだ。
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