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24/09/27 プチプチしてジャージャーして(醸造体験2日目)

BookRoadでの醸造体験2日目である。1日目は前日の日記に。

朝10時、御徒町にある醸造所へ集合。レインコートを着て、長靴を履き、ニトリル手袋をする。前日に収穫したぶどうを枝から外し、圧搾してタンクに詰めるのだ。

粒を枝から外す作業は、もちろん手作業である。約30kgのぶどうを、3人で手分けしてひたすら落としていく。

最初は楽しい。だんだん会話が減る。

ぶどうが潰れて香りが広がり、青くて甘い幸せ空間になる。

枝も全部まとめて潰しちゃうんだと思ってたわとか、こんな大変ならワインが高いの納得だわといった会話をしつつ。単純作業は脳にいいと聞いたことがあるけれど、この作業もかなり気持ちがいい。ポロポロと粒の落ちていく感覚とともに前日の疲れ(自転車のな!)も抜ける気がする。

醸造家さんが「みなさん、『こんなちゃんとやるんだ』って驚かれるんですよ」と言う。わかる。醸造「体験」とは言うが、時間もパワーもメンタルも使っている。

まだクモがいるので避ける。見失ってしまったやつもいたが、彼はどうなるのだろう。醸造所内に住み着いちゃったりするのかな。ジョウゾウグモだね。ジョロウグモみたいに言ってみました。

枝から外したら、圧搾。水圧を利用し実をつぶす、小型の圧搾機を使う。圧搾機の真ん中に水で膨らむバルーンがあり、膨らんだバルーンがぶどうを潰すと、下から果汁が出てくる。

水が入るジャーーーっとした音がした後、20、30秒くらい待つと、今度は下のバケツの方に別のジャーーー音がする。すごい勢いで出てくる果汁。少し濁りのある、黄緑がかった液体だ。

果汁を試飲させてもらう。青みのある、甘い味。ちょっとシードルとかに近い味。でもしっかり感もある、頼もしい味。参加した友人と、美味しい美味しいと言い合う。もうこれで完成でよくない?という案もでる。これで完成とは?

どんなワインをつくりたいかで、工程は変わる。すぐ隣で作業をしていた別のグループの方は、ぶどうを大きなビニール袋に入れ、上から足で踏んで潰しているようだった。そういうつくり方だとわかっていても、食べ物を踏むのは抵抗があるだろうなという気持ちと、プチプチして気持ちよさそうだなという気持ち、両方がある。

すべて絞ったら、この日は終わり。30kgのぶどうは、8Lの果汁になった。予定より足りないので、不足分は醸造所側が昨日の作業で収穫したぶどうを工場で絞ったものから追加してくれるらしい。だいたい1時間半くらい。

途中でこぼれ落ちてしまったぶどうが1粒、床に落ちていた。友人が気づいて拾う。もう圧搾機は他のグループが使い始めてしまっているし、かわいい(もうすっかりかわいい)ぶどうを捨てるのも忍びない。友人は何食わぬ顔で、口に入れた。私と目があって、「あ、見られた?」みたいな顔でニヤッとする。テヘヘ、じゃあないのよ。

醸造家さんが「ここの床キレイだから食べても大丈夫だよ」とフォローする。こちらにも見られていた。

帰りに、醸造所の1階にある販売所でもちろん(もちろん?)ワインを買う。たこ焼きに合うワインを教えてもらったので、それにしてみた。BookRoadのエチケットは、ペアリングにオススメのフードが描いてあって選びやすくかわいい。買ったワインには、アボカドが描かれていた。たしか同じワインの去年のものはタコが書かれていたはずだ。たこ焼き、合いそうな気がする。

余韻に浸りつつ、一緒に作業をした友人2人と、近くでランチ。ラグーソースのパスタ。うまうま。もちろん(もちろん???)グラスワインを飲んじゃう。

次の工程は、また数週間後。「澱引き」なることをするらしい。

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