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ファイアーエムブレム風花雪月プレイ&考察まとめ②血の呪縛と紋章の力

いきなりこれかよ、という感じですが、やはり遺伝が関係してくるこれが一番気になる。(2022.07.31 最終追記 紋章遺伝子に関する仮説のリンク追加)

紋章石、闇に蠢く者などについては別記事にもまとめてありますので、一番下の関連リンクの項をご参照ください。





※DLC含めた全ルートに関連する盛大なネタバレ祭りです!




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ということで、ナバテアの民の血と紋章について妄想たっぷりで考察したいと思います。


使われる言葉の定義

女神の眷属:別名ナバテアの民。技術を人に布教していくためにソティスによってつくられた人型のもの(ソティスの血から造られたらしいが、血を分けられたヒトもしくは獣という可能性もある?)竜化の能力と大紋章、不老の特性を持つ。個人的には緑髪が強い再生産能力をもつ眷属と認識しています。また全員がソティスのように耳の形が違う可能性があります(レアは髪で隠しているが、帝国から救出された際の一枚絵で、セテス&フレンvsタレスでも戦闘会話がある。後天的な先生がどうなるかは不明)。眷属は神の使いの動物たち、もしくは血が繋がる者たちを意味するので、女神の力を受け継いだ先生は厳密には眷属とは呼ばない可能性がありますが(交差の結末後のクロードとの会話参照)、類似の能力を持つことは間違いないと思いますので、この記事では一緒くたにしています。

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聖人:女神の眷属とほぼ同じ意味。厳密にはネメシスたちに殺されずに戦争に参加した4人の眷属のみを指すが、後述のようにセイロス聖教会所属で眷属の血と紋章石を受けているものたちも聖人とされる。また、セイロスは守護聖人・聖者・預言者などと呼ばれているのでそう表現します。

エルネストやオーバンら四使徒:彼らに対応する紋章がおそらく血を通して受け継がれていること、紋章アイテムが竜の名前であることから、竜化の力と大紋章、そしておそらく不老の特性を持つのではないかと考えられる。ただし、四使徒は煤闇において「四聖人と同時代を生き彼らを支えた」と語られるが、彼らが眷属とイコールかどうかは明言されていない。(彼らの成り立ち、扱いの特殊性を考えると、元々は眷属ではなく紋章石と血を後天的に与えられた↓の広義の眷属である可能性も高いです。)

広義の意味での女神の眷属:上記以外にも、銀雪の章での最後の戦いのマップ上でレアから血と紋章石を与えられ、レアの暴走に呼応して竜化してしまった敵の枢機卿たち(司祭や騎士)の所属が女神の眷属とされ、武器である聖なる紋章石の欠片に「聖人に与えられた」と表示されています。一方セイロスの紋章をもつが竜化はしていない暴れる教団兵・教団幹部・枢機卿の所属はセイロス聖教会とされています。このことから、ソティスに造られたものたちだけでなく血と紋章石の欠片を与えられ、かつその血を濃く宿し”一定以上の不老と(自発的かはわからないが)竜化まで可能なもの”が広義の意味で眷属?だと思われます。他には幻影兵なども女神の眷属の属性を持ちます。

ジェラルトは少なくともレアから血を受け、紋章と不老の特性を持つため、紋章石を得ていた場合にはこのカテゴリに含まれる可能性があります(騎士団長=要職なので持っていた可能性は高いですが、騎士団長になったアロイスは紋章を持たない)。また、DLCに登場する枢機卿アルファルドさんは、セイロスの小紋章を持ちながら眷属化を知らないような描写が煤闇で見られることから、枢機卿たち全員が儀式に参加はしない or 詳細を知らないままに儀式に参加しているかもしれません。この記事では主に緑髪・独自の紋章を持つものたちを指して「眷属」とします。諸々の考察はのちほど。

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ネメシス・十傑・モーリス:殺した眷属とソティスの血をなんらかの形で体内に取り入れた人間。それぞれが異なる紋章を保持している=一人の眷属 (紋章) に対して一人しか存在しない。セイロスはジェラルトなど複数の人間に大紋章を与えているが、既に死んでしまった眷属の死骸からは多量の血を得ることが難しかったのかもしれない?アビス書庫によると、十傑自体はセイロスや眷属などの正体を知らずに、その血を取り入れたようにも読み取れるので、何らかの飲み物と偽装して飲まされた可能性がある(眷属の血ってもしかしてワインのようにおいしいのだろうか)。また、英雄戦争の際に殺された女神の眷属の数は本当はもっといたが、後世に紋章が残ったのがこの人数だった可能性もある。これについては英雄の遺産の項などで後述。

セイロス教で存在するとされる紋章は女神の天井画に21種類描かれていますが、(炎の紋章以外に)十傑・モーリス・四使徒・アンナさん・四聖人・セイロスで21個分は回収済みです(ニンドリインタビューでは出てこない紋章を残して世界の広さを表現したかったとありましたが)。そのため、後世に紋章として伝わっているのは、少なくともこれらの眷属のもののみであると考えるのが自然そうです。(元画像は任天堂の公式ウェブサイトより引用)

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さらに戦闘画面では、これらの紋章が天井画とは異なる順番で表示されます。これは自室での紋章アイテムの表示順とも一致しており、セイロス教により恣意的に歪められたものではない、そもそもの女神の眷属たちの特性を表している可能性があります。そしてこれらの紋章の並びは、紋章やその持ち主の属性とタロットの大アルカナの間に対応が見られ、実際にフォドラコレクションの設定画にもアルカナに対応することが明記されているそうです(他にはアルカナコードというBGMが存在します)。例えば本編中ではぐれ魔獣の頭部を拡大するとゴーティエの紋章と13 Deathという表記がありましたが、13番目のゴーティエを死神としたとき、セイロスの紋章は女教皇に対応します。このことから、個人的には女神が作り出した紋章自体がこの21個で全てであったのではないかと考えています。

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ちなみに各紋章はその特性だけでなく、紋章のマーク自体もアルカナがモデルになっていることがレスター諸侯同盟の旗などからわかります(ダフネルが戦車、ゴネリルが運命の輪、リーガンが三日月、グロスタールが隠者)。子供の落書きレベルなので埋め込まないではおきますが、参考までに暫定モデル案です。→ https://twitter.com/celery_broccoli/status/1309635307944509443?s=21

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英雄の遺産

英雄の遺産は女神の眷属から造られたもので、その心臓を元にした紋章石と、その血を取り入れた紋章の保持者が、眷属の真の姿である竜の骨を元にした武器を扱うことで特別な力を発揮するができます。そのため、殺された眷属(とソティス)に対応する武器しかなく、遺産がある眷属は死んで(殺されて)いる、生存している眷属には英雄の遺産は存在しないと見てよいと思います。

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例えば、一番わかりやすいアイギスの盾は、竜の頭の紋章石があるあたりをきりとったようになっており(大きさ的におそらく子供の竜!?)それぞれの武器がそれぞれ竜の体の部分に対応していると考えられます。

参考リンク: これ以外にもさまざまな武器を+αの考察付きでまとめていらっしゃって、とても参考になります。

そして重要なのが、英雄の遺産は本編に出てくるだけではないかもしれない、という点です。第二部の終わりの方の散策でリンハルト君が「現存していない英雄の遺産って結構な数あるんですよね」と証言します。少なくとも作中に登場する22の紋章に対応する英雄の遺産のうち、十傑に関係するもので本編で行方が知れていなかったのはモーリスのブルトガング(外伝でモーリスから入手)とラミーヌのラファイルの宝珠(死神騎士が持っていたので含まれるかも?)のみです。生き残っている眷属5人についてはそもそも存在しない可能性が高いため除き、ヴァジュラも英雄の遺産でないと名言されているので、失われた可能性がある遺産は四使徒を含めても最大でエルネスト・モーリス・ラミーヌ・ノア・ティモテ・オーバンの6つです。

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ここからはだいぶ妄想ですが、ノア・ティモテに関しては本編では英雄の遺産は登場せず、ネメシスが持つ天帝の闇剣に紋章石だけ用いられています。このことから遺産自体が現存しない可能性が高く、しかしその場合たった3,4つで「結構な数」と表現するのは少し不適当ではないでしょうか?DLCでの別の遺産の登場を示唆するための台詞であった可能性もありますが、個人的には英雄の遺産の材料にされてしまった眷属の数は元々十傑+モーリス(+四使徒)よりもずっと多かったのではないかと推測しています。失われた遺産については、既存の紋章と重複するものであったか、その紋章石に対応する紋章を持つものが後世には残らなかった可能性などが考えられます。聖墓から奪われたりフェルディアで見つかった紋章石はおそらくこれらに対応するものであり、武器とは分けて保管されていたのではないでしょうか(アランデル公も天帝の剣から紋章石が外されて保管されていたことを当然のものと受け取っていました)。

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セイロスがなぜ裏切る可能性のある十傑の子孫たちに英雄の遺産を渡したのか不思議だったのですが、もしかすると教団の方でさらに大量の英雄の遺産を保持していたということであれば納得ではあります。紅花では修道院を占拠されてしまっていますし、他の章ではセイロスは幽閉されているため遺産を持っていたとしても使うことはできず、この点ではつじつまもあっています。

神聖武器

さて一方で、神聖武器はマクイルによって造られたおそらく生前の眷属が戦いで用いていたもので、現存する眷属に対応する武器もあります。おそらく帝国建国後のネメシスとの戦いは人間同士の戦いが中心であったため、眷属が人型で戦えるよう神聖武器をつくったのではないかと考えています。ベガルタ・モラルタに関してはシュヴァリエの紋章も刃に描かれているため、シュヴァリエなど別の聖人たちもその製作に関わっていた可能性があります。

そして興味深いのが神聖武器が存在する眷属で、以下の8人分のみとなっています。

・セイロス(剣・盾)、キッホル(槍・盾)、リーガン(剣)、フラルダリウス(剣)、グロスタール(斧)、インデッハ(弓)、セスリーン(杖)、ラミーヌ(弓)

四聖人およびセイロスがこれらの武器を使っていたのは教会にある銅像から見て取れますが、それ以外の武器に関しては由来は謎です。他の紋章に対応する武器も存在したが失われてしまった可能性はありますが、もしすべての神聖武器がネメシスとの戦い以降作られたものだったのであれば、5つの紋章に対応する武器は途中まで共に戦っていた眷属・聖人のためのものだったのかもしれません。実際に、キッホルの紋章対応のオハンの盾はキッホルの銅像には装備されておらず、フェルディナントの外伝で父の持ち出した宝物として入手できます。このことから、これらの神聖武器は眷属だけでなく、眷属とともに戦った紋章を持つ人間が使用していた可能性もあります。マクイルがリーガンの紋章をもつクロードに対してかなりの敵意を見せるのも、長らく共に戦った眷属・聖人の戦友を殺した十傑の末裔だったからかも。

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四使徒の紋章に対応する武器

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灰狼の学級の紋章に対応する武器は、少なくともヴァジュラに関しては紋章石はありながら厳密には英雄の遺産ではない、とされています。バルタザールの外伝によると、「英雄の遺産を真似て作られた武具」であり、一族の秘宝として大切にされてきたそうです。バルタザールの話によると、「遠い昔里を奪おうとする奴と争った」ときに「里の女長老が聖なる赤き酒を与え」、一部のものは体が回復し紋章を得たが残りはおかしくなり村を出て行ったと伝わっています。単なる抗争で眷属が大きなリスクを犯してまで血を分け与えるとも思えませんので、おそらく里で闇に蠢く者たちのような勢力との生き残りをかけた抗争があり、ヴァジュラはその戦いのために作られた武具である可能性があります。クパーラに移り住んだシュヴァリエは、ゴーレムの名前にもなっていることから、このような遺産や魔道具の技術にも優れていた可能性があります(英語版wikiでは出典は不明ですが武器作成技術についても言及があります)。

ただし、アビス書庫では「王国の独立戦争の際英雄の遺産に似た武器がつかわれた」と、闇に蠢くもの関連の書きつけにも出てきます。このような遺産作成には高度な技術が必要だと思われますので、闇に蠢く者がその作成に関わっている可能性もあります。しかし、少なくともヴァジュラ自体は長きにわたってクパーラに代々伝わってきたものであることは間違いありません。ここで言及されている武器もヴァジュラではなく、金鹿終章の闇武器シリーズやエーデルガルトの武器アイムールなどのような紋章石改造武器、もしくは降魔の日などに手に入るメリクルなどの神器を指している可能性もあります。(08/10 追記:アイムール・ヴァジュラ・闇武器に関して別記事で新たに考察しました)

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そういえば、メリクルは王国の独立戦争のときに使われていると明言されていますが、そうなるとあの魔獣たちは、どちらも紋章の力フルパワーで戦った英雄戦争や独立戦争で戦った兵士たちの成れの果てということになりますね...(ぞぞっ)

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一方、ドローミの鎖環は本編中で英雄の遺産扱いされています。しかし「四使徒は四聖人と同時代を生き彼らを支えた」と表現されていますし、四使徒が宝杯を用いた女神再誕の儀を遂行したのは185年、大修道院が完成した年とされています。仮に以下でゲルズ公の言う通り十傑が滅ぼされた際にドローミが国外に持ち出された可能性が高いとするならば、オーバンの紋章持ちの別の眷属から作られた遺産である可能性が高いと思われます。つまりここからも、複数の眷属が重複する紋章・紋章石を宿しているのではないか、という仮説が浮かびます。そして宝杯の儀を執り行った際にはオーバン以外にオーバンの紋章持ちはいなかったと考えられる(オーバンが消えたことで歴史から紋章が失われたとされる)ため、ユーリスに血を分け紋章を与えた眷属はオーバン本人の可能性が高いと考えられます。(追記:四使徒の眷属問題に関しては別記事に新たにまとめました)

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こちらもDLC武器は含まれていませんが、武器の由来がまとめられており、参考になるのでオススメです。https://www.pegasusknight.com/wiki/fe16/?%E5%85%83%E3%83%8D%E3%82%BF#b04cc2a6

大紋章と小紋章の違い

(大)紋章と小紋章を持つ人はどちらも似たような力と特性を持ちますが、大紋章の方がその力が強いということが作中で度々語られます。セスリーンとリンハルトがともに長い睡眠を要することや、引きこもりのベルナデッタとインデッハ、またハピは魔物を呼び出す力があり、これはティモテに対する記述と一致しています。ハピに関しては、コルネリアの実験により紋章の力を最大限引き出すことで、元となる眷属と似た力を持った可能性がリンハルトとの支援で示唆されています。

ぱっと見で大紋章と小紋章の違いがわかるのかは本編では言及されていません。エーデルガルトは炎の紋章を宙に浮かび上がらせる描写がありましたが、ポリゴンの方のムービーなのでこちらもよくわかりません。ただ、ハンネマン先生の部屋の装置では主人公の紋章がとても大きく映っていたということから、内部でもつなんらかのエネルギーが大きく、それを検出する技術を用いればその違いもわかるのではないかと思われます。バルタザールなどは士官学校での検査で初めて紋章の存在を知ったはずなので、英雄の遺産を持っていない限り日常生活でそれがわかることは少ないと推察されます。またヌーヴェルの家では特別な魔道の力で紋章を偽ることもでき、代々マクイルの紋章と偽ってきたそうです(エーデルとの支援B)。

さらに、ハンネマン先生やアビス書庫の魔道士からは紋章の調査のために血や髪の毛を求められることから、細胞やタンパク質レベルで何か違いがある可能性もあります。リンハルト・ヒューベルトの支援Cでは、紋章の力がDNAを介した何らかの力であることが示唆されています。そして、緑髪になったあとフレンやセテスに「仲間」と表現されることからも、ベレトスが強い竜の力を持つ眷属状態になったことが髪に現れていることは間違いないと思われます。一方レアの血を受けた教団兵たちや枢機卿のアルファルドさん、ジェラルトの髪は緑でないので、広義の眷属はオリジナルの女神の眷属と何かしら外見上の違いがある可能性があります。紋章を植え付ける実験の被験者エーデルガルトやリシテアの髪が白くなったことからも、髪には生命に影響を及ぼすほどの眷属の血・紋章の影響が現れると考えられます。

加えて、レア様が竜化し光の杭を防いだ際・エーデルガルトたちと戦った際には、緑(青?)色の血液をもつことがアニメーションに描かれており、銀雪の暴走状態でも空気中に緑に光るものが散乱している様子が示されていました。そう考えると、クロロプラストのような色素を持つ細胞(内小器官)が血液、髪、目の色を変化させている可能性がありますね(でも先生たち頻繁に流血してすぐバレそうだし、バルタザールの話では赤い血を飲んだようなので、獣に変化しているときだけ緑なのかもしれない)。クロロプラスト=葉緑体というとエネルギー産生機関なので、5年も眠り続けて体力を回復できるということはもしや眷属は光合成ができるのかもしれない。落ちたのが谷の底だったので復活が遅かったのかもしれない。本当に人間じゃない...

さらに、影響を受ける可能性のある部位としては脳があげられます。紋章と性格の違いの実験について確か散策でリンハルトが語っている部分がありました。紋章石のもととなる心臓以外に、脳にも何らかの影響を及ぼしており、髪にその影響が現れているとすれば、セイロス教が禁止していた頭部・胸部の解剖の記述とも一致します。カトリーヌとリシテアの支援で「同じ紋章を持つから姉妹のようなもの」「どんな紋章を持っているかを当てるのが得意」というものがあったのも、この現象と関係があるのかもしれません。

最後にこのエピソードから連想することとして、「紋章自体が人をひきつける力を持つ」可能性というものがあります。特に、ベレトスは多くの人から不思議な雰囲気を持つと評され、どのルートであっても最終的に指導者として皆に支持されることとなります。これは、ソティスの炎の紋章が紋章の中で最も強くその力を持つことに由来するのではないでしょうか。紋章の所持者が貴族の結婚相手と求められる、ということも箔付け以外に、そのような魅力を持つという要素が大きく影響しているのかもしれません。モーリスがベレトスとの戦闘会話で「その剣は王の...ああ、おぬしがわしを解放してくれるのか!」と語ることから、モーリスがネメシスを慕っていたようなふしもあるので、ネメシスにもそのような力が働いていたかもしれません。ただ、先生の人望が人工的に植えつけられた紋章石の力だと思うのは少し悲しいですよね、私としては騎士団皆に慕われていたジェラルトの遺伝だと思いたいですね...。

(追記:ソティスの精神が紋章石に宿っていたことから、実は眷属たちは脳ではなく心臓に脳機能があるのでは!?もしや脳が空っぽだから解剖が禁止なのかも...!?という突飛な説を思いつきました。)

2022.07.31 追記:最新の仮説は抗体に類似した遺伝子再構成説です

閑話休題。

実験以外の要因で大紋章を持つ人々をまとめると、

フェリクスやカトリーヌ:代々の家系で突然変異的に紋章の力が強くなった(直系の家系でもある)

ハピやバルタザール:小さい村で外界との交流もないので、おそらく血も濃くなっている。バルタザールとユーリスの支援Bで、「里の女長老が聖なる赤き酒を与えた」という伝承があり、このためにほとんどの村人が紋章を獲得したと思われます(画像下に再掲)。さらに母からヴァジュラの扱いを一任されていることから、バルタザール自身が長老の血筋の可能性が高いです。

コンスタンツェ:代々子を最小限にしているとエーデルガルトとの支援。本人は兄一人の4人家族だった。外に漏らさず血も濃くなっている?

ユーリス:おそらくオーバン本人、もしくは子孫の眷属から多量の血を与えられる

ジェラルト:レア様から多量の血を与えられる

アンナ:多分人智を超えた存在(イレギュラー)

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リンハルトの支援から、セスリーンは「小紋章を宿しているものは結構いる」、それと比べると大紋章は珍しいとあります。ただしハンネマンが研究対象とするセテスしか持たないキッホルの大紋章ほどは珍しくもなく、少なくとも数人は大紋章持ちがいるのではないかと思われます。またこの支援ではセスリーンは生涯未婚で子孫がいないことが明言されていることから、これらのセスリーンの紋章持ちは血を分け与えることで生まれたと考えられます。ここから読み取れるのは、セスリーンの紋章はおそらく小紋章持ちに対する大紋章持ちの割合が低く、治療のために血を分けるだけではほぼほぼ小紋章にしかならなかったのではないか?ということです。

そうなると、ユーリスは相当量の血(もしくは重要な部分の血?)をオーバン持ちおじいさんから分けられた可能性がありますね。ユーリスはベレトとのペアエンドで不老の描写がありますが、他のエンドでは先に亡くなることもあるので、ベレトに血を分けられたのかもともと不老かは不明です。また、老人=オーバンかどうかは、オーバンに子孫がいたかどうかにもよりますが、血から紋章の力を与えているので眷属なのはほぼ間違いないのではないかと思われます。教団の司祭たちは見た目が老人であるものも多く、広義の眷属はレアたちのような眷属よりも寿命が短い可能性があります。

使徒一人から始まったと思われるコンスタンツェのヌーヴェル家では、ヨーロッパのハプスブルグ家のように近親相姦でもしていない限り血はだんだんと薄まってきてしまいそうなものです。もしかすると、異なる紋章同士だと打ち消し合ってしまうなど逆の効果があり、他の家では貴族同士の結婚により逆に紋章自体の力を減少させてきてしまったのかもしれません。ヌーヴェル家は貴族間の交流がなかったために、パルミラとの戦いでも支援が受けられなかったという話がありました。これはノアの紋章を外に出さない以外に、他の紋章の血を入れないという意味もあったのかもしれません。ただ、フェリクスやカトリーヌの例もあるので、単純に直系であれば十分紋章の力は維持されるのかもしれません。

魔獣化・不老化と紋章の強度の関係性

紋章の強さに関わらず、対応する英雄の遺産を(有効に)使うことができます。しかし、「心がすり減っていく感覚がある」とリンハルトとカトリーヌの支援で語られることから、紋章をもたない>適合しない紋章を持つ>適合する紋章を持つの順で、少なからずリスクがあることがわかります。さらに、ネメシスが邪に染まったというトマシュの発言や、獣の大紋章をもつモーリス自身も魔獣になっていることから、大紋章であっても英雄の遺産を使うことには魔獣化するリスクがあるということがわかります。(もしくは無茶なプレイヤーに適合しない遺産をつかわされたのかもしれない。でも最終的にはブルトガングを持ちながら魔獣化しているので...。)

眷属以外の不老の人々がなぜ(あまり)存在しないのか、についてですが、おそらく血の濃さによって寿命の長さに差があり、最長でも数百年程度で亡くなってしまうものが多数なのではないでしょうか。例えばアルファルドさんは少年時代を修道院で過ごし、新しい枢機卿として迎えられていることなどから、枢機卿であっても定期的に事故死か寿命か(はたまた自殺か)で入れ替わっているのではないでしょうか。おそらく体内の紋章石のかけらにより魔獣化してしまうものもいるのではないかと。ジェラルトお父さんも殺されてしまいましたしね...十傑もその後討伐されたとの記述が書庫の本にありましたが、最終的に多くの家が貴族として続いていることから戦争の時点で全員殺されたとも考えづらいです。少なくとも十傑本人たち以外で現代まで公に不老として生き延びている人物はいないと思われます。

ジェラルトは王国が存在していた時期にレアと出会っており、またアロイスとの支援で100年を超えてから数えるのをやめた、と語っていたことから400-100年ほど前から存在していると考えられます。煤闇ではアルファルドさんが100年も前の出来事を見てきたように語る、とあるので、人に何度も語りたくなるのはやはり若かった頃の記憶だろうなと推測すると、おそらく少なくとも100~200年程度は生きていたのではないかと考えられます

またアロイス(4,50才)のこのエピソードから、既に30年以上前から「レア様」がいたことがわかります。整理すると、30年前のアロイスが15才の頃、騎士団のジェラルトが王国での職務中に従者に採用→20年前の火災で出て行く→セテス18年前・ハンネマン16年前から働き始める→先生くる。つまり、レア様は30年前から特に入れ替わったりすることなくセイロス教の司教として存在しており、近しい人々はレア様が老いない存在、少なくとも多少長生きであることには気付いているのではないでしょうか。アロイスはジェラルトが不老であることには触れるけれど、レア様についてはなぜか特に触れませんね。セテスとフレンを教会に迎えたのは少なくとも最近のようですが、フレンを守るという二人のメリットだけでなく、寿命による側近の入れ替わりを防ぐというレア様側のメリットもあったのかもしれません。

以下封じられた森のあとの散策でのシャミアさんのログ、騎士団のつながりでジェラルトや教団の枢機卿などの長寿の人物の存在を知っていたと思われます。

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アビスの隠者もジェラルトの死に対して「まさか限界が・・・」という謎のコメントを残します。30年以上前から壊刃ジェラルトの名前は知れ渡っているはずが、今も姿変わらずにいるということで、老人からすると女神の眷属であると推測することは容易ではないかと思います。また、光の柱がガルグ=マクから跳ね返されてアリルに落ちたことを話してくれた人物は、顔グラは老人でしたが隠者による発言とされていました。彼自身が眷属に関係する長命の者の可能性があり、ナバテアの民の血が混ざった者たちが、裏の世界で生きながらえている様を想像させますね。

あとはアビスだとフラルダリウスの子孫のごろつきと謎の女、もともとは帝国(?)の貴族でありながら紋章を持たなかったため、紋章持ちの子供ができた途端に放り出されたという老人が気になりますね。。

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そういえば1部の最後でレア様がドラゴンになったことにも触れる人が誰もいなくてびっくりしました。どう見てもその辺で変身していたのに、司教が竜化するのは普通なのだろうか。銀雪の最後でセテスが「秘密」のように話していたので、レア様的にはひっそり変身したつもりなのかな(かわいい)。

余談ですが、日記は忘れていく日々を書き留めるためのものだったんだろうなぁと真相がわかってからは切なく思いました。フレンも史書を読んで昔を懐かしんでいる描写があるし、セテスも自分の経験を寓話にすることで過去の記憶をつなぎとめているように見える...。

眷属の大紋章と人間の大紋章の違い

風花雪月の世界で出てくる大紋章持ちには以下の3タイプが存在します。

1. 眷属から血をわけられた人たち:大紋章になりうる・不老にもなりうる

2. 十傑の子孫たち:大紋章になりうる・不老にはならない(か時の経過とともにならなくなった。初代十傑は生が長かったことを示唆する描写がアビスの書庫にある)

3. 実験で大紋章を植え付けられたもの:リシテアは短命、エーデルガルトは不明(明確な描写はないですが、事を性急に進めようとしているので長くはない可能性もあるのかなと何となく思っています)

4. 心臓に紋章石を植え付けられた人間: ベレトスは炎の紋章石を心臓に埋め込まれた結果、炎の大紋章を持つ。シトリーは体が弱かったことから女神の力を受け継いだ影響の方が大きいと思われるが、結果としてほぼ不老。

カトリーヌやフェリクスは大紋章を持ちます。一般的に多くの大紋章自体はそこまで珍しくないにも関わらず、ジェラルトが老けないことに対しては多くの人が言及することから、現在のフォドラで大紋章=不老でないことが一般的であることは確かです。おそらく眷属から直接血を分けられたかどうか、どれだけその血が濃いか、ということが不老に大きく関わってくるのではないでしょうか。

紋章を持つ人たちには血で他の人々を癒す力を持っていないのではないように見受けられます。あるなら大紋章持ちは治療法として魔法・医学以外に使われていてもいいはず。ただ血を取り込むというのは日常生活ではあまりなさそうなので、本当にないとは断言できませんが。セスリーンに関しては(おそらく血を分けて)人々を癒したという話があったはずですし、リンハルトもマリアンヌの血を飲んでも何も起きないから試そうかという支援があったので、それを考えると大紋章持ちでは既にいろいろ試されていそうなので、おそらくそうかなと。

実験で植えつけられたものに関しては、エーデルガルトとリシテアどちらももともと小紋章を持っています。もちろん二つの紋章を宿すために紋章持ちだけをターゲットにした可能性もありますが、エーデルガルトの兄弟10人が全員紋章持ちだったとは考えられないので、実験に成功するためにはすでに紋章を宿していることが不可欠なのかもしれません。そうすると、人体の発達段階などで、例えば心臓に紋章の力を制御するための仕組みがすでに造られていることが紋章を得るためには重要なのかもしれません。眷属以外では子孫にしか伝えられない、というのもこの影響があるのかも?

というわけで(?)まとめますと、

眷属:竜化、不老、血を分けることで他者に紋章・不老(もしくは長生き、細胞再生)の力を与える

それ以外:子孫にしか紋章の力を与えることはできない。初期は不老だったかもしれない。

という違いがあるのではないかなと思います。つまり、ソティス+射程1で竜化と再生産の力(狭義の女神の眷属)ソティス+射程2で不老の力(広義の女神の眷属)ソティス+射程2以上で大紋章・小紋章(子孫限定)といったところでしょうか。

またイレギュラーな心臓に紋章石を埋め込まれた人間に関しては四使徒の記事の終わりで考察しています。

眷属の竜化と竜の存在

ここまで竜化とまとめて、表現してきましたが、聖獣といっても必ずしも竜ではないという状況証拠がいくつかあります。ソロンたちは人や眷属たちを「獣」と表現すること、またインデッハなどは亀、マクイルは鳥(デザイン画によるとグリフォン)型の聖獣の姿をしています。少なくとも純粋に"竜"の見た目に変化するのはレアとレアの眷属である枢機卿たちだけになります。もし眷属それぞれが異なる聖獣に変化するとなると紋章アイテムの○竜の証という名前と矛盾する気もしますが、「竜」というのが眷属語でいう「獣」の総称なのかもしれません(ですし、見た目はまぁ全体的に竜っぽいといえば竜っぽいので特に竜化と称しても問題ないかとは思います)。

ソティスに関してはアビスの書庫で、異形の巨躯が人間たちを襲ったと伝わっており、また紋章石(≒竜石、別記事参照)を持つことからソティス自身も獣化するのではないかと思いますが、どんな竜になるかはよくわかりません。またアビスの描写自体、封じられた森や聖墓にいるゴーレムたちのことを指している可能性もあります。

個人的には、ローレンツの金鹿紹介で「金鹿はレスターの守護聖獣と言われている」という話がひっかかります。この聖獣がもし女神の眷属であるならば、一体誰が鹿になったのでしょうか。同盟ができた時期を考えると、英雄の遺産が残っている眷属は候補ではありません。セテスとフレンが暮らしていたのはロディ海岸=王国側なので、同盟で聖獣となるのは考えづらいです。四使徒が眷属であったならば、そのうちシュヴァリエ・オーバンは同盟にいた可能性も考えられます。それとも、十傑の一部がある程度不老で生き残っており、彼らは実は聖獣になることもできたのでしょうか...? →各節の一枚絵から、鹿に乗って同盟のために戦った人物を指していた可能性があります(参考記事リンク)。

加えて、このように各々が個性を持った聖獣に変化することから、実はもともとそれぞれが異なる獣だった可能性もあるのではないかなと思いました。もともと、「眷属」は神の使いである動物だったり血の繋がりを持つ人々のことを意味するため、これが前者を指す場合、女神の眷属はもともと人間ではなく「獣」が神祖の血を得た姿だったのかもしれません。

私はリンハルトの勘は無条件で信頼しているのですが、彼が「紋章は戦いを想定した力だ」と語るのがずっとひっかかっていて、眷属が平和な時代から紋章を持っていたなら戦いに関係する力を持つのは少し不自然な気がしていました。なのでアガルタとの戦いでヒトからソティスを守るため、動物に紋章と竜化という戦う力を与えた、という流れも十分ありえそうです。

放射能による遺伝子変異→細胞のがん化が魔獣化のイメージ

フォドラの人々は紋章石や紋章の力を強く持つものに長期間触れていると魔獣化するメカニズムを持っていると考えられます。また眷属の血液を取り入れた際にも、紋章を獲得しなかった一部のものは理性を失いおかしくなってしまいます。一方、紋章に適合しその力を宿したものは紋章石・英雄の遺産と適合すると、超人的な特別な力を発揮することができます。

この関係性は、例えば放射線による細胞のがん化のようなイメージを個人的に持ちます。すなわち、紋章石=放射性物質のようなものは人の細胞にダメージやストレスを与え、細胞分裂を活性化 or 不活性化させるような働きをするため、普通の人はそれで簡単に制御システムが壊れ魔獣化してしまいます。一方、紋章の力を持つ人は、それを適度なレベルに抑える抑制系のメカニズムを持つ細胞を体内に持っており、それがなくならない限りは魔獣化を抑えることができる、というものです(ただしそれは紋章一対一対応)。

女神の眷属たちは、これらを制御するための仕組みが完全に揃っていますが、年月を経るごとにやはり細胞はテロメアの短縮や老廃物の蓄積など何らかの理由で老化していきます。そのときには、"システムの活性化ができなくなる"方向に変化していきます(セテスはもう竜化できない)。レア様は今でも竜化できるので、定期的に使わないといけないのかもしれません。ただ自身の英雄の遺産をもつ眷属は存在していないので、もしかすると眷属であっても紋章石のように紋章成分が濃縮しているものは毒なのかもしれません。銀雪のレア様は弱った際に紋章の力が暴走して魔獣化してしまうので、女神の眷属自身も頻繁に竜化の力を使っていると、システムの暴走が起きうるということがわかります。

また、闇に蠢く者たちが使ってくる光の杭という武器がありますが、ガルグ=マクに向かって発射された光の杭は、ソティスの聖墓の力により跳ね返され、最終的に煉獄の谷アリルに落下しました。その結果煉獄の谷アリルは、本編で出てくる通り、今でもマップ上で特定の場所に立つとダメージを受けるほどの熱さとマグマの露出が見られます。このように土地に長く影響を残す巨大な兵器からは、やはり原子爆弾などがモチーフとして想起されます(ただ放射能の影響でマグマがわくなんてことはありませんが)。

ところで光の杭に書いてある文章解読した人いますか?何か意味がありそう...

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魔獣化をといた場合にはどうなるのか

人間が魔獣化した場合、戦闘で倒すと魔獣は人に戻ります。しかし、生徒に関しては生死の表記がありませんでしたので、おそらく死んでしまったのではないかと考えています。英雄の遺産を使ったマイクランも死んでいます。つまり、魔獣を倒し人間が死ぬ or 紋章石と分離することによって細胞分裂を維持することができなくなり、魔獣化が止まったと思われます。ちなみに黒鷲学級での外伝許し難き行いにおいて、エーデルガルトのセリフに「オックス男爵が亡くなったそうね」というものがあることから、(エーデルガルトは出撃していれば魔獣化解除を目の前で見ているはずなので) 魔獣化のコアとなった人間は即死ではない可能性があります。

一方、マリアンヌ外伝のモーリスを倒した際には、骨と剣が残ったとあります。つまり、媒介となる人間が白骨化状態になっても、魔獣化は続くということなので、後者が有力ではないかと思います。つまり、紋章石が心臓などの代わりとなり、生命状態を維持する機能を持つという説です。これは、紋章石を心臓にもつ先生のケースと同じです。

金鹿ルートでは、白きものの額に紋章石があるというトマシュのスケッチをクロードが見せてくるムービーがありました。実際に白きものの戦闘ムービーを見てみると、少し見辛いですがセイロスの紋章の描かれた紋章石?がありました。やはり、竜化・魔獣化する際には紋章石がコアとなっており、何らかの原因でそれが力を失うか分離されると、変形が戻るのではないかと思われます。

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英雄の遺産がピクピク動く、とヒルダが気持ち悪がっていることは、英雄の遺産持ちの戦闘ムービーからも伺えますが、これは魔獣化と同様に紋章石自体がたとえ相手が死体であっても、生命状態を維持する仮説と矛盾しません。だからこそ、闇に蠢く者たちは眷属の遺体全体を使うことはできず、やむを得ず体の一部のみを切り取ることで、意のままに扱うことのできる武具を作ることに成功したのではないでしょうか。

ちなみにアルファルドはシトリーと宝杯を取り込んで魔獣になりましたが、シトリーは帰ってきたんでしょうか。きちんとお墓に埋葬されているから戻ってきたと信じたいですが。また、追加情報でリンハルトのお茶会の話題で「(魔獣の)臭いがひどい」という話を振られることを知りました。臭いってもしかして腐っているのでしょうか...?

また、青獅子ルートのラスボスであるエーデルガルトの覇骸は戻れなくなる危険があったようですが、特に後遺症もなく無事に人型に戻った模様です(寿命が短くなるなどの害はありそう)。覇骸は竜のようにも魔獣のようにも見えず、エーデルガルトのステータスにも竜の表示はありませんでした。そのため、覇骸化は紋章石による竜化とは異なる技術によるものであると考えられます。

これまでに実在した眷属の数は21以上だった?

第一部において聖墓の戦いで奪われる紋章石は合計20個あり、それぞれ別の紋章が描かれているという説明があります。それぞれ異なる=20種類の紋章であるということから、英雄の遺産などと重複する紋章であったか、現存する紋章以外の紋章を含んでいる可能性が考えられます。ともあれ、少なくともこれらは英雄の遺産にはまっている紋章石とは異なるはずであり、現存する遺産分以外にも過去眷属が存在した可能性を示唆しています。

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この20という数字は炎の紋章以外のユニークな紋章の数21-1 (セイロス) にあたりますが、聖廟にあった棺の数もセイロス+四聖人+16=21でした。もしかすると聖墓に祀られているのはソティスに造られたレア以外の初代眷属の紋章石20名分なのかもしれません。そうすると、ザナドで殺された眷属たちは皆2代目以降の眷属だったのかも...?

本編において、紋章石を新たに体内に作り出した人間は観測されていません。例えば女神の眷属の血を直接受けたモーリスはブルトガングの紋章石が魔獣化の起点になっていましたし、銀雪の枢機卿もレアから与えられた紋章石の欠片が武器欄に記されていました。一方で人工でない紋章石は英雄の遺産と聖墓以外にも登場しており、例えばドゥドゥーたちが魔獣化に際して使用した、フェルディアの宝物庫に保管されていた「失われた紋章石」などは、過去存在していた眷属のものだった可能性があります。また他にも先述のドローミの鎖環の紋章石は四使徒オーバンが登場する以前にダグザに渡っている可能性が高いことなどからも、これまでに実在した、紋章石を宿した眷属自体の数は、ユニークな紋章の数よりもずっと多かっただろうと推測されます。

雑感 - フレンの母親は眷属なのか人間なのか

フレン=セスリーンは聖人キッホルの子供であり、二人は女神の眷属にあたります(銀雪セテス「私もフレンも、女神の眷属だよ」)。通常、紋章は血を与える以外では両親のどちらかから遺伝するものですが、フレン自体はセスリーンの紋章という父キッホルとは異なる紋章を持っています。フレンの母親については性格などの描写しかありませんが、彼女は果たしてセスリーンの紋章を持つ眷属だったのでしょうか?

セテス・フレン親子の確定している過去

アンヴァルの教会で父母が出会うアンヴァルでフレンが生まれしばらく暮らす(散策台詞「帝都アンヴァル…実はわたくしにとって、生誕の地ですのよ?あの街の教会で、お父様とお母様が出会い、わたくしが生まれましたの...」)

フレン誕生後セイロスと出会う(イグナーツ支援「戦乱を憂いていた聖者セイロスと出会い、3人は協力することになります。」銀雪アンヴァル宮城戦後「こうしてアンヴァルで再会できて、昔が思い起こされますね」とあり、三人は同時に出会っており、かつキッホルとセイロスはどこかの時点でアンヴァルに同時に存在しています。キッホル親子は長くアンヴァルで暮らしていたため、アンヴァルで出会った可能性もあります)

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グロンダーズ(46年)もしくはタルティーン(91年)の会戦の際には存命だった(セテス・フレン支援A「かの会戦で、幼いお前に負担をかけすぎた。(中略)その上、お前の不調に気づかず、我が妻…お前の母までも危機に晒し、そして失った。)

セスリーンは、戦争中に治癒のために多くの人におそらくはその血を分けており、子孫はいませんが世に多くのセスリーン小紋章持ちを増やすとともに、度々長い眠りを必要とする体になってしまいます。

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キッホルとセスリーンが果たしてどれくらいの期間セイロスと共に戦っていたかは定かではありません。英雄戦争の勃発は帝国歴で32年、終結は98年であり、もしこの間を共に戦っていたのであれば、寿命の関係から母親はまず間違いなく長寿である眷属だと考えられます。さらに、フレンの煉獄の谷の散策会話では、大修道院に渡る橋の上から「ここから見上げる空だけは、あの頃からずっと変わらない」「お父様とお母様と見た空」という発言があります。ガルグ=マク大修道院の落成は185年であり、もしその時点でも母親が存命であの橋から三人で空を見上げたことがあったと仮定すると、成人+タルティーンの会戦から落成までで100年以上生存していることになり、眷属であることが確定となります。

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しかし、例えばキッホル・セスリーンの戦争参加が実は会戦直前からであったり、ガルグ=マクの建設が(会戦直後など)落成よりもずっと早く始まっていたりした場合など、イレギュラーなケースの場合には、母が人間の寿命であっても一応矛盾なく成立します

ちなみに、もし両親が出会ったアンヴァルの教会がセイロス教のものだった場合には、セイロス教の興り及び帝国建国以降に二人が出会ったことになります。ただ、キッホルがセイロス教の教会にいたのに、セイロスに出会ったのはセスリーンの誕生後(上述)というのは不自然な気がしますので、アンヴァルの教会自体はセイロス教とはおそらく関係なかったものと考えています。ニンドリにある開発陣のインタビューによると「あの世界は、もともと竜に変身できる種族であるナバテアの民が、竜であり神としてフォドラ中に散らばって各地を治めていた」とあるので、その教会自体はソティスや各眷属を神と崇める信仰だったのかもしれません。

前提:フレンは眷属である → 人間と眷属の子供は眷属になるか?

このように、歴史上の事績から母親の正確な存命期間を特定することは難しいようです。そこで、フレンがセスリーンの紋章を持つ眷属である、という点から母親について考えてみたいと思います。紋章を受け継ぐためには、血を分けられるか、親が紋章を持つかが必要であり、紋章を持つ眷属化も同様のプロセスによるものと考えられます。そこで、まず遺伝による眷属化について考えます。

眷属と眷属の子孫に関しては、セテスとベレスの支援Sで「我々の血脈を残すためでもない」とのセリフがあることから、眷属同士の子孫はナバテアの民=眷属になることが示唆されています(セテスの支援Sはさすが超年上というだけあってカッコ良いですね)。一方で、人間と眷属の子供は眷属になるのでしょうか。

リンハルトが「セスリーンは生涯未婚だった」という文章を紹介することから、他の聖人は子孫をなした可能性もあり、もし眷属と人間の子孫が眷属になるならば、彼らの子孫という眷属が別に存在することになります(関係ないですがベルちゃんがモテモテなので、引きこもりのインデッハも意外とモテそう)。さらに、もし四使徒のように血で紋章を与えられる眷属と人間の子供が眷属になる場合には、ハピやバルタザールの村、コンスタンツェを含むヌーヴェル家、紅花以外での先生の子孫も女神の眷属ということになり、フォドラには眷属がぞろぞろと存在しないとおかしいのではないかと思います。しかし後日談で長命に触れられるのは、セテス、フレン、ベレトとベレトとの組み合わせのユーリスのみです。

これらの状況証拠から、眷属と人間の子孫が緑髪・不老の特性を持つ眷属となる可能性は限りなく低いのではないかと個人的に推測しています。一方で眷属の子孫に関しては本編中での実例が少なく、銀雪最終章で獣になるものと人型を保つ枢機卿がいたように、たまたま血が濃くなり眷属と人間の子供でありながら強い眷属の特徴を残した可能性もないわけではないと思われます。そのためフレンが眷属であることから母親が人間・眷属のどちらであるかを特定することは、(眷属の可能性が高いとは思われますが)現時点では難しそうです。

フレンの眷属化=ソティスによるもの or 遺伝によるもの?

前提として、少なくともフレンはセテスの子供であり、ソティスに造られた訳ではありません。そのためフレンが眷属たりえた理由は、ソティスがフレンを生まれた後に眷属にした説もしくは眷属の子孫であったので眷属となった、この二つが有力と考えられます。

ソティスによるものだった場合

一つ目は、セスリーン自体は人間とセテスの子供で、ソティスはセテス・セスリーンを別々に眷属にした、という説です。この場合、セスリーンが父親とは違う独自の紋章を持つ理由にもなります。女神は人間たちに様々な技術を伝えるために人に似た見た目の眷属を造ったとされますが、セイロスは女神の造った最後の眷属であることから、この説の場合フレンはセイロス以前に眷属化していることになります。しかし、セスリーンが戦時中のセイロスよりも幼い見た目で、セイロスよりも早く眷属にされていたというのは若干不自然ではないでしょうか(成長を阻害する?休眠が必要になったのは戦後だと思われますし)。またソティスが聖墓で眠る前に眷属化されたとなると、セスリーンの両親が出会ったアンヴァルの教会はその頃から存在する歴史的建造物ということとなってしまいます。このような理由から、セスリーンがソティスに眷属にされた可能性は薄く、遺伝によるものが有力だとと考えています。

遺伝+フレンの母親が人間だった場合

料理が上手で魚釣りに興じる様子や、外伝で語られる「今を精一杯生きろ」という母の生前の言葉は、寿命の長い眷属というよりは人間のものと考える方がしっくりきます。フレンの特別な血の理由も、何かしら母親が特別と考えると単純に説明することができます(ただしこの希少・特別な血は単に強い力を持つナバテアの血を指している可能性もあります)。

これに矛盾する証拠としては、フレンがキッホルの紋章ではなくセスリーンの紋章を持つ点が挙げられます。濃いキッホルの紋章の血を受け継ぎながらも異なる紋章を宿しているということは、母親がセスリーンの紋章を宿す眷属であると考える方が自然な気がします。眷属の子孫が独自の紋章をもつ可能性もありますが、メタ的に戦闘画面で登場する紋章アイテムの順に並んだ紋章が21個であることからも、独自の紋章はこれ以上生まれないのではないかというのが個人的な推測です。

また銀雪ルートでのレアは、支援Sに到達していない場合には力を使い果たし亡くなってしまいます。そのため、(後述しますが)セスリーンの母も会戦において力を消耗しすぎたために寿命が人間並みに短くなり、価値観が変化したという可能性もあるかもしれません。

遺伝+フレンの母親が眷属だった場合

ソティスがセテスとフレンの母親(もしくはその祖先)を眷属として造り、その子供がフレンであるというのが個人的に最も信憑性が高いと思っている説です。その場合、フレンはセスリーンの紋章を母親から受け継いだと考えられます。普通の人間では戦い抜くことの難しい長い英雄戦争を夫や娘と共に戦えたのも、眷属だったからと考えると自然です。

これに矛盾する点としては、戦争時にも存命で戦いに参加していたフレンの母が、眷属であるのに聖人として記録に残っていない点が挙げられます。しかし、解放王・10+1傑との戦いの際、セスリーンはその強い回復の力で戦士たちに(血を分け与え)癒した功績で四聖人として祀られており、同時期に戦った四使徒などは歴史から姿を消しています。そのため、眷属陣営として戦っていても、名が残ったのがごく一部であったのは、おかしくはないような気はします。女神からそれぞれの紋章を授かった人数を一人とするために、セイロス教がセスリーンの母の話を削除したとも考えられます。

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まとめますと、フレンは遺伝によって眷属になった可能性が高いと考えられますが、フレンの母親が眷属であったかについては、決定的な証拠は見つけられていません。現状存在する証拠からは、セスリーンの紋章を持つ眷属であれば、すべての事象を説明できそうですが、人間であったとしても矛盾なく説明することは可能です。これらの推測はソティスがどれだけの眷属を造ったのか、四使徒が眷属かどうか、そして今のフォドラにどれだけの眷属が存在しているかによって大きく変わってきそうです。

余談

フレンたち親子のゆかりの地は王国のロディ海岸周辺ですが、ここに滞在したのが英雄戦争の前後どちらであったかは、今のところ特定できる要素が見つかっていません。すなわち、アンヴァルから十傑の争いが起こっている間をロディ海岸付近で過ごしたか、それとも帝国軍との共闘の後の隠遁生活の場所だったかを特定できる文章を発見できていません。しかし、ロディ海岸での生活はとても穏やかであったように描かれており、眷属狩りの目に怯えた隠遁生活とはあまり考えられず、戦いで用いた神聖武器や母親の墓がロディ海岸に残されたことからも、個人的には会戦のあと傷を癒しながらそこで暮らしていたのかな〜と想像しています。その場合、母親は眷属で本来長い寿命を持つ可能性が高かったが戦いで力を使いすぎてしまったか、負傷したために寿命が短くなってしまったのではないかと考えられます。具体的には以下のような時系列になるのではないかなと思っています。

アンヴァルで両親出会う→アンヴァルで生活→ネメシスたち聖墓襲撃、他の眷属たちも聖墓やザナドなど各地で殺される→ネメシスたちがフォドラ全土に戦乱を巻き起こす→アンヴァルでセイロスと出会う→共に帝国軍と共闘→フレンが血を分けて人々を治療→フレンが眠ってしまい母かばい負傷、戦場から退く?→ネメシスたち討伐→ロディ海岸や王国周辺でひっそりと暮らす(これによりキッホルの聖地とされる)→ガルグ=マクが完成、三人で訪問→母は負傷が元で亡くなる→墓を守りながら暮らす。

しかし、眷属は体力が落ちた時眠りに落ちるのは間違いないと思うのですが、若返ることはないと思うので、セスリーンは戦時にも今の見た目かそれよりも若かったはず。明らかに子供のような見た目の聖人に対して、「生涯未婚」なんて言い方するのだろうか...?もしかして、彼女もう少し大人の見た目だったのに子供に戻ってしまったんでしょうか...

とにかく先生は太陽

月は太陽がないと輝かないし、花は太陽がないと咲かない。雪は太陽のもと初めてとけ出して、日の出ている下でこそ人は風に誘われる。

そういうこと(どういうこと)。

明確な間違いは見つかり次第訂正しています。もし面白いなと思っていただけましたら、ハートしていただけると励みになります。

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