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ファイアーエムブレム風花雪月プレイ&考察まとめ11-ナバテアの杯を捧げし四使徒と女神再臨の儀の真実

風花雪月発売、一周年おめでとうございます〜!一周年を記念したお祝いとして、今回はDLCで配信されたノア・オーバン・ティモテ・シュヴァリエら四使徒の存在と、彼らが行ったソティスの復活を目指した宝杯の儀、そして眷属たちの秘密など風花雪月における重大な疑問について考察したいと思います。設定資料集発売来い...!!!(08/07 最後の章に追記)


※DLC含めた全ルートに関連する盛大なネタバレ祭りです!


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四使徒とは何者か

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DLCの煤闇の章にて初めて明らかにされた、4人の聖人たちのこと。ノア・シュヴァリエ・ティモテ・オーバンの四名で、それぞれの名前と同じ名で呼ばれる紋章を保持していました。実際に彼らの存在が初めて歴史上で語られるのは、大司教に受け継がれる(?)年代記内で185年ガルグ=マク大修道院の落成の際に執り行った宝杯の儀です。しかしリンハルトによれば「記録がほとんど残っていない聖人ですよ。四聖人と同時代を生き、彼らを支えたとされてますが、名前も不確かで...」とあります。このことから少なくともネメシスたちとの戦いにおいて四聖人と共闘しており、民間の伝承に残ったのではないかと考えられます。

眷属たちがネメシスたちと戦うために作られた(と考えられる)神聖武器ベガルタとモラルタの剣にシュヴァリエの紋章が描かれていること、ゴーレムにシュヴァリエの名前が残っていることからも、シュヴァリエが装備などの面で戦いに貢献していた様子が見られます。しかし、彼らの名前が落語家の芸名や四股名のような受け継がれるものの可能性もあり、これらが四使徒のシュヴァリエによるものかは不確かです。また、おまけ情報ですが、ノアはコニー・エーデルガルトの英語版支援で女性、ティモテはリン・ハピ支援で男性であることが明言されます。他二名に関しては名前からおそらく男性であると推測されます。

始原の宝杯とは

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始原の宝杯は女神の復活のために造られた神器で、四使徒の血を捧げることでその莫大な魔力を用いることができます。ナレーション部分では「ナバテアの杯の下に四使徒の印を捧げし刻、喪われた魂が呼び戻されん」とあり別名ナバテアの杯です。DLC内ではレア・アルファルド・コンスタンツェがそれぞれ宝杯についての情報を持っており、セイロス・神祖が作ったと意見が割れています。真相を最もよく知るであろうレアの証言では、一貫して神祖がその復活のために作ったと主張していることから、ソティス自身が作ったものではないかと思われます。

始原の宝杯を利用して行われる宝杯の儀

1. 主の力で加護されているガルグ=マク内の静謐な場所で

2. 四使徒に対応する紋章を持つものが血を捧げることで

3. 心と魂が残る神祖の肉体を復活させる かつ 傷つき失われた肉体を取り戻す

ことを目指したものですしかし、最終的に儀式は失敗に終わり(「その儀式は実を結ばず、主は戻られなかった」)四使徒はその責を負いフォドラの闇へと消えて行きます。その際、始原の宝杯は四使徒によって厳重な封印が施され、四使徒の紋章が四つ揃わない限りその封印は解けないことになっていました。またコンスタンツェによれば、「教団の至宝、死者さえ蘇らせるほどの魔力を秘めた、伝説の杯」とヌーヴェル家に伝わっており、高い魔力を持つことが示唆されています。

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宝杯による魔獣化の仕組み

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煤闇の章において、四使徒の紋章を継ぐものの血を受けた宝杯は、シトリーの遺体とアルファルドを取り込み、赤き獣(英語版ではUmbral beast=影の獣)へと変貌させました。この獣は銀雪の章最終戦の白きもののように咆哮により他の獣を呼び寄せたり、幻影兵を無限に作り出す力(スキル:愛執の亡霊)を持っており、紋章石による単純な魔獣化よりも強い「女神の眷属らの真の姿=竜」に匹敵する力を有しています。これが始原の宝杯の魔力によるものなのでしょう。

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さらに、赤き獣の攻撃手段である「血の宝杯の力」は、四使徒の血と紋章石のかけらを取り込み暴走する"始原の宝杯"の力とあります。ここの紋章石の欠片ですが、私はずっとアルファルドさんが枢機卿であることから、銀雪の最終章で言われるようにセイロス教の儀式で血と紋章石の欠片を取り込んでいるのだと思っていました。

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 実際アルファルドさんはセイロスの小紋章を持っており、その可能性は濃厚です(ちなみに名字はダールマンです。おそらく生まれた頃から教会のシェルターで生活していたはずですが、きちんと名字のある人物なので、身元の知れない孤児というわけではなさそうですね。)

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しかし、この説明の文章は「四使徒の血 と 紋章石の欠片」以外にも「四使徒の血 と 四使徒の紋章石の欠片」ととることも可能です。ここで英語版での説明を調べてみますと、"The chalice's full power, unleashed after contact with Crest Stone shards and the blood of the four."=宝杯の真の力、紋章石の欠片(複数形)と四使徒の血が接触することにより解放される、とあります。Crest Stone shardは魔物などが持っている場合は単数系で表示されますので、これはすなわち四使徒の紋章石の欠片と四使徒の血、その両者を指しているのではないでしょうか。

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(ちょっと誤字がありましたので追記しておきますと、英文では四使徒は紋章石の欠片にかかってはおらず明言はされていません。「四使徒の血と複数の紋章石の欠片」です。大穴はアルファルドとシトリーがどちらも欠片を持っている説ですが、シトリーは炎の紋章石を持っていたはずなのでおそらくないでしょう。つまり1つ以上の紋章石が宝杯に含まれていることは間違いなく、また血に「接触」していることからも宝杯自身に複数の欠片がついている可能性が高いです。)

ここで、もう一度始原の宝杯のビジュアルを見ていただきますと、小さな赤い石にノアの紋章が見えるのがおわかりいただけますでしょうか。そして横にも緑と青の石がちらっと見えており、これは一番最初に貼った四使徒の宝杯の儀のイラストの色とも一致しています。そしてこの逆三角形に紋章が刻まれている様は、白きものや黒き獣の額にあった紋章石とかなり類似しています。このことから、おそらくこれらの小さな石が「紋章石の欠片」なのではないでしょうか(これがゲーム内で唯一の紋章石の欠片のビジュアルの可能性があります...!あと個人的に宝杯の紋章石の欠片は、取り外しして他の紋章のものに変えられそうだなぁと思っています)。

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もし始原の宝杯をソティスが作ったのであれば、紋章石を丸々使う英雄の遺産とまでは行かずとも、ナバテアの民たちも紋章石の欠片を使った技術を持っていたということになります。紋章石は女神の眷属たちの心臓ですから、自分たちで(死者であっても)心臓を取り出すような技術をわざわざ利用するのは考えづらく、魔力や血など心臓以外から紋章石の欠片は作ることができるのではないかという仮説が浮かびます。実際教会の幹部たちは皆紋章石の欠片を取り入れており、それらは過去に得られた紋章石を砕いているのではなく、実はレアが自身の血や魔力などで作り出しているのかもしれません(そうなるとフレンの血からも、紋章石の欠片であれば作り出せた可能性がありますね)。

話を戻しますと、始原の宝杯に紋章石の欠片が埋まっているという仮説が正しいのであれば、当然その力を引き出すために四使徒の血が要求されるのは納得です。また英雄の遺産のように、おそらく誰がその儀式を遂行したとしても失敗した時には魔獣化してしまう危険性があると考えられます。

四使徒による儀式の際に魔獣化した人物とは?

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赤き獣が現れた際、レアは「すべてが、あの儀式と同じ」と口走ります。このことから、四使徒の行った宝杯の儀においても何者かの魔獣化が起こってしまったことが伺えます。しかし前回の儀式のあとも四使徒は全員生き残っており、その結果灰狼のメンバーたちが紋章を獲得することになります。それでは以前の儀式で魔獣化してしまったのは一体誰だったのでしょうか?

今回取り込まれたのは、儀式の対象であったシトリーと儀式を遂行したアルファルドさんでした。前回の儀式では、対象は当然女神であるソティスだったはずです。しかし、宝杯の儀のときにはすでにソティスの遺骸は天帝の剣に利用されており肉体は残っていません。「傷つき失われた肉体を取り戻す」ことが宝杯の儀の目的ですが、何もないところから肉体を完全に復活させてくれるような気はあまりしません(実際前回は失敗してしまいました)し、英雄の遺産自体が魔獣化しないことから、天帝の剣を起点として魔獣化したとも考えられません。

ここで思い出されることとして、レアは人の体を(おそらく無から)造り、紋章石を埋め込んで命を与えることを繰り返していました。この行いはセテスによると「禁忌にあたる行い」であると言われていましたが、もしかするとこの宝杯の儀で肉体を作ったことを発端に、作り上げた肉体を利用した女神復活を目論んでいたのではないでしょうか?

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レアは女神を入れるための器を作り、この器と炎の紋章石を宝杯の儀で再生させることで女神を復活させるはずだった。しかし、ソティスは紋章石の中で眠っており、また肉体も不完全だったため(シトリーは炎の紋章石を埋め込んでも病弱な体で、大修道院を離れることはできなかった)、儀式が成功することはなかったというものです。四使徒の儀式の際になんらかの肉体が使われていれば、以下の「体さえ完全に再生できない」ことを知っているレアの発言も納得です。

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また今回はアルファルドさんも取り込まれてしまいましたが、前回の儀式を遂行した人がもし取り込まれていれば同様に死んでしまった可能性が高そうです。儀式のイラストと「秘儀を示した」ということからも、以前に儀式を主に遂行したのはセイロスではないかと考えられ、EP6のユーリスのセリフからもアルファルドが見つけた本にはセイロスが儀式を執り行ったと書かれていたと考えられます。しかしセイロスは今も健在ですし、白きものが理性を失えば大修道院をも吹き飛ばしてしまいそうです。おそらく今回は血が足りなければ自分の血を捧げようとアルファルドはシトリーの近くに控えていたことが敗因であり、四使徒の儀式の際には儀式を執り行った際にはセイロス自身は取り込まれなかったのではないでしょうか。

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また別の案として、実は儀式を執り行ったのはセイロスではない可能性もありえなくはないと思います。その場合は例えばエルネストなど、登場していない聖人などが犠牲になっていることもあるかもしれません。また眷属であったために、暴走はしたが魔獣化のように死に至ることはなかったといった説も考えられます。少なくともセイロスは魔獣化はせず、現在に至っていると考えられます。

余談ですが、おそらく魔獣との戦いで儀式を行った場所は(大聖堂のように)一度ぼろぼろになっていると思われます。アビスの例えば闘技場など建物が崩れたりしている場所が、その地である可能性が高いのではないかと思います(参考:地下闘技場のボロボロの像)。 ただし地下闘技場にはきれいなままの四聖人像が置かれていますので、ここがボロボロになったのは大修道院の創設前かもしれません。儀式の対象がソティスだったならば柱などがあちこち崩れている聖墓が一番ありえそうですが、現在絶賛調査中です。

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なぜ始原の宝杯は封印されたのか

このように宝杯の儀による女神の降臨は、魔獣化という結末で幕を閉じてしまいました。その後宝杯は四使徒たち自身の手により封印の谷に封じられ、四使徒たちもフォドラ中に散らばっていくこととなります。現在宝杯の儀に関して記しているのは大司教の年代記のみであり、大修道院の書物からも消え失せ、アロイスはおろか枢機卿のアルファルドさんでさえ古い本を(おそらくアビスで)見つけて初めて知ったと言っていました。唯一レアと議論を交わす老齢の司祭と聖ノアの直系の子孫であるコンスタンツェが、例外的にどのようなものかを知っていましたが、基本的には教団内でも秘匿されています。

レアと四使徒はなぜ始原の宝杯を封印し、歴史から消しさってしまったのでしょうか。もちろん単体で強力な魔物を生み出す宝杯は大変危険なものでありますが、レアによると宝杯は「すでに力を失ったもの」であり、四使徒の血を注がない限りその力を発揮することはないと考えられます。また宝杯の儀の目的であった女神の降臨もまだ実現していませんでした。レアがあれだけ女神の復活にこだわっているにも関わらず宝杯が封印されたことを考えると、おそらく「始原の宝杯による女神再誕が不可能である」ことが明らかだったのではないかと推測されます。

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そもそもなぜ始原の宝杯は作られたか?

そもそも始原の宝杯がソティスにより作り上げられたものであるならば、彼女はなぜ簡単に失敗してしまうような儀式のためにこれを作ったのでしょうか。ソティスは以前の記事にあるように、アガルタの民たちとの戦いのあと地上の破壊・再生を経て、聖墓で眠りにつきました。ソティスが自身の肉体の復活のための宝杯を作ったのであるならば、当然この眠りから覚めるためだっただろう推定されます。また宝杯は女神の加護があるガルグ=マク内で行うことを前提としていることからも、女神が聖墓を作ってから眠りに入るまでの間にその復活のために作られた可能性があります。しかし、ここでソティスには思いもよらなかった何らかの誤算があったのではないでしょうか。

有力な要因がアガルタの民たちによるネメシス聖墓襲撃事件です。襲撃によりソティスの遺骸は破壊され、英雄の遺産へと作り変えられてしまいました。これにより、ソティスの肉体は完全に失われ宝杯の儀が遂行できなくなってしまったのではないでしょうか。通常聖墓はゴーレムや幻影兵などで厳重に守られており、一般の人間であれば聖墓を暴くことは難しいと思われます。しかし地上から完全に消し去ったと思われたアガルタの民たちが、地下都市シャンバラで生き延びネメシスに対抗できる技術を教えたことは、女神と眷属たちにとって完全に想定外だったのではないでしょうか。

四使徒が消えた理由

これらの要因により最終的に儀式は失敗、四使徒は責を負って修道院を離れることになります。しかし、もしこれまで考察してきたことが正しかった場合、儀式の失敗が本当に四使徒のせいだったかは怪しいものがあります。上にあげた女神の天井画でティモテ以外の紋章がかすれていることから、四使徒がセイロスの何らかの不興を買った可能性もあります。しかし私個人の推測では、レアと四使徒はその血統を途絶えさせ、二度と宝杯の封印が解けないようにすることを約束したのではないかと考えています。

そもそも宝杯を見つけた際レア様は「至宝の封を破ったのですから本来ならば相応の罰を」「所在の掴めなかった至宝を見つけ出した」という発言をします。つまりおそらくレアは宝杯のある場所自体は知らなかったが、特に問題だとは思っておらず、封印を解くべきとは思っていなかったのではないでしょうか。女神復活にこだわるレア様でありながら宝杯については対応があまり過激ではないので、どこにあるかはわからないが使う予定はないし、封印は解けることはないので悪用されることもないと思っていたと考えられます。

煤闇OPにてレアは「使徒はその紋章を誰かに与えることなく姿を消し...二度と揃うことはなかった」と発言します。しかし、ただ姿を消しただけでは紋章を誰かに与えることがなかったのかはわかるはずがありません。このことから、セイロスと四使徒の間で始原の宝杯の封印を守るため「紋章を誰にも与えない」約束が存在したのだと推測しました。ただしその場合、最終的には四人ともが最終的にその禁を破り、灰狼の学級の四人の生徒がその紋章を引き継ぐことになってしまっています。聖ノア以外はおそらく子孫ではなく、レアがジェラルトを助けたように傷ついた戦士たちや病気となっていたユーリスなどに血を与えているようですので、レア様も許してくれるでしょうか。

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雑感:四使徒たちは果たしてナバテアの民なのか

(ここからは上の考察から妄想をさらに広げていきます)

上述のようにレアが血統を途絶えさせることを求めていること、また四使徒たち自身が現在まで生存していないことから、彼らはほぼ不死であるナバテアの民ではなく、「長寿」程度に留まる血と紋章石(の欠片)を与えられた元人間の眷属である可能性があります(こちらの記事でいう髪の毛が緑色でない元々人間であった広義の女神の眷属。例:白きものに連なるものなど)。

煤闇EP1のムービーに戻りますと、宝杯の儀を行う際には「セイロスによって四使徒に秘儀が示されました」と言われています。すなわち、彼ら四使徒は儀式のやり方を知らなかったのです。そもそも宝杯に特定の四つの紋章の紋章石のかけらが埋まっているのですから、当然私がソティスだったらその紋章を持つ眷属たちには儀式のやり方を教えておくはずです。にも関わらず彼らが儀式を知らなかったということは、彼らは少なくともソティスが眠ってから生まれた存在と考えられます。

煤闇の章では大紋章を持つ人間であってもこの儀式を遂行できるので、眷属である必要もありませんが、ノア以外の四使徒は子孫ではなく血で紋章の力を付与していることから、強い力を持つ眷属であると推察されます。例えばシュヴァリエはクパーラの村に流れ着き、その村の戦士たちに赤き酒が配られたことで、住民の多くにシュヴァリエの紋章が付与されました。しかしおそらくシュヴァリエは名前からして男性であるのに対して、赤き酒を配ったのは女長老であり矛盾が生じます(眷属のみが血で紋章を付与できるとした場合)。この場合、四使徒のシュヴァリエ自体は少なくとも眷属である必要があり、またこの女長老も血の濃い直系の子孫か血と紋章石の欠片を取り込んだ広義の眷属である可能性が高いのではないか、と考えています。オーバンに関しても、ユーリス に(おそらく血を与えて)病から救うとともに紋章を与えています。もし老人がオーバン本人だった場合、四使徒の中で最も長寿だったのはオーバンかもしれません。

またハピ・リンハルト支援において、ティモテの「吐息は“夜を呼ぶもの”が司った星の力を帯び」と描かれます。白きもの、風を呼ぶもの、動かさざる重きもののように眷属は「〜もの」という名称で呼ばれますので、この夜を呼ぶものが女神の眷属である闇竜なのだと思われます。そうするとティモテはオリジナルの眷属とは別の存在であり、このことからも眷属に連なる広義の眷属である可能性が高いのではないか、と考えられます。

人間の眷属化に関連して、銀雪の最終戦ではセイロス教団の要職についた司祭や騎士たち聖人が、儀式で取り込んだ血と紋章石の欠片により、白き獣や暴れる教団兵としてレアに付き従います。そしてステータス上では白き獣は女神の眷属、暴れる教団兵はセイロス教団所属と表示されます。この両者の差はセテスによると「白き獣は、レアの血をより濃く宿している者たちだ」とのことで、同様に血と紋章石の欠片を取り込んでも、眷属になったりならなかったりするということが伺えます(ルミール村やクパーラで発狂するものと紋章の力を得るものの違いにも類似)。

つまり眷属化は確率的にその度合いが変化する、いわばスペクトルのようなものなのではないでしょうか。そして眷属化したものは竜化の力を増幅させ、紋章石の欠片を起点とし心臓に紋章石を宿すことができるのかもしれません。もし広義の眷属も紋章石を持つのであれば、ナバテアの民の人数があまり多くないように見受けられるにも関わらず、フォドラの世界に多くの紋章石があることも納得できます。

四使徒は失われた紋章を持っており、彼らが消えたことで紋章が途絶えたとされたということから、少なくとも彼ら以外にその紋章を持つ眷属は当時存在していないのではないかと考えられます。四使徒の紋章に対応する中で唯一正規の英雄の遺産であるドローミの鎖環は、英雄戦争の際に作られ十傑に与する氏族たちが国外に持ち出していたとユーリス・コンスタンツェの外伝で語られます。このことから"オーバン"の紋章石を心臓にもつ眷属が英雄戦争前後で少なくとも一体、殺されていることがわかります。

眷属の血を飲むことで、元の眷属の紋章の力を得ることは、十傑やネメシスの例から明らかです。しかし既に眷属が死んでいた場合、紋章石は残りますがその血を保存することは難しいと思われます。セイロスたちが人間に血を与え始めたのは帝国の建国からであり、彼ら自身が元々人間に血を分け与えるという発想を持っていたようには思えません。そのため既に眷属が死んでいた場合(ネメシスの軍勢以外で)その紋章を持つ人間の眷属がいるとは考えづらいものがあります。

しかし、仮に"オーバン"の紋章石の欠片と別の眷属の血を与えられた人間がオーバンの紋章を持つ眷属になれるのであれば、紋章石の欠片さえあれば失われた紋章の復活は容易にできると考えられます。なぜこんなことを言っているかといいますと、炎の紋章は特殊であるため一般化できるかはわかりませんが、先生はセイロスの大紋章を持つジェラルトの子供でありながら、心臓の炎の紋章石の影響により炎の紋章しか持っていないからです。

そもそも人間は紋章石に触れると魔獣化してしまうはずであるため、シトリーはレアの血を受けていたと考えられます。同じくレアの眷属であろうジェラルトとシトリーの子供である先生も、おそらくセイロスの紋章を持っていた可能性が高いと思われます。しかし、心臓に紋章石を埋められた結果、セイロスの紋章は発現しませんでした。一方紅花のイエリッツァEndでは紋章石を失ったあともセイロスの剣を使っていることから、炎の紋章の力を失ったあとはセイロスの紋章を宿していた可能性があります。

このことから、すでに眷属の血を受けた人間が紋章石を取り込んだ場合には、魔獣化せずに紋章石に対応する紋章を宿す可能性が示唆されています。もちろん炎の紋章石が特別な可能性はありますが、もしかするとレアなど他の眷属の血を受けた人間がオーバンなど別の紋章の紋章石を取り入れることで、その紋章を獲得できたのかもしれません。ただし四使徒がもともと十傑に与する陣営だった場合は、この限りにありませんので考察する間もなく終了です(^_^)

おわりに

最後はとりとめのない考えのまとめになってしまいましたが、今回は一周年記念記事ということで、煤闇の章の四使徒を中心に考察をまとめました。後半の眷属問題関係に関しては、想像で補っている部分が多いので設定資料集の発売が待ち遠しいです。。

最近一番気になっている疑問が、紋章石は眷属の心臓からしか作れないのか、広義の眷属はオリジナルの眷属と同様紋章石を持ち紋章の力の付与が可能なのか、というものでした。今回の考察では、紋章石の欠片が自作できる可能性や、四使徒がもし広義の眷属であれば元人間であっても長寿や紋章の力を与えることができる可能性が出てきました。教団では眷属を作り続けていますから、教団が敗北した場合には現在薄れつつある紋章の力が、またフォドラ中にばら撒かれることになってしまうかもしれません...。と背筋が薄ら寒くなったところで今回の記事はおしまいです。

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