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ファンタジー小説『Aldebaran・ Daughter』【執心篇10】斜光で欠けゆく鋒鋩(vs水の蟹)後半①
「エリカ殿、属性付与を頼む」
声をかけられた彼女は、左斜め後ろへ振り向いた。いつもと変わりないオリキスの表情を見て、不安が少しほぐれる。
(早く、行動に移さなきゃ)
今回の敵に関しては出だしが狂うと、先制攻撃を仕掛けても悪い流れで戦闘を開始することになりかねないという説明はされていた。
うかうかしていたら水の蟹が振り向いてしまう。
エリカは腹を括り、深く息を吸い込むと、バルーガに右