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佐々木朗希はいつ本気を出すのか

 昨季は2桁勝利には届かずとも、完全試合を達成するなど大器の片鱗をみせた佐々木だが、個人的に「これが完成した姿なのか?」と疑問に思う部分が数箇所あるのでそれを書いていくこととする。

MLB挑戦まで投球スタイルの変更を

 恐らく、佐々木は早い段階でNPBを出るのではないか。ロッテとしても、彼を早い段階でMLBへと送り出し、ロッテという球団の評価を上げようとしていることだろうが、少し佐々木という存在を特別扱いしすぎているように感じる。

 もちろん、首脳陣が選手を故障させないような起用法をするのはとても大切な事だ。これは野球だけでなく、古今東西のスポーツ全てに共通することではあるが、それと同じだけ選手が故障しないプレースタイルを身につけることも大切なことなのだ。佐々木の場合、前者は素晴らしいが後者ができているかと考えると疑問符がつく。

 昨季は中6日、100球という制限下で素晴らしい活躍をしたが、フォークボールを信条とする現在のスタイルではそのうち壊れてしまうだろう。現に、大谷翔平が典型的なそのタイプだったが、結局MLBに渡った1年目で肘を故障してしまい、以降2年間投手として活躍することができなかったのだ。大谷はそれでも野手としてそこそこの活躍をしたが、投手一筋の佐々木にとって2年間投球を断念するということは非常に痛手だろう。ましてや、入れ替わりの激しいMLBに移籍した後にそのような状態となってしまったら、その後のキャリアにも甚大な影響を及ぼすこととなってしまうのだ。

 そういった事を未然に予防するために、佐々木には是非ともフォークボール以外にも勝負できるような球が求められるのだ。個人的な願望としては、是非とも直球を磨いて欲しい。シュートしながら浮き上がるような彼の球質は唯一無二のものなので、この球で胸を張って勝負して欲しいものだ。それで行き詰まってしまったら、チェンジアップの作用をする変化球を身につけて緩急をつけると面白いだろう。フォークボールはあくまでもとっておきのウルトラCに留めておくのが最善だ。

荒波に揉まれて欲しい

 前述したことと少し矛盾してしまうが、佐々木の身体が出来上がり、投球スタイルも確立して1人前の投手となったあかつきには是非とも年間で投球回を200に乗せ、完投を最低でも5つして欲しいと切に願う。

 実は、今までMLBで成功した日本人の先発投手はほとんどがこの数字をクリアしているのだ。パイオニアの野茂秀樹氏を初め、現在サンディエゴ・パドレスでエース格の働きをしているダルビッシュ有や田中将大、前田健太という系譜があるが、皆に共通することはNPBで粉骨砕身投げ続け、酷使とも取れるような起用をされていることなのだ。そこまでの過程で潰れてしまった選手も多々いるが、投球回200という数字は先発投手にとって1人前の証と言えるだろう。佐々木には是非この数字をクリアして、満を持してMLBへと羽ばたいて欲しい。

最後に

 素晴らしい選手だけに、皆が色々なことを求めてしまうのだ。佐々木は江川卓、松坂大輔に続き、元号を背負う怪物として大成して欲しいものだ。

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