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通算12勝、実働2年の投手がみせた快投

 中国、韓国戦に続きまたしても侍ジャパンが大勝を収めた。これで明日のオーストラリア戦を勝てば、全勝で1時ラウンドを通過することとなる。今回は、そんなチェコ戦で快投をみせた佐々木朗希について書いていくこととする。

まさにエースの立ち振る舞い

 この試合の佐々木はまさにエースの風格が漂う投球であった。時速160キロを超える快速球に滑り落ちていくスライダー、そして落差の鋭いフォークボールを駆使して失点を中野拓夢の失策によるもののみに抑えた投球はまさに圧巻であった。

 この異次元の投球内容も去ることながら、彼の所作が素晴らしかった。マウンドでの仕草、目付き、間合いの取り方がまさに大投手のそれだったのだ。目からは闘志が溢れているのだが、その闘志を感じられるのは目付きだけ。ピンチを迎えても、味方が失策をしても動じることなく冷静沈着に捕手の甲斐拓也が構えるミットにひたむきに投げられるには凄まじい精神力がいるだろう。通算12勝、実働2年の投手とは思えない投球だったのだ。

悲劇を乗り越え、日本のエースへ

 昨日の日付けは3月11日。この数字を聞いて東日本大震災を連想しない日本人は居ないのではないか。佐々木は東北の出身で、この震災により父親と祖父母を亡くしているという。小学3年生の男の子にはショックが大きすぎる、大変痛ましいエピソードだ。

 ただ、その12年後にこれだけの投球をしたということは最高の手向けの姿なのではないか。まさに一世一代の素晴らしい投球である。松坂大輔、田中将大、千賀滉大とパ・リーグで紡がれてきた侍ジャパンのエースとして、今大会の世界一へと貢献して欲しいものだ。

最後に

 まさに一世一代の投球、素晴らしいものが見られた。WBCの名場面として野球が続く限り語られるのではないか。

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