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【D】村松開人に鼓動を重ねて

 中日の背番号5というと、好打者のイメージが強い。最近では一発長打が魅力的だった和田一浩現打撃コーチや繋ぎの打撃を見せた阿部寿樹が背負ったのが記憶に新しいだろう。そんな背番号に抜擢されているのが現在2年目の村松だ。今回は、そんな彼にハイライトを当てることとしよう。

もがき苦しんだ1年目

 地元・静岡出身で大学は中日のスター選手を排出してきた明治大。まさに鳴り物入りで入団した村松だったが、1年目は膝の故障に苦しんでしまった。大学時代からの故障ではあるものの、二遊間にとって命とも言える脚力を十分に発揮できなかったのだ。

 そんな環境下でも、一軍で300打席に立てたのは彼の体力が心身ともに非常に高いことを証明しているだろう。攻守にチョンボが多かったものの、試合の中で一つ一つのプレーが上手くなっていく様子が見て取れた。台湾でのウインターリーグでも素晴らしい成績を残し、彼のプロ野球人生のプロローグとしてはあまりにもできすぎた1年目となった。

恐怖の8番

 満を持して開幕一軍スタートとなった2年目は、ここまで8番遊撃手のポジションを確固たるものにしている。膝の古傷を考慮してか、たまに山本泰寛やロドリゲスが代役でスタメンに就いているものの、やはり正遊撃手は村松の他いないだろう。

 今季はここまで、打撃面での活躍が目立つ。とにかくミート力が素晴らしい。近年は長打を狙う「縦スイング」という打法が流行っているが、村松はきちんと球を上から叩けているのだ。強いゴロ安打が多いことがそれを証明している。しっかりと振り切り、かつ綺麗に。この村松のスタイルを通年続けられたら、打率3割はもちろん首位打者も夢ではないだろう。下位打線の最果て、8番打者にこの選手がいることが、今季ありとあらゆる人が「中日打線が変わった」と言っている要因なのではないか。もちろん、村松にめざして欲しいのは切込隊長、1番打者であることは言うまでもないが。

最後に

 高木守道、立浪和義、荒木雅博、井端弘和…。中日の二遊間というと、クレバーないぶし銀が多いものだ。村松はその系譜に入るだろう。我々の鼓動にぴったりと合う、素晴らしい選手だ。

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