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【D】勝敗は無意味な指標?

 新加入の涌井秀章が援護に恵まれない。3試合に投げて全て敗戦の3敗は無惨としか言いようがないのだが、防御率を見ると2.50とかなりいい数字である。これを見てネット上の中日ファンが「勝ち星は重視する指標ではない」と言っているが、果たしてそれは本当なのだろうか。

何から何までセイバーメトリクスか

 このnoteを読んでいただいている方々は既にわかっていらっしゃることだろう事を改めて宣言すると、僕はセイバーメトリクスという概念が嫌いだ。1部の指標には共感するものはあるのだが、チームスポーツである野球をあたかも個人競技のように扱うという点が好かないのだ。

 今回主眼を置いている「勝利数」という指標は、セイバーメトリクスの言葉をそのまま借りると「自力ではなんともならない指標」に当たる。「勝利数」に限ってみれば今回の涌井のように、味方の拙攻、拙守が仇となってしまい負けてしまうというように本人にはどうにもならないのかもしれない。しかしながら、話の範囲を「勝利数」から黒星を含めた「勝敗数」へと拡げてみると、それは選手個人、特に先発投手の能力を見る確かなモノサシとなると断言出来るはずだ。

 当たり前のことではあるが、先発投手に星が着く条件は味方が勝利打点を挙げるか、相手打線にそれを献上した時の2択である。従って、ある程度試合を作らなければ星はつかないのだ。例外として、序盤に5点、6点と一気に失点を喫してしまいノックアウトという負け方もあるのだが、そういった投球を続けてしまったら負けが嵩む前に二軍へ落とされてしまうものだ。従って、今回の主題である涌井の3敗という数字は先発投手としての役割を全うしているというある種の「勲章」なのだ。負けという響は悪いだろうが、我々ファンは「負の指標」としてではなく、真逆の意味でこの数字を評価すべきなのだ。

涌井に求める数字は

 ここまで援護に泣いている涌井だが、これが通年続くということは稀である。野球というスポーツはどこかで必ず報われるものだ。涌井がこの惨状にめげず、黙々と投げ続けられることが出来たら自然と勝ち星は着いてくるものである。

 これはあくまでの目安ではあるものの、涌井には責任投手に20回なって欲しい。それだけ試合を作ることが出来ていたら、自ずとチームも安定して浮上も夢ではないだろう。

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