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【YB】黒船バウアー、横須賀に来航

 バウアー初登板は二軍の横須賀球場。奇しくも嘉永6年、ペリーが来航した浦和のすぐ近くである。僕はこの登板をYouTubeで見ていたのだが、ペリー来航の当時にチョンマゲを結っていた日本人になった気分である。果たしてこのベールを脱いだ舶来船は、NPBにどのような変化をもたらすのだろうか。


物理学を超越

 僕は恥ずかしながら、生粋の文系であるがために生まれてこの方物理という教科を面白いと思ったことは無いが、人間が上手投げで投じた球はいくら早かろうがホップする起動を描くことは有り得ないということくらいは分かっている。しかしながら、バウアーの投じた155キロの球は全く落ちないのだ。

 この手の球質としてよく挙げられる選手は元阪神の藤川球児氏だろうか。しかしながら、彼が担っていた役割は締めくくりとして最後のアウト3つをとる事だった。従って、長い回を投げることを求められるバウアーが藤川氏を彷彿とさせる直球を持っているということは、それだけでも類まれなる逸材の片鱗が見られるということなのだ。

 また、スライダーかカーブがという横の変化をする130キロ代の変化球もかなり素晴らしいものがあった。この球種は俗に言う「ピッチトンネル」なるものらしい。途中まで限りなく直球に近い軌道で打者へと向かって行くので、これを振るなということは不可能に近いのではないか。よくこういった投稿をする際に、NPBを見ている我々にとって重なる選手は誰かという話をするのだが、バウアーに限っては全く前例のないタイプと言っていいだろう。強いて言うのならば、西武時代の松坂大輔氏をスケールアップさせたような選手か。

攻略の糸口は

 一昨日の二軍戦を見て、我々他の5球団ファンはその華麗な投球に酔いしれたと共に、「我が贔屓が対戦したらどのように打つべきか」という対策を机上ならぬ頭上で空論を立てたのではないか。もちろん、僕もその1人である。このようなことは部外者の我々が考えるだけヤボではあるものの、攻略の糸口は左打者と機動力なのではないか。

 昨日の登板で、バウアーが打たれた4安打のうち3安打が左打者。これはMLBから1段レベルの落ちるNPBで投げているからということなのかもしれないが、ストライクに置きに行った球を軽打されているという印象を持った。彼自身も「単打ならOK」という事だったのかもしれないが、これを積み重ねられたら攻略できるはずだ。

 また、その許した走者に走られるという所にも主眼を置こうではないか。視線をやったり、一塁へ向かって数歩歩み寄るというように、仕草での牽制はさすが現役大リーガーなだけあるなと感じたが、問題の牽制やクイックモーションはNPBの緻密なレベル迄にはなっていないのではないか。また、バントで攻められた時にどのようなパフォーマンスをするのかにも注目だ。ただ、そんな緻密なNPBの野球に適応したら難攻不落の大選手となるはずだ。

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