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【MLB】海を渡る熱パ、山本由伸&松井裕樹の移籍決定

 まさに空前絶後のMLBフィーバーである。パ・リーグを代表する先発、救援投手である山本と松井の2人がMLB、それも同リーグの同地区へと移籍したのだ。今回は、彼らに対する期待と心配を書いていくこととしよう。

山本由伸、唯一の心配は…

 オリックスのネイビーブルーからロサンゼルス・ドジャース(以外LAD)のロイヤルブルーに着替えた山本は素晴らしい契約を結ぶことができたが、果たして彼は大リーガーとして通用するのだろうか。日本人大リーガー成功のバロメータであるフォークボールの精度は制球、キレともに申し分ないものを持っているが、フィジカル面での問題。身長が178センチしかなく、MLBの投手を基準にするととても低い部類に入ってしまうのだ。ここ数年でMLBに挑戦した投手は全て180センチを超えている。彼がMLBに挑戦してまず直面する壁はここだろう。

 しかしながら、彼であればそのような壁を難なく超えてしまうのではないかと思えてしまう。何せ3年連続の投手四冠王なのだ。彼以前の達成者は全員が1回きり。それもパ・リーグでは5人しか達成していなかった記録をすんなりも続けて達成してしまったのだからMLBでもそんなハンデを簡単に押しのけてしまうような胆力と適応力は必ず持ち合わせていることだろう。1年目は先発ローテーションに定着し、規定投球回を投げることがノルマ。2桁勝利を達成できたら御の字と言った感じだろう。

松井裕樹、カギは「差別化」

 同じく170センチ台で大リーガーとなったのは松井だ。高卒新人から抑えのエースを務めていたので、もはや既にベテランのような風格が漂っているがまだまだ20代の後半と働き盛りである。毎年のようにセーブ王の候補に名を連ねる、非常にタフネスな左腕投手である。移籍先のサンディエゴ・パドレス(以外SD)でも、代名詞の背番号1をつけることが決まった。

 彼がMLBで活躍できるかどうかは、彼の珍しい投球スタイルにかかっているだろう。世にも珍しい左腕のフォークボーラー。やはり左腕というのは、スライダーやカーブのような捻る変化球を多投する選手が多いのだが、松井の場合はこのフォークとチェンジアップという球速や変化の仕方が違う2種類の落ちる球を操るのだ。前者は直球とほぼ同じ軌道からストンと落ち、後者はまるで球にパラシュートが着いているかのようにヒラヒラと落下していく。この2種類を使い分けられると、今をときめく大リーガー達もお手上げと言ったところなのではないか。特に現在のMLBでは、一か八か縦スイングで本塁打を狙うという打撃が流行しているので、こうした変化球で手玉に取るという投手にとって1番面白い野球ができるのではないかと期待している。

最後に

 今回紹介した2選手の他にも、来季のナ・リーグ西地区にはLADに大谷翔平、SDにはダルビッシュ、そしてアジア最高の内野手の呼び声高いキム・ハソン、サンフランシスコ・ジャイアンツには「風の孫」ことリー・ジョンフが犇めき、文字通り日韓のスターが集結することとなった。来季のこの地区は、同じ日本人として、そしてアジア人として目が離せないこと間違いなしだ。

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