引退試合、オープン戦にしませんか?
今季もペナントレースが終了しようとしている。その最後のイベントが引退試合。第2の人生を歩み出す選手たちがフィールドと決別する特別な試合ではあるものの、個人的に疑問に思う点が幾つかあるので今回はそれを書いていく。
「忖度」はやめて欲しい
最近の引退試合で目に付くのは忖度だ。投手の引退試合では打者が始球式のような空振りをしたり、逆に打者の引退試合では投手が打ちやすいコースで勝負したり。最もおかしいと感じるのはファウルフライを敢えて落球する行為だ。こうしたことは、全て公式戦に記録されてしまうのだ。
個人的には、こうした忖度をしてしまうと試合がシラケてしまうように感じる。佐々岡真司前広島監督のように、渾身の投球を見事に打ち返されて「ボロボロになるまでやったんだね、お疲れ様」とファンを納得させたり、逆に吉見一起の引退試合のようにビタビタのコントロールを披露して「まだまだできるじゃん!」というところを見せたり。こうした本当の真剣勝負を最後まで見たいものだ。いくら消化試合とはいえ、選手にとっては貴重な一打席、貴重な投球の機会なのだ。順位が関わっていないとはいえど、格式高い公式戦ではガチンコの戦いがみたい。88年間も公式記録が残っているプロ野球は世界中どこを見渡してもNPBだけ。だからこそ、出ている選手に関わらず本気のプレーが見たいのだ。
オープン戦でやるべきでは?
個人的にいつも思うのが、引退試合をオープン戦でやるべきでは?ということ。オープン戦は大事な試合とは言えど、順位やクライマックスシリーズなどが何も関わっていない非公式戦。ここではやりたい放題とは言えないものの、少しだけ無礼講という感じでも納得のいくものだろう。
それに、選手にとってもファンにとってもこちらの方がいいに決まっている。引退試合をする選手は、余程のことがない限り9月中旬から末に引退を表明する。引退試合が10月の頭と考えると、良くて2週間しか猶予がないのだ。たまたまその日が休みで、チケットも取れた人ならいいが、ほとんどの人は2週間では日程の調整は困難なものだろう。ただ、3月末のオープン戦で引退試合をすると考えると、半年も猶予がある。それだけの期間があれば、大抵のファンは予定をすり合わせられるだろうし、選手にとってもお世話になった人達を呼んだり、生え抜き選手ではない選手に関しては更に古巣との試合を門出の場にできるかもしれない。この2点が、引退試合をオープン戦でやって欲しいという個人的な意見だ。
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