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髙橋宏斗、一発回「投」

 WBCの疲労をものともせず、6人の先発ローテーションの最後を髙橋宏が担った。初回に喫した本塁打以外、安打を打たれることなく今季初勝利と立派なものである。それでは、この未来のエースが演じた回答を振り返ろう。

脱フォークボーラー

 彼は昨季、直球とフォークボールのコンビネーションで抑えていたのだが、この球種は人差し指と中指の間を広げて投げるために手首を効かせて投げられないのだ。従って、肘の力を他の球種よりもかなり使うので故障のリスクが多いというわけだ。

 その負担から脱却をするために彼が使った変化球はカーブであった。彼の投げるカーブの特徴は他の投手の投げるようなカーブ特有のリリーフとともにポンと上がる起動がなく、スライダーのように直球と同じような出だしの起動を描くことだ。カーブで130キロも出るというところが驚きであるが、直球との球速差は20キロ。この球をチェンジアップの作用をする緩急の「緩」の球として、長く活躍できるスタイルを確立して欲しいものだ。

6回降板は「英断」か?

 この試合、6回終了時点での髙橋宏の球数は98。彼は昨季の後半から、100球を超えた次の回まで投げられる事を証明していたのだが、落合英二コーチが敢えて投げさせない方針を採ったようだ。これには色々な意見があると思うが、僕は「英断」であると感じた。

 Twitterでも書いた通り、僕は代打にブライト健太が出るまでは髙橋宏が7回まで投げるものだと思っていた。ロドリゲス・ショックに見舞われていることだけでなく、中抑えのセットアッパー的な役割をになっている救援の清水達也が東京ドームで敗戦投手となったばかり。20歳の若武者に勝ちをつけるのならば続投こそが1番間違いのない選択肢であったからだ。それを敢えて変えたのだから、負けたら批判が首脳陣に集中することは目に見えた事実。それを覚悟の上で救援陣にスイッチしたのだから並大抵の覚悟ではないことが分かる。これは立浪和義監督と落合コーチの度胸をもってしなければなし得なかった采配である。

最後に

 これでローテーションの一巡は終わった。最後の投手が髙橋宏ということは投手王国以外の何者でもなく、十分に上位浮上ができるチームであることを物語っている。あとは打線が少しだけ繋がればいいだけである。野球は投手なのだから。

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