吉田正尚、千賀滉大

 パの野武士2人がそれぞれ、ボストン・レッドソックス、ニューヨーク・メッツへと移籍した。この2人はNPBでもかなりの数字を残しているので、故障さえなければMLBでも活躍するのではないか。今回は、彼らにハイライトを当てる。

「野手」として出場できる球団に入った吉田

 まず初めに、吉田の弱点は間違いなく守りだ。肩、守備範囲ともにNPBでも上手いとは言えず、今季も主に指名打者として打に専念していた。MLBでも当然、指名打者を任されると思っていたが、所属球団がレ軍になったので話が変わったのだ。

 レ軍の本拠地はフェンウェイ・パーク。左翼フェンスのみとんでもない高さを誇るという特徴を見て、ファミスタの「ふえいふえいきゅうじょう」を思い出される方も多いのではないかと思うが、そのモデルとなったのがまさにこの球場だ。ただ、ファミスタと違うのはフェンスが高い代わりにグラウンドが非常に狭いということだ。なので、多少守備に難のある選手でも辛うじてこなすことができるのだ。なので、吉田はこれから三十路に入っていくという野球選手にとってかなり重要な時期に打って走って守る「野手」として世界最高峰のレベルでプレーすることができるのだ。自ずと選手寿命も伸びるのではないか。

 パ・リーグの錚々たるエース達と相対しているので、速い球やムービング・ファストボールに苦労することはないのではないか。ただ、唯一の不安材料は冒頭でも書いた通り故障だ。吉田は腰を痛めた経験があり、力強いフルスイングの代償は大きいのだ。ただ、3年連続で全試合出場をした実績もあるので、移籍後はより一層の自己管理に励んで欲しい。

千賀成功を確信している理由

 僕は千賀がMLBで成功しない訳が無いと思っている。これ程までに強気で表現する理由は2つある。まず1つ目はフォークボールと制球という、NPBの選手がMLBで活躍するために必要と言われている2つの要素を完璧に網羅しているということだ。特にフォークは一世を風靡したが、「お化けフォーク」という名にふさわしく本当に球に魂が籠ったような予測不能の起動を描く魔球である。田中将大のスプリットのように、1年目はもの新しさもあってこの球で三振を奪えるのではないか。

 そして2つ目はマウンド上での立ち振る舞いだ。千賀という投手はとてもクレバーで、試合中は口を真一文字に結び、勝ったと同時に少しニヤリとするだけのポーカーフェイスだ。感情表現を抑えることが暗黙の了解となっているMLBには非常にマッチするだろう。

最後に

 長々と書いたが、実力のパでしのぎを削った2人であれば活躍するだろう。是非とも日本野球ここにありという所をアメリカのファンに見せつけて欲しいものだ。

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