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【H】ミスターホークス・小久保裕紀監督誕生

 NPBの監督のブームが、「ミスター」になりつつあるのではないか。西武がミスターレオ・松井稼頭央監督、中日がミスタードラゴンズ・立浪和義監督、そしてソフトバンクが来季からミスターホークスの小久保裕紀監督となるようだ。今回は、そんな52歳の新監督への期待を書いていくこととしよう。

生え抜き育てて

 今季、ソフトバンクは大補強を敢行した。ロッテの抑えのオスナや、日ハムのエースだった有原航平、同じく日ハムのチームリーダーの近藤健介らを大胆にも引き抜いた。開幕前までは100勝近くしてぶっちぎりの優勝を果たすのではないかと言われていたが、現実はそこまで甘くなかった。大補強で獲得した個性のあるナインたちが、その個性によってお互いの個性を消しているように見えたのだ。そうでなければ、三冠王級の打者を2人擁した打線があそこまで空回りするわけが無いのだ。やはり、ソフトバンクの御家復興には秋山幸二氏や工藤公康氏が監督をしていた頃のように、自前の選手で1番から9番までを埋められ、外様の選手は外国人選手が数人しかいないというような打線を作り直さなければならないだろう。

 恐らく、小久保監督のような大選手が監督をするということは、結果が出ずとも3〜5年程は我慢して貰えるはずだ。現に、大選手だった立浪監督、松井監督は結果が出ずとも我慢の登用が続けられているのだ。しかしながら、ただベンチに座って何も改革をしないようならば数年で見切られてしまうだろう。小久保監督に求められることは、すっかりとベテランになった柳田に変わる四番打者、今宮健太に変わる正遊撃手、甲斐拓也に変わる正捕手らを養成することの他無いはずだ。二軍監督からの一軍監督、自身のように若手選手たちも「昇格」をして欲しいばかりである。

成功の鍵は「落ち着き」

 僕が中学生の頃、小久保監督は侍ジャパンの監督をしていた。WBCやプレミア12にことごとく負けていたことが印象深い。SNSやネットニュースのコメント欄を読んでいても、やはりその事を引き合いに出して小久保監督のことを「勝てない監督」と言っている人が多いのだ。この外野からの声、何とか打破して欲しいものだ。

 小久保監督が侍ジャパンの頃の失敗をしないために必要なことは、「落ち着くこと」の他ないと感じる。あの頃の采配は中学生ながらに疑問を覚えた。それまで先発しかしていなかった選手を急に救援、しかも抑えの場面で使ったり、野手でも不可解な代打が数多くあった。やはり、監督というものは一枚岩ではいけないが、一貫性は必ず必要である。そういった意味では、若手を相手投手の左右で変えたりせず、1度決めたスタンスは必ず守って欲しいものだ。チームは過渡期、ここを任された監督は苦悩するものだが、盟主巨人のユニフォームを捨ててまでソフトバンクに戻った熱いチーム愛を持った男だけに、小久保監督には根拠はないがどこか期待してしまうのだ。来季のソフトバンクは台風の目となるだろう。

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