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独断竜回顧【小笠原慎之介篇】

 久しぶりに、地元の中日について書くこととする。ご好評頂いているこのコーナー、今回はポスト大野雄大として期待される小笠原についてである。

2年連続の規定投球回

 中日の高卒選手が2年連続で規定投球回に乗せたのは誰以来だろうかと気になり、調べてみたところなんと平成18年から同19年迄の朝倉健太以来との事で驚きである。個人的にも中日は大卒や社会人経由で入団した投手が即戦力になるというイメージがあったので、これには納得だが実に15年もの間、高卒の先発投手が育たなかった環境下で小笠原は見事に大輪の花を咲かせたのだ。

 前置きが随分と長くなって申し訳ないが、本題へと移ろう。2年連続の規定投球回と言えど、昨季とは内容が雲泥の差である。昨季は早い回で降板することが多く、消化試合で何とか143という数字に乗せたのだが、今季は最後までAクラスを争うチームを牽引し、防御率も1点近く改善しての達成だ。春先にコロナに感染して、1か月も離脱しながらも長い回を投げ抜いた努力は星の数になって現れた。初の2桁勝利である。どれだけ貧打なチームでも、ここぞの場面での失点を防ぐことの出来る投手には必ず勝ちがついてくるものである。

フォームが安定

 個人的に考える小笠原飛躍の理由はこれである。華々しいデビューを飾った翌年のプロ入り2年目から昨季までの小笠原には「故障」の2文字が着いて回った。その期間中はずっとフォームが不安定で、常にグラブや肘の位置を変えていた姿は見るに耐えなかった。

 しかし、そんな小笠原が今季の後半戦からピタリと同じフォームになったのだ。少し前かがみで、見ていて惚れ惚れとする力強い下半身を目いっぱいに使った投球フォームとなったのだ。プロ入り後ずっと貫いていた西武の菊池雄星のような2段モーションも捨て、スムーズになったことで余分な力を使うことがなくなったからか、100球をゆうに超えても140キロ後半を記録する事も多くなった。来季は故障がなければ、投球回を一流の証である200に乗せ、完投を最低でも5つ以上して欲しいと思っている。
最後に

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