野球評論家を評論しよう!【東海テレビ篇】
前回はCBC解説者。今回は東海テレビだ。それでは早速やっていこう。
鈴木孝政
タカマサが嫌いな中日ファンはいないだろう。彼の解説は当たり前のことを堂々ということが素晴らしいのだ。延長戦に入ると、「ここから1点でも多く取った方が勝ちですからね」と言ってみたり、1打サヨナラの絶好機では親会社にあやかって「ここを決めたら中スポの1面ですよ」と言ってみたり。これを家族で聴きながら「ま〜たタカマサがテキトーなことを言っとるわ」とつっこむのが我々名古屋の中日のルーティンである。ただそんなタカマサも古希を迎え、ラジオの解説はやめてしまった。どらホットで若手の活躍に目を細める彼を、いつまでも見ていたいものだ。
山崎武司
山崎の解説は聞いていて非常に親近感が湧く。かなり名古屋のイントネーションで話すので、友達と野球を見ている感覚になるのが彼の良さだ。また、名古屋のジャイアンと言われるだけあって発言に責任を持つのもまた彼の良さである。「私はこう言っとったんですけど、外れてしまいましたわ」というような発言ができるのは公共の電波で発言をする人間として非常に大切なものだと感じる。
福留孝介
福留も山崎同様に、現役時代のイメージそのままの解説をする。打席内での読みを緻密に解説したり、それを利用して逆算するように投手の攻めを考察したり。タカマサや山崎とは違った楽しさのある解説者だ。ただ、采配面の事を聞かれると少し歯切れが悪くなるのもまた面白い。上下関係がしっかりしているPL学園の大先輩が監督なので、下手なことは言えないのだろう。
権藤博
弱い弱いといいながらも、本当は中日のことが大好きなツンデレおじいちゃんだ。中日横浜戦の古巣対決を解説する際は、両軍に愛のある喝を入れるなんともカオスな雰囲気になる。85歳になりながらも記憶違いのほとんどないので、しばらくは引退の2文字とは無縁だろう。SNSでは辛辣な解説を批判するアカウントも多いが、「ダメなことはダメと言わにゃイカンですよ!」というコテコテの九州男児節をいつまでも続けて欲しいものだ。
岩瀬仁紀
この人の凄いところは、投手で2人だけの400という数字の責任投手を記録した大選手でありながらも驕り高ぶることが全くない事だ。アナウンサーへの物腰も低く、聞いていて不快な場面がない解説者だ。
また、僕が岩瀬の解説でもうひとつ好きなところが采配を解説する場面だ。とにかく手堅い戦術、手堅い継投を好む場面が多い。やはり落合博満監督の教え子だけあるなと感じる。将来監督になっても、知将となるのではないか。
山本昌
前述の山崎とタッグを組み、「やまやま話」としてYouTuberの側面も持つ山本昌はやはり経験が違う。衣笠祥雄から大谷翔平まで、自らの対戦経験で語れるのは彼以外にいないだろう。
彼の解説は聞いていて飽きない。高速化が進む投手の球速帯には「スピードガンの測り方を変えたんですよ。僕達の頃は終速だったのを初速にね。」と一蹴したり、行き過ぎた投手分業制をズバリ批判したりと東海テレビの小松辰雄的な役割を担っている感じがある。普通に球界のタブーに切り込める良い解説者だ。
谷沢健一
東海テレビには珍しい全国区の解説者。中日戦以外のカードをフジテレビ系で多く解説することもあって、在名メディアにありがちな中日びいきがほとんどなく聞きやすい。「スマイル谷沢」と呼ばれることもあるが、にこやかに厳しい解説をズバズバというので聞いていて爽快なものがある。
最後に
次回はこのシリーズの最終回。現在は鬼籍に入られてしまった方やユニフォームを着て解説席から離れてしまった方を評論しよう。
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