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【散文】本を書く〜シロクマ文芸部〜

本を書く、
というのは正直あまりピンとこない。

私は本を読むのが好きだし、
文章も書くけれど、
本と言えばまず、
作るものだと認識している。

それも、
内容ではなく外観の話で。
要は、ハードカバーフェチなのである。
そんな言葉が世間一般に
浸透しているかどうかは知らないが
まあ、イメージはしていただけるかと。

そしてそれも、
年季の入ったという修飾語が
ぴったりなものほどそそられる。
そう、アンティークの本とか。

長い時間を経て、
薄汚れて傷だらけで、
けれど見まごうことなきゴージャスな、
まさに「宝」的オブジェ、
それが私にとっての本。

古い製本のチュートリアルとか、
何時間でも見ていられる自信がある。
活版印刷技術に
書体に挿絵に
紙の素材切り方綴じ方に
表紙の硬さ厚さ手触りに。
本が出来上がる工程に異様な程に興奮する。

それが変態であるか偏愛であるかはさておき、
私が本を作るとなったらそれは多分一冊で
絶対売り物にはできない代物だろう。
しかしいつかは作ってみたい
そんな渾身の一冊。

そうそう、そう言えば、
ドールハウス内の本を作りまくった。
折りたたんだ紙(もちろん文章あり)をプレスして、
プリントアウトした表紙をつけるのだ。
背幅はもちろん重要、見返しの色も大事。
そして!
それを本棚に並べる瞬間の喜びと言ったら……!

これはもう3年前なので今では部屋はガラリと様変わり。チェス盤とか額とかオルガンとか大きなテーブルとか窓際の椅子とか、ぎっしりあれこれ入って理想の紳士な「書斎」へと邁進中。

ああ、そうか、そうだったのか。
と、ここでようやく思い至る。
私はそう簡単に本を作ってはいけないのだ。
そう、だから、今は本を書こう。
それらをまとめて「私の宝」に仕上げる日まで
最高の1冊を想像しながら日々貪欲に
本を書く。


今週はもう文章云々ではありません。
性癖カミングアウトですね!
でもまあ、それもいいのでは。
小牧さん、ありがとうございました!
ハードカバーフェチのみなさん、
ぜひぜひ仲良くして下さいꉂꉂ(๑˃▽˂๑)

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