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その4 花が咲くから石をお願いします

根っことの戦いの後、しばし休憩中の私の横で、バラたち著しく成長。
さあさあ、花が咲く前に、もう一仕事しなくてはいけません。
特にノイバラはこの時期だけですから、ぐずぐずしてはいられません。

必死でならした地面に、まずは雑草除けなどの効果があるクロスを敷き、
その上に小石をのせていきます(後で反対だったことが判明、汗)。
庭の石畳やパティオなど、自分で作る人たちも多いですから、
お店には実に様々な石やタイルやブロックが用意されています。
私はピンクのものを選びました(ほぼ見えなくなるけれど)。

その上に砂を入れていきます。フラット面をより安定させるためです。
写真で見るとそうでもないように思えますが、これがまた結構な量なのです。撒くのも大変でしたが、買った後、車に積むのが大変でした(苦笑)。
真ん中に見えているものが、今回のフロアーになるブロックです。
実際に並べてみて、縦横、必要な幅を最終チェックしていきます。

そしてこれが、今回の最難関!コンクリートブロック様のご登場!
16インチ(約40cm)四方のこれはコンクリートを染めたものです。
重さは33ポンド、そう約15キロ。それが25枚!!!!!(←自分で決めたくせに)
つい、うおぉ〜と叫んでしまったのは、まぎれもない真実です。
淑女ぶっても仕方がありません。力技には雄叫びです、いやマジで。

そんな大仕事の後には癒しの甘露。今年初のイチゴ、ありがたいです。

そして、膨らみ始めたノイバラの隣では、ブラックベリーも次々に開花。
同じバラ科の5枚の花弁、けれど色はピンクでなんとも可愛い。

そしてそして、6月の声を聞けば、ノイバラはいよいよ満開です。
色づき始めたシャーロットの向こうに揺れるノイバラと新しいブロック。
とにもかくにもガーデンフロアー、間に合ってよかったとしみじみ。

フロアの周りにエンディングブロックを立てていかなければいけませんが、
同時に、ガーデン内に配置する家具のバランスもチェック。
どうやら4人用のテーブルや椅子ではちょっと窮屈な感じです。

ということで用意したのがこれ、アイアンのビストロセット。
フェンスに合わせて黒にしましたが、スタイルはちょっとフェミニンに。
真っ白なノイバラやタンのフロアーによく似合うと自画自賛(笑)。
ああ、花の季節に並べることができて、本当に良かった。
(しっかり4人用でセットすることも可能です、お客さまたち御安心を)

6月はバラの月、フェンス前のシャーロットにクレアも次々と開花です。
2015年、2年目の春。こうやって写真を見直すと本当驚かされますね。
花をたくさんつけてくれていますが、うあ〜、まだまだ小さい!
そして、ご覧ください、このクレアの足元!
そう、これがイングリッシュローズの特徴なのです。これでもかの潔さ。
咲ききって、豪快に散る!残念だという声も聞きますが、私は好きです。

そんなバラたちですから、私もついつい最後まで見守ってしまうんです。
もちろん次の蕾を助けるために、崩れ落ちそうな花を切ることもあります。
そんな時は足元に(ここではゲートのポットの前)そっと置いておきます。
そう、ダメなんです、ゴミに捨てられないんです。
朽ち果ててしまうまで見ていたい、ロザリアンの尽きぬ愛と欲望(笑)。

でもこの時、美しいと思いながらもある言葉が浮かび上がってきました。
それは「葬送」。決して良い響きではないんですが、なぜか無性に。
けれど、花たちが寄り添って色を重ねる姿には悲しみのカケラ一つなく、
私はこの一枚の絵のような光景を、永遠に胸に閉じ込めるのだと思いました。そしてこの秋、私はウィルと永遠のお別れをすることになったのです。
マゼンタの微笑みは、私にずっと語りかけてくれていたのかもしれません。

始まりは別れで、別れは始まり。繰り返される命の営みの中で、
少しでも輝いていられるように、精一杯毎日を満喫したいですね。
さあ、少し時間は空きますが、ローズガーデンはまだまだ進化します。


*ローズガーデン完成への道はマガジン"A Way to My Rose Bower"に
 まとめてあります。興味のある方は前の回も読んでみてくださいね。

サポートありがとうございます。重病に苦しむ子供たちの英国の慈善団体Roald Dahl’s Marvellous Children’s Charityに売り上げが寄付されるバラ、ロアルド・ダールを買わせていただきたいと思います。