見出し画像

番外編その5 ローズはローズですがクリスマスローズ、ヘレボルス・ニゲルです

すっかり花がなくなって棘と葉を楽しもう月間のようになっている私のローズガーデンです。10月の終わりに原種のチューリップ、オキュラータを追加で植えたあと、もう一つ二つ何か球根をと考えていたのですが、思っていたものを買えず、諦めた頃に手に入れたのはアネモネ。さあ植えるぞと思っていたのに翌日から零下。

流石に庭仕事はきついので、気温が上がるのをジリジリ待っておりました。そして昨日、ようやく14度になったのでそそくさと、40球をアーチのつるバラの周りに植えました。ちょっと浅く植えすぎたかな?リスたちの「ここに埋めたかなあどんぐり。ホリホリしてみるか!」が怖いので、土を戻した上を固く踏みしめて、さらに落ち葉をかけておきました。

その時、これでもかと落ち葉が降り注いでまるで廃墟のようになっていたローズガーデン内をチェックしたのですが、おおっ!素敵なものを発見しました。クリスマスローズ、ヘレボルス・ニゲルです。

画像1

クリスマスシーズンの鉢植えとして人気のこの花を買ったのは2015年。どれにしようかと物色中の私に隣に並んだおばあちゃんが教えてくれました。花を楽しんだ後、春になったら庭に植えてあげればいいのよ。大きくなるわ。

そうなんです、こちらでは楚々とした花・クリスマスローズというよりは結構大きくて強くてゴージャスなヘレボルス、というイメージが一般的。BBGでもたくましく育っている姿をよく見たものです。そうかそうか、私も庭に植えよう。

そして2016年の春、リンゴの隣に移植。ダイニングルームの窓から真正面に見える生垣の下でした。半日陰がいいだろうと判断したからなのですが、ここ、そんな生易しいものではなかったのです。上の木がどんどん生い茂って覆いかぶさって、ついには見えなくなってしまいました。

これはまずいと思って生垣の下枝を切り、青息吐息のクリスマスローズにとりあえず空間を提供したのですが、気を抜くとどうしても押され気味。大きく成長するとかありえませんでした。

そんな夏をどうにか乗り切って秋を迎え、やがて上の木々が落葉して環境も幾分良くなったため、株も少し大きくなりました。そしてその名の通り、まさにクリスマに開花したのです!買った時のような大きさも華やかさもありませんでしたし、そのちょっと前に雪が降って花びらも傷んでいましたが、私、もうもう感動。

画像2

ここで大きく育ってねと心から思いました。けれど、そこで大きく育ちたかったのは生け垣も同じ。結局生存競争は熾烈を極め、小さなクリスマスローズはその後も水切れを起こしたり日照不足に悩んだりと散々でした。さらには雪にすっぽりと覆われてしまい、翌年は花をチェックすることも叶わず。

そうしてすったもんだの2年が経過。ついに私も決断しました!クリスマスローズのお引越し。株には負担をかけてしまいますが、この先のことを考えるともう今しかない!よし次の年の春がきたら!そう決めたのです。

そんな2019年早春、悲劇が起きました。振り返れば2019年、なんだか野生動物たちに振り回された年。それはその幕開けだったのかもしれません。ようやく芝生が緑に見え始めた頃、野ウサギたちが頻繁に行き交うようになりました。それ自体は別に珍しいことではありません。けれど、ある朝私は見てしまったのです。

私のクリスマスローズを食べている野ウサギを!慌てて走り寄れば、ああ無残。すっかり茎だけになっているではありませんか!さらに翌日には、その茎さえも食べられてしまい、どこにあるのかさえも怪しくなってしまったという・・・

キンポウゲ科ですよ、有毒ですよ!ロングアイランドの野ウサギは毒に強いんですか?特殊体質なんですか?いけないものが好きなんですか?激しく疑問が渦巻くものの、やられてしまってからではもう後の祭り。

とにかく新芽が出ないことには掘りあげることもできず、できたとして果たしてこんな状態で新しい環境に耐えられるのか?いや、まさか、このまま終わってしまうとか……。

かなり諦めムードの中、それでも株が生きていることを願い、野ウサギを警戒して残りの茎の上に落ち葉をかけてカムフラージュしたりとチェックを続けます。日が当たるようにと生垣も、今まで以上に切ってみたりしました。頑張って、頑張って、頑張って!

そんな私の願いが通じたのか、クリスマスローズ、まさかまさかの急成長!1ヶ月後には元の大きさに戻った株を私は生垣の下に潜り込んで掘り起こし、移植させることができました。

お引越し先は私のローズガーデン、夏はノイバラの影になる場所。バラ科ではありませんが、同じ「ローズ」仲間。きっといい感じにまとまってくれるのではないかと夢を膨らませます。まずはゆっくりこの場所に馴染んでくれれば。

夏の間、順調に葉を茂らせましたが、さすがに目に見えて大きくはなりませんでした。それはそうですよね。うんうん、想定内です。そして秋バラの少なさに私が嘆いているうちにすっかり株は落ち葉の下になり……。

今日、ふと思ってそれをかき分けるまで忘れておりました(ごめん)。そこにあったのはたくさんの蕾!今年は咲かなくて当たり前だなんて思っていたのに!でもそうですよ、野ウサギに食べられても1ヶ月で復活した強者です。たとえ株は小さくても可能性はあったわけです。

画像3

フロアーの落ち葉を集めてきれいにお掃除したローズガーデン、野ウサギたちが侵入しないようにゲートも閉じておきました(しかし実は裏側から入られてしまうんですけれど、まあ気休めでも)。開花まではまだ時間がかかりそうですが、耐寒性は抜群ですからね。きっと綺麗な花を咲かせてくれるでしょう。楽しみです。


*ローズガーデンのあれこれはこちらのマガジン*




サポートありがとうございます。重病に苦しむ子供たちの英国の慈善団体Roald Dahl’s Marvellous Children’s Charityに売り上げが寄付されるバラ、ロアルド・ダールを買わせていただきたいと思います。