白鳥との遭遇はファンタジーへのいざない
もうずっとずっと前のこと。
初冬の、霧雨降るロンドンの公園で、
小さな川の流れを見ていたことがある。
そのとき何を思っていたか?
もう思い出すことはできないけれど、
川面から顔をあげた私は、後ろ向きのまま数歩下がった。
ドンとなにかにぶつかった。
Sorry! 慌てて振り返ったら、それは白鳥だった。
よろけた風もなく、どっしりとそこにいる。
黒曜石のような瞳が私を見ていた。
まっすぐ私を見ているようで、とらえどころのない目だった。
一旦は見つめ合ったものの、なんとも