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Story 全国のコミュニティホスピタル

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全国各地で増えているコミュニティホスピタルの仲間の取り組みをご紹介します。
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#デザイン

コミュニティホスピタルにおける認知症患者さんとの向き合い方

ここまでコミュニティホスピタルが取り組む「認知症にやさしいデザイン」、認知症を当事者目線で理解する「認知症AR体験DemantiaEyes」の紹介を行ってきました。今回は全4回のまとめとして水海道さくら病院の取り組みを振り返ります。 1 コミュニティホスピタルが認知症患者と向き合うべき理由 高齢化が進展するにつれて、認知症者数が増加することがわかっていますが水海道さくら病院の周辺地域でも同様の傾向があります。地域全体の人口は今後縮小の傾向にありますが、高齢者人口や認知症者

当事者目線の共感と理解/認知症AR体験(認知症に優しいデザイン3)

前回までの① ②では認知症にやさしいデザインについてご紹介してきました。3回目の今回は、医療や介護に従事している人たち、また一般市民の方々にとっても、当事者目線で考えるきっかけづくりとなる、認知症AR体験「Dementia Eyes」を紹介します。 認知症は身近なことであり、私たちの身の回りでも多くの方が認知症とともに生活をしています。私たちは認知症AR体験は知識レベルだけではなく、認知症体験を通して具体的な困難を理解し・共感することで、実践に移るための最初の一歩になると考え

その人が持っている能力を引き出すためのデザイン(認知症に優しいデザイン2)

前回は、認知症に優しいデザインの背景や考え方について解説しました。今回は、水海道さくら病院での実績を踏まえて、医療機関や高齢者施設への導入事例を紹介していきます。 皆さんの中にも、例えばホテルなどで自分の部屋がどこかわからなくなった経験や空港やデパートでトイレの場所が見つけられない経験などをした人がいると思います。場所の手がかりは、探さなくてもパッと自然に目に入ると良いと思いませんか? 1 扉(ドア)を認知症に優しいデザインにする すぐにわかって欲しい場所、例えばトイレ

コミュニティホスピタルの認知症ケアのアプローチ(認知症に優しいデザイン①)

こんにちはCCH協会の草野です。みなさんは「認知症に優しいデザイン」をご存じでしょうか?コミュニティホスピタルが向き合う重要な課題の一つとして認知症ケアがあります。 水海道さくら病院では、2022年から認知症ケアを強化するためのプロジェクトが始まっています。その中で、デザインからアプローチを行う新たな取り組みについて数回にわたりご紹介させていただきます。 認知症とは? 認知症は、脳の病気やさまざまな原因によって脳の働きが低下し、日常生活や社会生活を送るうえで支障が出てくる