梨間キツツキ

小説を書いています。 趣味で漫画紹介とかします。

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最近の記事

兼福リョウの除レイ事件簿 第一話

 それは、小さなマッサージ店。  なんの変哲もない個人店のはずですが、町の人は口を揃えて言うのです。  『身体の不調と悪霊退治は兼福按摩へ』  商業ビルの一階、『兼福按摩』の表札が下がった店舗の中。クリップボードの裏面を指先で叩きつつ、マッサージ師・兼福リョウはカルテを読む。 「えーっと……この『肩の重だるさが取れない』というのは?」  リョウの質問に、20代くらいの女性客は肩を摩って答える。 「えぇ……、一ヶ月くらいずっと肩が重くて……。マッサージ機とか整体とか色々試し

    • 兼福リョウの除レイ事件簿 第二話

       兼福按摩、事務所内。  ソファに座ったリョウは、クリップボードの裏を叩いて唸る。  向かいに座る依頼人・米城コウは、ゆったりと背筋を伸ばしている。  首には、ネックレスのようにお守りが下がっていた。  リョウは額を指で叩くと、もう一度カルテに目を落とす。 「『米城さんは、幼少期から酷い不幸体質だった。昔から様々な事故やトラブルに巻き込まれていた』」 「はい、そうっすね」  コウが頷いたのを確認し、続ける。 「『10年ほど前から、守護霊に憑かれている』『霊は自分を守ってくれて

      • 兼福リョウの除レイ事件簿 第三話

        『繧ヲ繝ゥ繧。――――ッ!!!』  振り上げられた悪霊の拳が、アキラ目掛けて振り下ろされた。  落とされた鉄槌をアキラが両腕で受け流し、着弾した地面で土埃が吹き上がる。 「えっ、何!?」「うわっ、今爆発した?」  何も無い場所が急に爆ぜたように見えたのか、公園の利用者達がザワザワと困惑し始めた。 『繧「繧。……縺ェ繧薙□繧。……!?』  奇怪なものを見る視線を苛立ったように見渡す悪霊。ワナワナと身を震わせ、思力を膨れ上がらせていく。 「え……何、あれ……?」 「いやっ、何かの

        • 『異世界サムライ』レビュー

          どうも、梨間キツツキです。 「そこまで数多くはないけど一定の人気がある漫画タイプ」に、『主人公がイカれてる漫画』というものがあると思います。 イカれた奴がイカれた理由で善行をなす、その姿に痛快さを見出す読者も数多くいるのでしょう。 えぇ、僕も好きです。 そんな皆様におすすめする漫画が、『異世界サムライ』。 齋藤勁吾先生による、異色の異世界ファンタジー漫画です。 あらすじ 侍としての生と死を望む少女・月鍔ギンコ。 関ヶ原の合戦に先鋒隊として出陣したギンコは鉢金に鉛玉を喰らっ

        兼福リョウの除レイ事件簿 第一話

          『合コン行ったら女がいなかった話』レビュー

          初めまして。文字書きのタマゴ、梨間キツツキです。 文字書きたるもの、性癖は前面に押し出して作品を作るべき。 むしろ場外まで押し飛ばすレベルで反映させろ、性癖はソイツの全てを反映させる。ちなみに俺はタッパとケツのデカい女がタイプだと、呪いのドルオタゴリラも言っていました。 そこまで言われてしまえば、こちらも性癖開示するべきでしょう。 僕は、『イケメン女子』が大好きです。 女性の美しさを持ちながら男性の強さを兼ね備えた、そんな人が大好きなんです。 そんな女性が好きな人、結構いるん

          『合コン行ったら女がいなかった話』レビュー