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第84号(2020年5月25日) ゲラシモフの「間接行動戦略」から考えるロシアのリビア介入


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【インサイト】ゲラシモフの「間接行動戦略」から考えるロシアのリビア介入

 ロシアがリビアに戦闘機部隊を展開させたのではないかという話がこの数日、注目を集めています。
  米『ニューヨークタイムズ』によると、過去2週間にロシアの国籍マークをつけたMiG-29戦闘機とSu-24M戦闘爆撃機14機がシリアのフメイミム空軍基地(ロシアが49年間租借している中東における最大の軍事拠点)からリビアのアル・ジュフラ基地に展開したとのこと。
 このことは米アフリカ軍(U.S. AFRICOM)も認めており、5月26日のプレスリリースではロシアが肩入れしてきたハフタル将軍のリビア国民軍(LNA)に対する近接航空支援を目的としたものだろうと評価されています。
 さらにこちらのサイトにはAFRICOMが公表した飛行中のロシア空軍機の鮮明な写真が掲載されており、どうやらロシアがリビアへの直接軍事介入に乗り出したことはたしかなようです。今日27日(また発行が遅くなりすいません)の時点ではまだ空爆の事実は確認されていませんが、おそらくはそうした事態に至るのは時間の問題でしょう。
 また、これらの写真を見る限りでは、Su-35S戦闘機やSu-34戦闘爆撃機もリビアへ向かっているようです。

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