見出し画像

みんなどうして寄付するの?変わる“寄付行動と心理”を探る

寄付って、昔はなんだか”慈善事業”や”自己犠牲”、”清貧”みたいなイメージが強かったように思います。でも、最近変わってきているのは、誰もが感じていることのはず。今回は、そんな”寄付”についてみていきたいと思います。

最近のニュースでいえば、7月24日に前澤友作さんがkifutownという個人間で寄付をし合えるサービスを立ち上げられていました。

既存のクラウドファンディングとは逆に、「こんな人に寄付したい!」という寄付者側がプロジェクトを立ち上げ、そこに寄付を受ける側が応募する仕組みのようです。
初回のキャンペーンもあって、ローンチ1週間で50万ダウンロードと、大きな盛り上がりを見せているようです。

このように、最近はいろんなサービスによって、“寄付”がとても身近になったように感じます。

ふるさと納税や、クラウドファンディングはもちろん、SNS上の投げ銭機能などのサービスも、寄付の一つかもしれません。
そしてplanningnoteを運営しているCCCマーケティングのグループ会社、株式会社Tポイント・ジャパンでも「貯まったポイントが自動的にクリエイターなどへの寄付になる応援Tカード」という仕組みを作りました。

日本ファンドレイジング協会が出している寄付白書によると2016年時点(少し古いですが、現時点で最新)で、個人寄付は7,756億円。2009年の5,455億円と比べると、少しずつですが、上がっていっていることがわかります。

では、”寄付をする”という行動や心理にどのような変化があったのか、新しいサービスを通して少し探ってみたいと思います。
何年か前は、電車やテレビ広告、テレビ番組などがきっかけとなって、国内/国外の社会問題やそれに取り組む団体を知り、webで調べ、その団体へ寄付をする、という流れが王道だったかと思います。そこから、先ほどあげたような様々なサービスが出て、寄付先を知る接点が増え、寄付先の種類が豊富になり、社会問題まではいかない「個人の困っていること/チャレンジ」にもいわゆる”応援”という形での寄付ができるようになりました。

ここから、現在の“寄付”を3つのポイントにまとめてみました。

◯活動側の思いや行動が見えるようになった
様々なサービスや、SNSにより、「活動側(個人・団体)の思い/行動」を”深く”そして”継続的”に知ることができるようになりました。
普段の発信内容、具体的な行動など、解決する問題やチャレンジ内容と同じくらい、「活動側の人柄」が見られるように/見えるようになりました。だからこそ、それがきちんと伝わることが信頼感にも繋がり、「応援したい、寄付したい」というモチベーションにつながりやすくなったのかもしれません。

◯”貢献の実感”しやすさ
ライブ配信中の投げ銭機能は、配信者から直接お願いをされ、投げ銭に対してリアルタイムで「ありがとう」を言われているような気持ちになり、寄付側の満足感が高いように思えます。また、クラウドファンディングは、「応援金額の達成率◯%」と、寄付額が小さくとも、達成のために力を貸してあげられた、自分が役にたてたという気持ちに、少なからずなるのではないでしょうか。
自分が誰かの役に立てている気持ちは、寄付者側の貢献欲を満たしてくれる大事な要素だといえます。

◯寄付の”手軽さ”
スマホ一つで「いいな」と思った団体や個人に寄付できる、お買い物でポイントを貯めるだけで寄付になる、数百円レベルから参加できる、そんな手軽さが、「団体を厳選し寄付額を決めて、申し込む」という、従来の高かったハードルをひょいと飛び越えられるようになりました。アクションの手軽さは、心理的なハードルもグッと下げてくれます。

欧米と比べると寄付額も低く、寄付文化が根付いていないと言われる日本ですが、ここから「寄付」がもっと多くの人の選択肢に上がり、それによって多くのチャレンジがサポートされる世の中になったら、とても素敵だなと思います。