第二十六回『しちけんのじょうけん』
今回は七剣たちの解説です。
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コーホー
コーホーという呼吸音は、某世界的大人気SF映画の超有名ヴィランの呼吸音をオマージュした漫画的お約束として、さまざまな作品で見かけるかと思います。
でも、個人的には昔からそれが謎でした。
少年時代、元ネタをモノマネしようとして気づいたのですが、コーホーにはならないのです。
呼吸音なので、息を吸い、吐くという動作になりますから、「カ・ポー」みたいな音になるのですね。
コーホーだとすると、どちらも息を吐く音ということになります。
ただ、コーホーは不気味でカッコイイと思うので、どうしても自作で使ってみたい。
そこで、吐く音だけであることに理屈付けをして作ったのが金曜十三です。
「コ―」、「ホー」と言うのはそれぞれ異なる古武術の秘伝の呼吸法であり、彼は生まれながらにそれらを習得しており、ゆえに並外れて強靭な肉体を備えている、という裏設定にしました。
なお、息を吸うタイミングは「コー」と「ホー」の間です。
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七剣の条件
この段階で出すかは迷ったのですが、この解説まで読んでいただけている読者の方には設定開示しちゃいます。
これ実は、間違ってもいないものの、正確ではありません。
万象は「執着が満たされた状態こそ彼らにとっての正常な状態」であり、七剣の執着の強さは、彼らにとっての正常性への回帰のためと解釈しました。
世界がどうだろうと気にしない四剣豪と、執着の実現のために世界の方を力で変えようとする七剣、いずれの精神の強さも施術に耐える資質と万象は考えたわけです。
しかし、実際には、「人生を決めた」のが四剣豪であり、「人生を投げた」のが七剣です。
七剣は執着が過ぎるあまり人生を投げ出した(己を捨てた)者であり、一番わかりやすいのは銅鑼六で、「派手な死に場所」を己の命より優先しています。
どこか捨て鉢だからこそ不死の肉に抵抗がなく、万象の施術に適合しました。
逆に四剣豪は、自我が極めて強いので、不死の肉に抵抗して打ち勝った者たちです。
石谷村の村人たちは、不死の肉を受け入れることも、打ち勝つことも出来なかったので死んでいったのです。
万象は人の気持ちがわからないので、人の心を表層的にしかとらえられていないのですね。
ちなみに、百足大夫は未練の塊のような人間であり、何一つ捨てることはできないため、七剣のようには施術に適合しませんでした。
そのため拒否反応が出る可能性があり、改造箇所は自切できる仕組みでした。
さて、次回、第二十七話ブログは10月2日(水)、『しごにんの侍』第二十七話はその前週、9月25日(水)に公開予定です。
また現在、電子第四巻が発売中です。よろしくお願いします!
といったところで、今回ここまで。また次回のおたのしみ。