第七話「ばつばつ」
三脚殺法
二郎長の三脚殺法もまた、足を接がれてから生み出されたもの。
ただ、基本的には三脚でなくても出来る技が中心で、三脚により、人類の域を超えた加速度を手にして強化されたものになります。
この辺り、発想自体がどうかしている武蔵四郎や三之助より、彼はまだ常識的かもしれません。
「さつえい」、「いちがん」、「ぼうえん」というように、カメラに由来する技名ですが、これは三脚から連想される駄洒落です。
もちろん、この時代にはカメラ自体が存在しないので、二郎長に駄洒落趣味があるわけではなく、筆者が駄洒落好きなだけです。
三之助の早すぎる言語センスとはまた違って、硬質な漢字の組み合わせが、たまたま未来のカメラ用語と一致した、とお考え下さい。
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天伐
×の字に斬っているので「てんばつ」。
二刀で成立するのにどこが三示現流かと言いますと、×の字の勢いで相手のガードをこじ開ける技で、三刀目でとどめを刺せる構造になっています。
この場合、体重差や武器の性質、タイミングなど重なって相殺されているので、連続攻撃に移行していませんが、牽制にも崩しにもとどめにもなるため、武蔵四郎的には使い勝手がよい技のようです。
「とりあえずビール」感覚で使う技ですね。
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たまや
「たまや」、「かぎや」と言えば、花火の際に呼ばれる屋号。
ただ、玉屋の創業はもっとあとの時代です。
本来おかしなセリフなのですが、この世界ではもう打ち上げ花火は一般的という設定にしています。
どうやら、火薬まわりはちょっとだけ現実の歴史よりも進んでいるようです。
ということは、火薬を使うあの武器も、もしかしたら……?
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動力は?
このチェーンソーの動力は電気です。
そのため、戦闘後には充電切れで動かなくなりました。
ちなみに、武蔵四郎も五子も充電切れという概念が理解できず、ぜんまいが切れたくらいに考えています。
それはさておき、巨人兵の背後にいる存在は、電気についても知識があるようです。
この武器が誰かの手に渡っても使うことはできないとふんでいたのかもしれません。
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何語?
おっさんばかり登場するこの漫画に、久しぶりに女性キャラクターが登場。ヤッター。
二郎長のセリフからはどうやら、姫らしいのですが……?
詳しくは8話を読んでいただくとして、この「はすた」について。
これは方言だとか古語ではなく、ラテン語です。
同じく「どらこぉ」もラテン語で竜を表すもの。
この姫様は、南蛮かぶれのようです。
さて、次回、『しごにんの侍』第八話は9月20日(水)、ブログ第八回は翌週9月27日(水)に公開予定となっています。
といったところで、今回ここまで。
また次回のお楽しみ。