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クラフトビールの種類(編集中)

クラフトビールの種類(タイプ)ってどのくらいあるの? 
一体何を選べばいい?

シンガポールの高層ビル最上階にある醸造所 "LEVEL 33"からの眺め

ビールの種類(タイプ)はビアスタイルと呼ばれます。現在、世界には150種類以上のビアスタイルがあるといわれていますが、発酵方法で大別すると以下の3種類に分けられます。

発酵法による分類

上面発酵ビール(エールビール)
上面発酵酵母(エール酵母)を用いた古くからのビールの造り方。上面発酵酵母は酵母が麦汁の表面に浮き上がっていくのでそう呼ばれる。常温〜やや高温で発酵し、発酵期間は3〜4日。(その後の熟成期間は約2週間)

下面発酵ビール(ラガービール)
中世以降始まった造り方で、酵母がタンクの底に沈んでいく下面発酵酵母(ラガー酵母)を用いる。5度前後の低温で発酵し、発酵期間は7〜10日。(熟成期間は約1ヶ月)

自然発酵ビール(ランビックなど)
培養されていない空気中に漂う野生酵母を利用して、自然な環境のままで発酵させるスタイル。今では数多く造られていない。代表的なものにベルギーの「ランビック」という種類(スタイル)のビールがある。野生酵母を使わず、フルーツから採取した天然酵母を使用したビールもある。

ビアスタイル

代表的なビアスタイルをご紹介します

ピルスナー Pilsner
淡色の下面発酵ビールで、爽やかに立ち上がるホップの香味とスッキリした喉ごし、柔らかな苦みの口当たりの良さが特徴。世界中で最も普及しているビールで、従来からある日本のビールは殆どがこのタイプ。さっぱりとした料理や和食によく合う。チェコのピルゼン地方で生まれたピルスナーウルケルがオリジナル。

ヴァイツェン Weizen
小麦麦芽も使用した南ドイツ伝統の上面発酵ビールで、その見た目からベルジャンホワイト等とともに白ビールと呼ばれる。バナナやパイナップルを思わせるようなフルーティな風味とほのかな酸味のあるものが多く、ビールの苦みが嫌いな方におすすめ。ヨーロッパ発祥で中世から作られていると言われている。へーフェヴァイツェン(Hefeweizen)の”Hefe”はドイツ語の”酵母” のことで、濾過していない白ビールのこと。

セゾンSaison
小麦由来の爽やかな酸味と酵母由来のやさしい風味が感じられるビール。ベルギー南部のワロン地方で造られていた。農業の閑散期に仕込み、夏の農作業の合間にのどを潤すために造られていたため、比較的ボディや飲み口が軽いものが多い。現在は様々な解釈で多種多様なセゾンビールが造られている。

エール Ale
 イギリスの伝統的な上面発酵ビール。中濃色でキレと苦みのバランスがとれた豊かな味わいと芳醇な香りが特徴で、牛肉やソーセージ、洋風な濃い味付けの料理に良く合う。食後にゆっくり楽しむのもお勧め。ホップの香味を効かせたペール(Pale)エール、ホップの香味を抑え麦芽の香りを出した穏やかなマイルド(Mild)エール、これより色の濃いブラウン(Brown)エール、濃厚なエキスポート(Export)エール、ホップの苦味の効いたビター(Bitter)エール、スコットランドの濃色濃厚のスコッチエール等がある。

アンバーエール(AMBER ALE)
ロースト麦芽の風味としっかりした苦みのある琥珀色のビール

インディアペールエール(IPA)
大量のホップによる華やかな香りと濃厚な味わい、重みのある苦みが感じられるビール。
18世紀末、英国から植民地のインドに滞在する英国人にペールエールを送るため、防腐効果の高いホップを大量投入して長距離輸送を実現したことで生まれたビール。
パンチのある味と香りは他のビールを味気なく感じさせるので、いろいろなビールを楽しみたい方は後半に楽しむのがお勧め。

ポーター Porter
 焙煎したモルト(麦芽)由来のコーヒーやココアを思わせるロースト香と濃厚なホップの苦味がある上面発酵の濃色ビール。ロンドンのポーター(荷物を運搬する人)が好んで飲んだところから、この名が付いたといわれている。1722年にロンドンでつくられてから急速に発展したが、19世紀中頃にスタウトが現れて衰退した。近年のビールブームで再び脚光を浴び始めている。

スタウト Stout
ポーターと同じくローストした黒麦芽で醸造した上面発酵ビール。1847年、イギリスで原料に砂糖の使用が許可されたので、ポーターの製法で原料の一部に砂糖を用いてつくられた。アイルランド、ダブリンのギネスを代表とする濃厚でホップの苦味の強い濃色ビールの他、スイート(Sweet)スタウトと称する低発酵性の甘いスタウトもある。

アメリカンウィート American Wheat
アメリカ生まれの小麦を使用したビールで、上面発酵スタイルと下面発酵スタイルがある。小麦麦芽はタンパク質の含有量が高いため、大麦のみのビールに比べると、まろやかで優しい口当たりになる。タンパク質から作られる華やかなエステル香(酵母がつくる香り)も特徴。1970~80年代に生まれた比較的新しいスタイルのビール。

ベルジャンホワイト
ベルギーのヒューガルデン村で14世紀から醸造されていたビールが発祥。小麦麦芽を使用した上面発酵ビールで、その名のとおりの白っぽい見た目となっている。コリアンダーとオレンジピールを使用したフルーティな風味が特徴的で苦味が少ない。

アルト Alt
ドイツのデュッセルドルフで発展した濃色ビールです。ホップの香味を効かせたのが特徴で、ほぼ英国産のエールに相当します。アルコール分は4.5~5.5%。上面発酵ビール。

ケルシュ Kölsch (Koelsch)
上面発酵酵母を使い低温熟成したビール。フルーティーな香りと、すっきりとした味わいが特徴。ドイツのケルン特産の淡色ビールで、製法、香味ともアルトに似ているが、淡色麦芽だけを用いるので色は薄くなっている。アルコール分は4.3~5.0%。

デュンケル(ラガー) Dunkel
デュンケルとはドイツ語で「濃い、暗い」の意味で、その名のとおり琥珀色をしたビール。ドイツ南部発祥で、カラメルのような香ばしさがありながらもサッパリとした後味の余韻が楽しめる。

ンビック Lambic
 ブリュッセル地方でつくられる、ベルギーを代表する伝統的なビール。大麦麦芽のほかに小麦も使用され、わざわざ古いホップを使う。培養酵母は用いず、空気中に浮遊している酵母やバクテリアで、1~2年またはそれ以上自然発酵させる。特有の香りがあり、酸味が強いので、他のビールで割るか甘味料を加えて飲むのが一般的。グーズ(Gueuze)はランビックの一種で、できあがったランビック1/3と1年程度自然発酵させた若いランビック2/3を混ぜて1年間発酵後びん詰めし、びん中でさらに発酵させたもので、発泡性が強くシャンパンのような風味がある。いずれもアルコール分は通常5.0~6.0%。自然発酵ビール。

ボック Bock
 ドイツのアインベックが発祥の地で、その後バイエルン地方で発展したビール。元は濃色ビールだったが、今は淡色ビールが多くなっている。ホップの香りも芳醇で、こくがありアルコール分も高く6.0~6.5%。これをさらに濃くしたものがドッペルボック(Doppel Bock)で、アルコール分は7.5~13.0%。下面発酵ビール。

トラピスト Trappiste
 ベルギーに伝わる古いビールで、修道院でつくられていたところから、この名が付いた。イギリスのエールに近く高濃度の濃色ビールで、瓶中での後発酵も行われる。アルコール分は6.0~10.0%。上面発酵ビール。





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