見出し画像

Moonraker

 イアン・フレミングの1955年の作品。007シリーズの3作目。邦題は「ムーンレイカー」。Kindle版の007全集。長編12個、短編9個、全部入って¥59と安かったのでとりあえず買っておいたもの。

 序盤のブリッジの場面は詳しく書いてあります。ロンドンの上流階級向けの社交クラブ、バカラとかブリッジとか紳士の皆さんが遊んでおります。ボクの経験で近いものといえば、20歳前後に数回出入りした新所沢の雀荘くらいですか。しょぼい。

 ここで、億万長者の紳士のくせにイカサマをしているらしい者がいる、ボンド君の目で確かめてもらいたいとMに頼まれました。Mがクラブのメンバーなのですね。それではと、おもむろに一回りすると、すぐにピンと来たボンド。おそらく、カードを配る時に、さりげなくテーブルに置かれたシガレットケースの表面にカードの絵柄を写して見ているのであろうと言います。

 それでは私が懲らしめてあげましょうと、ボンドが仕込んだデッキをポケットに忍ばせて参戦します。最初、からくもゲームを取りますが、その後どんどん分が悪くなりついにボンドのディーラーの番で仕込みデッキ発動。ボンドのセブンクラブにダブルをかけてきた相手。ボンドは更にリダブル。そして、見事なクロスラフで勝ちました。

 驚いたのはボンドが、これから勝負に向かうという場面で覚醒剤みたいなものをシャンペンに混ぜて飲むという部分。時代ですね。ボンドがオフィスで読む書類には、日本はヒロポンを得るために犯罪に走る若者が多いとかいう報告書がありました。

 1955年といえば、ボクの生まれる1年前であります。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?