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デイヴィッド・イーグルマンという人の2021年の作品。日本語版は「脳の地図を書き換える -- 神経科学の冒険」。脳に関する一般向けの読み物です。
新旧のエピソードが盛り沢山で大満足の一冊。中でも、共感覚の種明かしめいた部分は印象に残りました。本などに印刷されたアルファベットのある1文字が、本来は黒ですが赤とか青とかの色に見える人がいるそうです。米国の話。ボクはラマチャンドランの本で知って、共感覚の不思議を疑ってはいませんが、この本に書かれたことも真実なのでしょう。
著者はこうしたアルファベットに色がついて見える人を大々的に募集して、集まった多勢の人の症状?を分析したそうです。そうすると1)ある年代の人が大部分だった2)色の出方に規則性がある、という二つが分かりました。2)は、Aから8種類の色が順番に出るということです。
これらの人々の幼年期に流行ったアルファベットのマグネット、鮮やかな8種類の色の冷蔵庫などに貼り付くアルファベットのおもちゃが原因であろうということです。色の順番も一致しました。
最初期に結びついた文字と色との関連が、通常は後にいろいろな別の色で上書きされて、特定の文字と特定の色との関係は断たれるが、断たれなかった人も稀にいるのだという説です。細部はさておき。
メインのテーマは、脳の可塑性です。
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