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The Heart Is a Lonely Hunter

 翻訳版は「心は孤独な狩人」、カーソン・マッカラーズという人の1940年の作品です。 何かの時に「この商品を買った人はこんな商品も買っています」で見かけ、Kindle版が安かったので読んでみました。

 アメリカ南部のとある町で、1938年から1939年にかけての約一年のあいだに、登場人物たちの身の上に起きた出来事が書いてありました。主に不幸な出来事でした。

 黒人のことも書いてあって「To Kill a Mockingbird (アラバマ物語)」にも似た風味を感じました。

 このタイトルは深いです。部屋に一人でじっとして居られれば良いのに、狩人のように獲物を求めてうろつき回る哀しい心。心の平和、幸せを感じるのは難しいですね。

 物語の中で、登場人物たちが聾唖者のシンガーに心情を語る部分に、ロジャースの来談者中心療法、いわゆるカウンセリングを連想しました。この物語はそれより前に書かれています。

 ボクが、浦和の埼玉県警の建物の道を挟んで隣の場所で、産業カウンセラー養成講座を受けたのが2004年、その後無事試験に受かって産業カウンセラーになりました。でも、カウンセリングをしたことは一回もありません。何年か前に、一万円の年会費を払うのをやめたので、もう産業カウンセラーではありません。

 カウンセリングにはあまり効き目がないと思っています。むしろ、話をただ聞いてくれる(シンガーの場合は唇を読むのですが)だけのほうが、よっぽど良いでしょう。でも、普通の人には黙って聞くだけのことはできません。自分もこじらせたものを抱えた人はなおさらでしょう。黙って聞く(ように見える)シンガーは理想的なカウンセラーにも見えます。

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