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【持たざる者の逆襲:感想文】

こんにちは、風見です。

いつもこの時期は、トレーナーチームに読書感想文として課題を出しています。

僕もいつも読んでいる本の中から選んで出してみます。

いつも通り、学生に伝わりやすいようにトレーナーや柔道整復師といった専門分野に置き換えるとどうなるかを話していきたいと思います。

今回の本は 溝口勇児さんの『持たざる者の逆襲』です。

今の人ですとブレイキングダウンで有名なのかな。自分くらいの年代だとFiNCだったりしますよね。

【選択】

<人生は選択の総和
人生は選択の連続です。今の自分に満足しているのであれば、選択は間違っていない。逆に満足できていなければ、選択の再考基準などを考え直さないといけない。
〜〜作中より引用


今日の朝ごはんから始まり、通学路、昼ごはん、帰り道etc、人生選択の連続です。
トレーナーであれば、この状況で選手を行かせるべきか否かの判断。
固定をとるか、もう少し付けておくかの判断
など、多岐にわたります。
ここでも書いてありますが、その選択について、満足いく結果であったのかそうでなかったのかの答え合わせは常に必要で、それが経験になります。

もう一つ、現場で重要なのが、選択のスピードですね。
特に試合などになるとその要素が強くなります。
そして、そのスピード感を高めるためにも
普段の練習でもスピード感を持って考えることが重要と考えています。
普段できないことは特別の場であってもできませんからね。


<経験したことないものに情熱は注げない
選択の質を上げるには、夢や目標を決めること。大事なことは方向性を定めること。
経験したことがないことを経験してみる。経験したことがないことには情熱は注げない
〜〜作中より引用


 例えば、参考書を“選ぶ“際にどうやって選ぶのでしょうか。東大生が使っているものを選ぶのか、はたまた生物の参考書を選ぶのか。選択の幅は本屋の広さと同じくらいありますよね。でもそれは目標がない場合だけです。
 目標を国立大にしたのであれば、センター試験用の問題集を買うでしょうし、その場所に行きますよね。
 このように、目標や目的がなければ、選択もままならないわけです。

 トレーナーや柔整も同じですよね。経験しないことには目標も目的もはっきりしない。最初は学校の単位のためと来ていても、選手と接するうちに治してみたい、パフォーマンスを上げたいなどの“”目的“ができてきます。

 その目的に向かって勉強をし始めるようになり情熱を注げるようになるという流れもあります。まずは経験すること。そして、それが自分の仕事に対してのやりがいであったり、目標になってくれると思います。

【成長】

<初めの1万日が人生を決める
社会で活躍できる人になるかどうかは、体力や好奇心が旺盛で人から応援を得やすい若い時代に成長できるかによって変わります。
早くからリスクをとって成長した人は機会ももらえる。
人の平均寿命は3万日、その1/3の1万日で結果を出した人はその後の人生で大きな
アドバンテージ
〜〜作中より引用


 これは自分の師匠からも言われましたが、千日を持って鍛とし、万日を持って練とすという宮本武蔵の名言でもあります。
これは『千日継続してやり続けて役に立つようになり、万日やらなければより良いものに昇華できない』と言われています。
 本書の中では人生万日までに何をするかによって、その後が変わると言っています。
つまりは約30歳までに経験したことでその後形成されるということでしょう。
 これには賛同です。20代が仕事を始めることが多いと思いますが、この20代でどれだけ色々経験したり、また辛くても大変な思いをしているかということが重要かなと思います。ブラックやなんやと言われる中でもそういう場所を経験し、乗り越えてきた人は強いなと感じます。
 また休日などを自己研鑽に使った人もこれに同じであると感じます。勉強会や研修、仕事とは別の実習など。そういったことに時間を使った人の強さは30歳以降に着々と現れるはずです。

<トップ0.8%の人材を目指せ
ある講演会にオーディンエンスが1000人いたとすると
話を理解しようとするのが200人
実際に行動する人は40人
さらに行動し続ける人は8人
〜〜作中から引用


 『継続』これに尽きます。世の中のすごいと言われている人に漏れなくついているのが『継続力』ではないかと。
 またこの継続は誰でもできるようなことを、誰もやらないくらいの質で、誰もやらないくらい続けられることであると思っています。それが、途方もない場所に行くことができる唯一の方法であると。

 また、この『継続』に関してはトレーナーは継続しているだけですごいと呼ばれる存在になります。これは専門学校や大学を卒業した後にわかるのですが、卒後3年でトレーナーを続けている人は30%まで落ち、5年で10%、10年も経つと1%ほどになっているのではないと思うほど継続している人は少ないです。故に学生には『正しい努力を続けてトレーナーを継続していれば大きな仕事に就く可能性は大きくなる』と毎年言っています。

<自分だけで成長できるほど甘くはない
指摘やアドバイスをもらえる場所を作る
社会人になるとフィードバックをもらえる環境がなくなる
取捨選択も必要
〜〜作中から引用


 大前研一さんの発言にこんなのがあります。
『人間が変わる方法は3つしかない。1番目は時間配分を変える。2番目は住む場所を変える。3番目は付き合う人を変える。この3つの要素でしか人間は変わらない』

 僕は東京ガスの現場ではこれを意識しています。時間配分(練習での時間配分や人員配分)を考えることで、いかに効率よく、また的確に動けるか。場所の提供(外傷を見る場、チームとして動く場)をして、きついがその後に少しでも影響の出るような場所を創る。たくさんの人間を幹部として叩き上げて、横のつながりで強くなれる場の提供。

 ここの実習に来て、何年もやることで得られるメリットを大きくするために動いています。『教育』という名のもとに、自分を変える場所を作れたら良いなと考えています。

【運と縁】


<運と縁の正体
ここでの運は 俗にいう宝くじなどの運ではなく、出会い、巡り合いといったもの
です。
〜〜作中から引用


  出会い、巡り合いはとても重要なものです。運は運ぶとも呼びます。運んで来てくれるのは出会った人、巡り会った人です。
 僕は停滞している時、多くの人に会いに行ったりします。1番はお世話になった人。定期的に会いに行くようにしています。感謝も含めて、現状の報告であったり、今後のことを話したりと。
 出会いに恵まれているなと感じるし、それに応えること、感謝することも忘れないようにしています。
 出会って終わりではなく、出会ってからが始まりなので。


<言霊を信じろ
言霊が運と縁を引き寄せる。
自分の考えが明確であると引き寄せる。
〜〜作中から引用


 言えば、それは決意となり、言い続ければ、それは現実となる。僕はそれは何度も経験している。
 まだトレーナー事業部が立ち上がって間もない頃に、日本一のチームつきたいと豪語していた。(まだまだ27歳の頃なので若い発言だなと今は思います)結果、その時に就いていたチームは日本一になってくれた。
 トレーナーの活動で東京ドームの舞台に立ちたいという願いは、その後に就いたチームで何度も達成した。
 言い続けることでチーム契約が成ったり、そのチームが勝ったりとしていくのを目の当たりにした。もちろんそれは選手がチーム一丸となって勝ち取ったものなので自分の言霊とは違うかもしれないが、そのチームに就けたこと、契約したことは少なからず、僕が言い続けたものであると思っている。

 先ほどの縁の話と被ることでもあるが、言い続けるとそれに見合うような縁ができてくる。
 『言い続けること』が重要であると感じる。


<行動し続ける人が運と縁を掴む

 言わずもがな、行動し続けることが重要。そのためにもはじめの一歩が本当に重要なんです。やったことがあると言うことが非常に重要です。

 ここまで見てきて、『継続』がもっとも簡単で難しい行動であることがわかります。だからよく昔から言われている

『継続は力なり』となる。

 ここでは持たざる者の逆襲となっていますが、学生の諸君はまた何も持っていない。だからこそ、行動して、どんどん武器を『持っていく』のだ。

 何もしないなんて勿体無い。自分の将来つながる何かをどんどん行動して取得していく。時間は有限だ、今日から、いや今から何かしよう。

 なんでもいい、とにかく継続してみよう。まずは千日から。

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