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リンパ腫

 人と同様に、わんちゃんねこちゃんにとっても大学病院というものがあり、街の病院よりも本格的な治療ができる施設があるってご存知でしょうか。

 私は知らなかったし、もうタイトルの通りなのですが、愛犬が大学病院でリンパ腫と診断されました。12月18日のことです。

 色々と考えたことがあります。それをすべては書ききれないけれど、文字にしてまとめておこうと思います。

 愛犬というのは画像の子で、ムギといいます。今月で5歳と6か月になる柴犬です。改めて写真にするとめちゃめちゃ可愛い。

 ムギは私たち姉妹にとって、家族で、仲間で、大切な子です。
 私たちは実家時代に3匹のわんちゃんを飼ったことがありますが、どの子も10~15年でこの世を全うしました。
 だから、わんちゃんの寿命は10年という常識の元に生きていて、でも、そうじゃないんだなって思い知ったのが、これから書く内容になります。

 まず異変としては、9月~10月頃に起きました(本当はもっと前からだったのかもしれません。でもすべて結果論になってしまうので、ここから始めます)。
 すぴすぴとお腹を出して眠るムギの乳首がうっ血していて、あれ?と思いました。
 ただ食欲はあるし、散歩も大好きだし、丁度ヒートを終えた頃だったので、ホルモンバランスの影響かなと、大して問題にはしませんでした。
 ムギは元々、皮膚病を患っていて、1か月~2か月毎に動物病院に行きます。病院の先生に相談したところ、同じように「偽妊娠状態かも」とのことだったので、時間の経過で解決する症状だと思っていました。

 次に11月の中旬です。
 この時はよく覚えています。ムギが弱り顔をしていて、少し元気がないな、と思えば、次の日には尻尾が垂れ下がり、散歩に行くのもやっとこさ、という状態になりました。
 震えて夜も寝れない様子なので、急遽、動物病院の予約を取り、血液検査とエコーをしてもらいましたが、異常はなく、点滴をしてもらったら元気になりました。
 ただし問診で先生に言われたことは、もしかすると乳腺に腫瘍ができているかもしれないということでした。この時点でムギは避妊手術をしておらず(前述しましたがムギは皮膚病を患っていて、皮膚病か完治してから避妊の手術をしようと延期していました)、
たしかに乳房は腫れていて、乳腺炎かはたまた別の病気か「もし、もっと詳しい検査をしたいなら」と大学病院を紹介をされました。

 しかし検査で異常は検出されなかったことで、いったん経過観察としてもらい、それから三週間ほどは、おそらく点滴のおかげで元気な様子だったので安心していました。
 ですが、12月に入り、首のあたりに小さなしこりのようなものがあるのに気付きました。
 ネットで症状を検索したところ、リンパ腫だとか、ガンだとか、そういう文字が出てきて、あまりに症状が一致するので、この時に、偽妊娠だとか、乳腺炎だとかの治る病気ではないんだなと直感し、ショックを受けました。

 すべて結果論だから、いつどこでどうしていれば病気を回避できたかは分かりません。
 ムギは避妊手術をしていなくて、それが病気のリスクを上げてしまったのだと言われてしまえば、責任は数年前まで遡らなければならないし、食生活やストレスだと言われてしまえば、彼女と過ごした時間のほとんどを「間違っていた」としなければなりません。

 大学病院は大きくて、受付の方は丁寧で、担当になった先生は、ムギのことを「ムギさん」と呼んでくださり、多中心型リンパ腫(ガン)についての説明を事細かにしてくださいました。

 これから、本格的に抗がん剤治療が始まります。
 1クール(25週間)で30万~50万と高額ではありますが、正直全身にガン細胞があると説明されたときは、治療費は100万円くらいかかってしまうのではと思いました。
 ただ、わんちゃんの抗がん剤治療は、個体差はあるものの、人間で言う強い吐き気とか酷い脱毛はほとんど起こらない事、一回目は少ない量でジャブを打ち、副作用の問題がなければ週に一回、薬を投与する事になると説明を受けた上で、治療をお願いしました。

 そして昨日、一回目の投与を終えたばかりです。
 ジャブで打った際は、幸いムギは薬との相性が良かったようで、身体の腫れも落ち着き、垂れ下がっていた尻尾も上向きに丸まり、すっかり元気な姿になりました。
 今回の薬は投与して2~5日目に副作用が出るとのことで、まだまだ気は抜けません。
 今はただ、少しでもムギが苦しい気持ちをせず、私たちと一緒に過ごす時間を長くできたらと願うだけです。

 このような選択は、私たち側のエゴであることは100も承知です。
 元気なように見えて、ガン細胞が消えたわけではないし、今は元気だけど、いつ体調が急変するかも分からない。薬を投与することでムギが苦しい思いをするならば、また別の選択を考える必要があります。

 私たちがムギとさよならをするための、心の準備の時間を用意したに過ぎません。
 そのような私たちのエゴに付き合わせるならば、
 わんちゃんは日本語を話さないので、ムギが痛いだとか、苦しいだとか、そういうことを言葉にすることはない代わりに、
 それ以外の彼女から発されるサインを、しっかり受け取れるよう向き合っていきたいと思っています。

 今ある時間を大切に、この先もより多くの時間を、元気なムギと共に過ごせることを願います。



 最後まで読んでいただき、ありがとうございました。



 

《お願い》
もし、読んでくださった方の中に、
リンパ腫と診断されたわんちゃんと過ごす方がいらっしゃいましたら、情報をいただけたら嬉しいです。
 検索すれば沢山の情報が出てくる世の中ではありますが、溢れている分、何が正しいのかわからない現状です。
 どうぞよろしくお願いいたします。


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