Cの時代 〜レールから外れる〜
2018年10月17日(水)
労働市場について調べ始めて1週間。その間、サトウとは何度か電話やメールでやりとりをしながら調べる内容やまとめについて話し合っていた。
「・・・そうだね、厚生労働省と内閣府、総務省のデータは使えそうだね。このデータを掛け合わせて言える事ってなんだろうね?・・・まっ、またデータが揃った段階でまとめる方向性については考えよ。はい、じゃあ、引き続きよろしく」
各省庁のデータを見ながら、改めて、働くことについて考える。
年間労働時間、この20年で200時間減少、
完全失業率、2010年以降右肩下がりで減少
さして悪い数字は見当たらない。
「賃金はどうなってるんだろうか?」
平均賃金の推移、この20年、平均賃金は50万ほど下がっている。更に、30代男性に限って見ると100万程さがっている。年間100万ということは、月に8万程度、収入が落ち込んでるということか。なるほど、これだけ収入が落ち込んでいれば、明るい未来を描くこと自体が難しいと感じているんだろうな。
「就活市場はどうなっているんだろうか?」
売り手優位といわれているが・・・流通・製造・建設業界は高い求人倍率だが、サービス業、金融業に関しては変わらず企業優位。さらに、大企業の有効求人倍率は、0.5%程度。
「なんだか、自分が就活してた頃と中身はあまり変わらないんだな」
変わらないミスマッチ。大手企業の枠をみんなで争う図式。
更に、就活市場について調べてみると「大卒でも就職しない学生15%」という数字が目に止まった。
なるほど、就職しない学生は15%しかいないのか。公務員や企業、何かの職業に就くために大学に行くんだもんな。就職しない人間なんて、ほとんどいないということだよな。自分自身が圧倒的な少数派だったことを今更ながらに知った。
よりよい大学を卒業して、よりよい大企業に入る。幸せモデル。当たり前か。
親族や友達が安心する世界。少数派として20年過ごしてきた人間が異論をはさむ余地はない。
「あの時、なんで就職しなかったのか?」
対外的には、インドから帰ってきて就活への違和感ということにしてあるが、
もう一つ大きな理由はレールを外れてみたかったという欲望。
気づけば、幼稚園から何かに所属し続けた人生を一度終わらせてみたかったというのが本当のことかも知れない。大学は楽しかったが、本音は行きたくなかった。普通科高校で周りが行くからという理由で大学に行った。自分の中で明確に行かないという選択肢を取ることができなかった。
自分の意志で外れて、自分で決める。
就活を機にレールを外れるのは「今しかない」と思った。
ここからは、自分で選択する人生だと決めた。
呼び出し音、3回。
「・・・もしもし、サトウさん。あのさ、就職しない15%の大学生が居るってデータがあるんだけど、そう、労働市場の本筋とは関係ない話なんだけど、就活に関するデータとしてレポートに入れておいてもらってもいい。ありがとう」
15%。就職しない人生。
みんな、どんなレールを進んでいくんだろうか?
自分の仕事で少しだけスポットライトを当ててみたくなった。
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