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#6 退院~フリーランサーとしてがんを利用するには

1日目 町医者→大きな病院→診断・・・いったん帰宅
2日目 入院→手術
3日目 ワーケーション
4日目 退院

なんかいろんなことがありましたが、もう退院です。
いやほんと、今まで経験したことないことをいっぱい経験しました。
ありがとう。
病院ありがとう。
直してくれてありがとう。
さようなら。

とはならなかったのでこの日記を書いているのですが、とにかく、あっという間に退院の日がやってきました。

えっと、5センチ切ったって言ってませんでしたっけ?
お腹。
5センチ。

これ、帰れるんですか?
普通に起き上がると痛いのですが。。。

とにかく、かえっていいという事で帰り支度を始める。
そして、会計をすませて帰る。
午前中には手続き終わって、お昼前には家に到着。
さすがにお腹痛いので、タクシー搭乗。
いてててって言いながら乗るとタクシーの運転手さんが
「ぎっくり腰ですか?」
ていうから
「がんで手術しました」って言ったら引いてたww

とにかく、次は週明けの検査です。
この検査でガンの数値が下がっていれば無罪放免。
下がっていなければ抗がん剤治療。

という事になりました。

家に帰ってからが結構大変です。
腹筋使えないのでとにかく起きれない。
寝れない。

うちはお布団スタイルなので、腕の筋肉で何とかこなしていく。

一度立つか寝るかしてしまえれば、そののちは大丈夫なのですが、態勢の変更がとにかく大変でした。

一度も触ってない

いや、そもそも、今回のことでよくわかったのが、僕が以下に引きこもり体質かという事です。とにかく病院という環境はノンストレスだった。
また、家から一歩も出られなくっても何も困らない。
僕がもしニートだったら、良質のニートになれただろうな。
素質抜群だと思う。
出れないのではなく、出なくていいのだから。

そんなこんなで、いたたと言いながら日は過ぎていきます。
気分が悪いわけじゃないので、そこそこ仕事をしながら。
今後のことは週明けにならないとはっきりしたことがわからないので、関係各所には事情を説明できる人には説明して、ぼやかすひとにはぼやかしてとりあえず連絡をした。

実は僕はあれから、一度もおふぐりちゃんをちゃんと触っていない。
お風呂に入ったりはもちろんしているし、なんとなく触れる機会があるのだけど、なんか、なくなったのを確認するのが忍びなくて。
まだ触っていない。

結果として僕は一週間家にいて、再入院することになるのだけど、この間一度もおふぐりちゃんをちゃんと触ってないし、傷口もちゃんと見てない。
なんか、確かめたら何かが変わってしまいそうで。

そうこうしているうちに検査の日がやってきた。
この日は奥さんに車で送ってもらった。
さすがにお腹に力入れにくい状態で電車はつらかったので。

前回は緊急の午後からの外来だったが、今回は通常の時間。
メッチャ人がいた。
なるほど、やっぱりあの町医者先生には感謝だとあらためておもった。
全部終わったら御礼にいこう。

などとおもいつつ、外来で泌尿器科を受診する。
そして、血液検査の結果、ガンマーカーの数値について説明を受ける。

フリーランサーとしてがんを利用するには

僕はこの日までに結構気持ちを作っていた。
まず、抗がん剤治療になってもショックを受けないくらいには、段取りも考えてみたし、色々シミュレーションしてみた。

一つは、これをキャラ化して打ち出し方を考えるという事だ。
フリーランサーにとってこれがどう利用できるか考えた。
まず、同情される事案であることは違いない。

同情という言葉は最適切ではないかもしれないけど、心配というか、気は使われるだろう。

まず、がんは一歩間違えると死に至る病気であるという印象がある。
それと、治療が困難な病気であるという印象もある。
くわえて、バリーションが多すぎて深刻さに個人差がある。
余命何年なんて話もでてくる。

この言葉の持つインパクトは相当だ。
なので、これをフックにすれば、自分の印象を作れると思った。
印象的すぎるワードだからこそ、利用価値がある。

もう一つは、片玉ちゃんだ。
これは事態の深刻さを少し和ませる要素がある。
もし僕が未婚の20台で同じ状況なら、子供をあきらめることになるらしい。
これは抗がん剤治療の説明で何度も聞かされた。

ここは本当に幸いなことに、僕はこの年になってから罹患した。
これは、ラッキーと言っていいと思う。

あともうひとつが、毛が抜ける可能性だ。

これも笑いに持っていける。
ハゲはやっぱり面白い要素を持っている。
このあたりをまとめて、ポジティブに変換すれば、これは僕にとって糧にすることが可能だ。

完全にデザイナーの考え方だけど、セルフブランディングの一環として整理してみた。
なので僕は、この段階では気持ちをしっかり作れたので、こういう準備をしたときはかえって空振りするかもと思っていた。

やっぱり取りきれてました!
抗がん剤治療は必要ありません。

ってなっちゃうかもなーと。

今となってみれば、それが、どこかから湧いてきた期待感だったのかはわからない。

そして結果。

「下がっているけどまだ高いです。抗がん剤治療を受けてください。」

とつげられた。
そしてやっぱりこれは大変なことになったという思いがじわっと出てきた。

この後、会計に2時間かかったことは、僕に気持ちの整理をつけさせるという神様の配慮だろうか?



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