サバ食文化の作られ方「大阪編」 【読みサバ 】2尾目
サバ好きのみなさんこんにちは。
サバは全国各地いろんな漁港で水揚げされていますね。
足の速い魚ですが、塩漬けにしたり、干したりして保存ができるような工夫が昔からされてきました。そうして、産地のみならず、山間部にも運ばれて、各地にサバ食文化が根付いています。
例えば、僕も大好きな「サバ寿司」は、西日本に多い印象がありますね。
寿司と聞くと、海辺の町で活きのいいサバの握りというイメージももちろんありますが、サバ寿司(鯖寿司)と言えば棒寿司!ですね。
棒寿司は、京都、岡山、兵庫あたりが思い浮かびます。いずれも海辺ではないんですが郷土料理として根付いているサバ食文化です。
山間部サバ食文化特集はまたの機会に書きますが、大阪のサバ寿司は京都のとはこれまたちょっと違います。外観も丸ではなく四角いですね。
大阪の四角いサバ寿司は「バッテラ」と呼ばれています。
バッテラは元々はサバではなく、コノシロという魚で作られていました。しかし、コノシロが獲れなくなり、漁獲が安定していたサバが使われるようになったのです。
コノシロは東日本ではそれほど馴染みがないかもしれませんが、寿司の光り物の代表格コハダが成長したのがコノシロです。
大阪では、京都や兵庫の棒寿司とはまた違うかたちでサバ寿司文化がつくられていったんです。
ところで、「バッテラ」ってなんでしょう。
実は、ポルトガル語で小舟を意味する「バッティラ」が語源なんです。
今度、遠目で見てみてください。
ちょっと小舟のように見えるかもしれません。
いやいや。まだコノシロが使われていた頃、発祥のお店「寿司常」さんでは舟形の寿司型が使われていて、コノシロの半身の尻尾部分がきゅっと持ち上がって小舟のように見えたことから、バッテラの名がつけられたそうなので、今ではその姿を拝むことはできませんね。