みりん

日本人なら知っておくべき!!みりんの歴史と、カント、ハイドンのつながり



日本料理(家庭料理)で煮汁を作るために欠かせない存在と言えば、みりん・醤油・白だし・酒。それにも関わらず、酒はもちろん、みりんさえも消費増税の対象になったことに、不満を抱いている今日この頃。

ふと、「調味料のイメージだったけど、あれ?酒でもある…?みりんって何者?」という疑問がふつふつと湧いてきた。
11月30日は「本みりんの日」だし、ちょうどいいやと調べてみました!!


みりんの歴史

さくっとみりんの歴史をご紹介!
ざっくり言うと、江戸中期(1760年前後)から日本料理にみりんが定着し、昭和30年以降に一般家庭でも使われていったってー。

みりん

(出典:Wikipedia「みりん」)

起源:
  「みりん(味醂)」が日本で誕生したのは戦国時代。日本発生説と中国伝来説があるようです。
(全然関係ないですが、「みりん」って書くと日本っぽいですが、「味醂」って書くと中国っぽいですよね…。文字って面白い。)

戦国時代(16世紀)~江戸時代初期:
  みりんは甘口の高級なお酒として飲まれていたって。もともと、飲み物、お酒だったんだね。(だから今も消費税10%…)

江戸時代中期(1760年前後):
  うなぎ屋さん、蕎麦屋さん、和食店にて、たれ、そばつゆ、煮汁などにみりんが使われるようになった。
  また、この時期に現在にも残る日本料理が完成したとのこと[1]。(日本料理の歴史ってどんな流れなのかな?食文化も知りたいな…)

明治~戦前:
  みりんはぜいたく品だったから、一部一般家庭を除き、主に日本料理店でのみ使用されていたって。

昭和30年代以降:
  ようやく本みりんが一般家庭に普及。日本料理の代表的な調味料の一つになったって。意外と最近!!

[豆知識]
お正月にいただく「お屠蘇(おとそ)」も、みりんに生薬を浸して作られているんだって[2]。江戸時代に日本文化が築かれたと考えると、ちょっと贅沢なものだったみりんをお正月に使ったの、わかる気がする。(あくまで個人の見解です)



同時代の西洋の文化は…?

みりんが日本料理に根付いてきたころ(1760年前後)、西洋文化はどんな時代だったのでしょう?

江戸時代中期(1760年前後):
  うなぎ屋さん、蕎麦屋さん、和食店にて、たれ、そばつゆ、煮汁などにみりんが使われるようになった。

同時期に西洋文化で活躍していたのは、どんな人物だったのでしょうか?1760年前後に活躍していた人をみてみましょう!

1760年ごろに15歳以上でご存命だった、西洋文化の主要な人物

1760年前後に15歳以上存命の人2

(自作年表)

彩り豊かな人ばかりですね…。まさかの、これが江戸中期ですよ…!!


さてさて、この頃の西洋と日本の文化を知るべく、この中から、カント、ハイドン、ユベール・ロベールを、最後にちょろっと伊藤若冲をご紹介。
みりんと同時代の文化人はいかに…!!


カント (1724~1804)

カント

(出典:Wikipedia「イマヌエル・カント」)

ドイツ・プロイセンの哲学者で、三大批判書(『純粋理性批判』、『実践理性批判』、『判断力批判』)を書いた。

カントについて知りたければ、こちらのページ[3]をおすすめしますー!
(…授業で紹介されたけど、わかんなかったんだよなぁ…。今読めば、塵くらいは理解できるかな?)


ハイドン (1732~1809)

ハイドン

(出典:Wikipedia「フランツ・ヨーゼフ・ハイドン」)

西洋音楽の歴史において、「古典派」の代表的な作曲家の一人。
多くの交響曲と弦楽四重奏曲を作曲したから、「交響曲の父」「弦楽四重奏曲の父」と呼ばれることも。
(私的には「~~の父」の呼び方、苦手です…。沢山あって覚えられない…)

実はハイドンが亡くなったのは、メンデルスゾーンが生まれた年。とても長生きさん!


・弦楽四重奏曲 第77番「皇帝」

youtube: (第2楽章)

・交響曲 第94番「驚愕」

youtube: (第2楽章)


ユベール・ロベール (1733~1808)

ロベール

(出典:Wikipedia「Hubert Robert」)

フランスの画家。
美術史上では「ロココ時代」に生きた人らしく、風景画がとても得意だったんだって!特にロベールの描く廃墟が素敵で、「廃墟のロベール」とも呼ばれるらしい。

《ポンテ・サラリオ The Ponte Salario》(たぶん、地名[5])

ロベール2

(出典:Wikipedia「Hubert Robert」)


あとは、庭園のデザインも手掛けたし、ルーヴル美術館の設計にも携わり初代館長も担ったって。(「風景」に才のある人だったのかな。)

《廃墟となったルーヴルのグランド・ギャラリーの想像図》

ロベール1

(出典:WIKIART)

ちなみに、2012年に国立西洋美術館で企画展「ユベール・ロベール-時間の庭」が開催されていたよ[4]


伊藤若冲 (1716~1800)

伊藤若冲

(出典:Wikipedia「伊藤若冲」)

最後にさくっと伊藤若冲をご紹介。なんと、江戸中期にも関わらず、85歳まで生きた人!
日本美術史だと、「狩野派」に属する人らしい。がっつり日本画の人だね。

《動植綵絵》より「群鶏図」

伊藤若冲2

(出典:和楽[6])


まとめ

みりんが日本料理に根付いてきたころ(1760年前後)は、
西洋音楽では古典派の時代で、西洋哲学も隆盛を喫していました。ルソー、カント、ハイドン、ユベール・ロベールが生きていました。
一方、日本では、江戸中期で、享保の改革が行われた後、日本美術だと伊藤若冲が活躍していた時代でした。


以上、みりんから知る文化、でした!!


引用元

[1] 「九重味醂」のHPより。みりんの起源をしりたければこちら。
https://kokonoe.co.jp/mirin01

[2] 「日本名門酒会」のHPより。お屠蘇ってなーに?
https://www.meimonshu.jp/modules/xfsection/article.php?articleid=379

[3] 「哲学早わかり」のHP。カントについてかみ砕いて説明してくれる。
https://www.philosophyguides.org/fastphilosophy/kant/

[4] 「国立西洋美術館」の「過去の展覧会」のページ。
https://www.nmwa.go.jp/jp/exhibitions/past/2012_231.html

[5] Wikipedia: Ponte Salario 英語のページしかないけど。たぶん、地名。
https://en.wikipedia.org/wiki/Ponte_Salario

[6] 「和楽」というHP。若冲の色々な絵を紹介してくれている。
https://intojapanwaraku.com/jpart/2211/


参考先

・全国味淋協会のHPより。本みりん、みりん風調味料、発酵調味料の原料や造り方をさらっと理解できる。
https://www.honmirin.org/knowledge/



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