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3月11日のミラノ

3月8日0時からミラノを州都とするロンバルディア州とその近辺の14の市町村をコロナウイルス危険地域のオレンジ・ゾーンと指定し、移動制限します。。。と、7日の夜19時にイタリア首相が言った途端、ロンバルディアに住む中部から南部出身のイタリア人の多くが、その夜のうちに、電車、バス、車など、ありとあらゆる交通機関を使って、実家に帰ってしまいました。(笑)(噂では約6000人の移動?!)

結果、ロンバルディア周辺だけをオレンジ・ゾーンとする意味がなくなってしまい、首相は、9日の夜、3月10日0時からイタリア全土をロンバルディアと同じ、コロナウイルスによる制限下とする宣言をしました。つまりレストランやバーは18時まで、用のない外出は控えること。止むを得ない外出の場合は、自己申告書を携帯することなどです。(詳しくは「3月9日のミラノ」参照。)

3月10日18時の報告書では、イタリアの陽性者8514人。死亡者631人。完治者1004人。合計10.149人。検査人数60.761人。

イタリア国内の死亡者数631人の平均年齢は81歳。            内訳は90歳以上が14.1%。80−89歳が42%。70−79歳32%。  60−69歳が8.4%。50−59歳が2.8%

入院患者の平均年齢は80歳。90歳以上が14%。80−89歳が44%。  70−79歳が31%。60−69歳が10%。60歳以下は1%。そして25歳以下の入院患者はいない。

陽性患者の平均年齢は69歳。19−50歳が10%。51−70歳が46%。 70歳以上が44%。

この結果を見てもわかるように、若い方は、陽性になっても、入院が必要となるケースは非常に少ない。昨日ミラノSACCO病院の伝染病科の医師の方の話を聞く機会があったので紹介します。

***1月の終わり頃から、救急病院に来る『呼吸器系に問題のあるひどいインフルエンザの患者』が増えたのは事実で、その時点では誰も中国の渡航経験や、中国からの帰国者との接触がゼロだったので、コロナウイルスの検査は皆無だった。けれど、もしもその時点から検査を実施していたとしたら、インフルエンザと見られていた患者の半数近くは、コロナウイルスだった可能性もある。実際、病院の多くのスタッフも、コロナウイルスに罹患して、完治している。基本的には、持病を持たない健全な人の場合、罹患しても、無症状、また高熱や咳などの症状が現れても、普通にインフルエンザにかかった時のように、安静にして適切な薬(抗生物質など)を服用すれば、1週間程度で熱は下がり、2週間程度で完治となる。問題は70歳以上で持病のある方には、非常に危険なウイルスだと言うこと。***

さて、ミラノの陽性者数は現在592人。ゆるい外出禁止なので、昼間の街の中は、少ないですが何人かの人が歩いています。写真は昨日の夕方、いつものパティシェリアまで犬と散歩した時に撮影。チキン・ローストで有名なデリの前で買い物をする人の様子。待ってる人が一応、他人との距離を1m以上取っています。

ミラノはこんな感じで、この移動制限下でも、ユルユルと時間が流れています。



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